• アクセス
  • English
  • 東京外国語大学

Research Activities研究活動

  • Home
  • 研究活動
  • 研究成果
  • 中川裕【学会発表】コイサン諸語における器質性構音障害の症例:軽度舌小帯短縮症のグイ語話者によるクリック子音音素の発音

研究成果

中川裕【学会発表】コイサン諸語における器質性構音障害の症例:軽度舌小帯短縮症のグイ語話者によるクリック子音音素の発音

2017/11/25

◆発表者:中川裕

◆発表日:2017年11月25日

◆発表場所:日本言語学会第155回大会(立命館大学)

◆発表タイトル:コイサン諸語における器質性構音障害の症例:軽度舌小帯短縮症のグイ語話者によるクリック子音音素の発音

◆発表要旨:
本発表は、コイサン言語学者と言語聴覚士との共同による初のコイサン構音障害調査からもたらされた新知見の要点を報告した。まず、舌小帯短縮症をもつグイ語(コイサン諸語コエ語族)話者を対象として、その症状の器質的な診断、産出音の音声学的な評価と音韻論的インパクトの測定を行なった。結果として、その症例は器質的にも調音音声学的にも軽症でありながら、コイサン音韻論的には「重症」と言える機能負荷的な負のインパクトをもたらすことが、子音目録の縮小および子音頻度パタンの変化という観点から解明された。また、症例に観察された子音代用プロセス(クリックの非クリック化)を分析することで、この代用の背景にある音声生理的メカニズムを浮かび上がらせ、そのメカニズムと不完全調音(undershoot)との関係を論じた。またさらに、その代用音パタンと幼児言語のクリック獲得過程における代用音パタンの類似性を発見して、両者の平行性について考察した