2021年度 活動日誌

12月 活動日誌

2021年12月31日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

皆さん、こんにちは!

HSE が遠隔学習をしている間、東洋学部の学生は在モスクワ日本大使館の支援を受けたロシア国立青年図書館で開催された市のフェスティバルに参加しました。

12 月 11 日 日本文化の日「マトリョーシカさんがコミーシアにやってきた!」における「歌舞伎」プロジェクト

モスクワ国際コミックフェスティバル「コミーシア」(ComMission) は 2002 年から開催されています。当初は 1 回の展示会しか予定されていませんでしたが、やがてプロジェクトは大きな年次イベントになり、何年にもわたって外国人ゲストが参加し始めました。フェスティバルの使命はロシアでコミックの芸術を発展させ、絵で表現された物語やそれに関連する職業(アニメーション、イラスト、映画、デザインなど)の分野で働く国内の芸術家を支援し、世代交代を促進しています。フェスティバルでは、世界中の著名な漫画家に会うこともできます。

マトリョーシカさん・フェスティバルは、日露文化交流のプロジェクトを行う団体です。この団体はロシアと日本の異文化間のつながりを育むことを目的としています。主な任務は、芸術家、武道家によるパフォーマンス、ロシアと日本の文化の担い手によるマスタークラスなどのイベントを開催することです。

そして今年「コミーシア」の枠内で初めて「マトリョーシカさん」が日本文化の日を開催しました。このイベントは、ロシアの日本大使館の支援を受けて、ロシア国立青年図書館で開催されました。

プログラムは非常に豊富でした:日本の妖怪、日本のロックンロールに関するレクチャー、と本のプレゼンテーション、日本の武芸(相撲、合気道、空手、剣術、剣道)のデモンストレーション、邦楽と舞踊のパフォーマンス、ロリータファッションショー、コスプレ大会。また、図書館では、折り紙、手毬、墨絵のマスタークラスが開催されました。そして、この信じられないほど多様で活気のあるプログラムの中での中心的な出し物となったのは東洋学部の学生による歌舞伎プロジェクトでした。演目は「弁天小僧」でした。

学生にとって、これはすでにこの劇の 2 回目の公演ですから、それほど緊張はしませんでした。この作品では、三味線の演奏、踊り、歌など、ほぼすべての種類の舞台芸術を披露することができました。プロジェクトの枠組みの中で日本の古典的な演劇の伝統を研究している学生は、音楽、衣装とメイク、演技、特別な小道具、そして黒子の助けを借りて、本物の歌舞伎の雰囲気をできるだけ伝えようとしました。

しかし、最も重要なことは図書館に市から付与される特別な条件のおかげで、HSE の厳しい制限にもかかわらず、学生は市のイベントに参加し、一般の人々に自分たちの才能を発揮し、すべてのお客さんに日本独特の伝統をもつ歌舞伎を見てもらうことができたということです。学生たちのさらなる発展を願い、新たな公演を楽しみにしています!

そして、HSEは来年1月から再びオフラインに戻ります。次回また会いましょう!

(写真 Alexender Dvoriankin)

11月 活動日誌

2021年11月30日
GJO コーディネーター ユーリア・コロヴィナ

皆さん、こんにちは!

11月8日 東洋学部は、有名な日本文化の現代研究者、日本の古典詩の翻訳者、作家であり詩人、そして東洋学部の教授であるアレクサンドル・ドーリン先生によるオンライン講義を主催しました。

講義のテーマ:「ロシアでの日本の古典詩の中世と現代における研究と翻訳–結論と展望」

講義の導入部分でドーリン教授は自分の研究と翻訳活動の特徴を話してくれました。

ドーリン教授の主な専門分野は日本文学であり、特に日本の古典詩と20世紀の現代における古典詩です。また、教授は日本の教育や20世紀と21世紀のひきこもりの問題など日本のさまざまなテーマに関する論文を書いています。

ドーリン教授は非常に多作な翻訳者かつ作家であり、50以上の日本の詩集を出版しています。先生が何年にもわたって出されたすべての出版物は、いくつかの連作で構成される大規模なプロジェクトです。たとえば、ジャンル別の連作があります。古典的な中世の俳句、現代の俳句、現代の短歌、近代詩、現代詩です。また、日本の旅の詩(古代から中世まで)の詩集や、2020年に出版された奈良時代から江戸時代末期の宗教詩、つまり仏教詩の詩集。仏教詩の詩集は短歌、長歌、平家物語からの詩、韻文詩、漢詩などを紹介しています。このような詩集のようなものは未だ世界にありません。

日本の詩の翻訳に加え、ドーリン教授は2021年に、20年以上住んでいた日本滞在中を中心に書かれた彼自身の詩集を出版しました。

教授はまた、ロシア語で自分の詩集のための詩を選択して翻訳するために過去日本で出版されたどのような詩やどの詩集を使うかについて話してくれました。作品を選ぶとき、教授は主に日本の文芸評論家に頼っているそうです。

教授の学術的・翻訳的関心は、碑文の詩の研究、つまり、記念の石碑に刻まれた偉大な日本の詩人の詩などの詩の研究も含まれています。どうやら、ロシア語圏でこの知的分野の研究を行った人は誰もいないようです。そして、日本人自身がこの分野の研究を始めたばかりです。最近日本では、日本にある3,500の石碑に捧げられた芭蕉の詩だけの初めての専門書が出版されました。これらの石碑と詩には説明がつき、図録化されています。そしてそれはただ芭蕉の詩のみの本です。しかし、すべての主要な詩人は500から2000のそのような石碑を持っていました。つまり、これは巨大な文化遺産です。一方教授は、現代の最も偉大な短歌人と俳人である正岡子規の詩の石碑を研究し始めました。

教授はまた、彼の本のデザインのためのイラストや書道作品の選択方法を話してくれました。

現在、非常に有名で素晴らしい出版社の「ナウカ」は、教授の翻訳で「日本詩の大図書館」と題された8巻の出版を準備しています。そこには、7世紀から20世紀までのさまざまな日本の詩のジャンルが発表されています。21世紀までに詩が徐々に劣化してきたという教授の意見を聞くのは興味深いことでした。どのように素晴らしいプロの詩からある種のアマチュアの練習の詩に「落ちていく」のか。しかし、教授によると、劣化は日本の詩だけに当てはまるわけではありません。ロシアでも同じような悲しい傾向が見られます。教授は、日本の真の古典詩の歴史は 20 世紀に一時的に止まったと信じており、それが 21 世紀の詩を翻訳していない理由だそうです。

講義の主要部分では、教授は世界における日本の詩の研究の歴史について話しました。興味深いことに、20世紀初頭の日本文化の最初の愛好家や研究者は、ロシアでもヨーロッパででも日本の美学の特殊性などの概念がまだ知られていなかったため、日本の詩を理解していませんでした。「幽玄」「もののあはれ」「わびさび」など、原始的な詩の素晴らしさを当然のことながら鑑賞することはできませんでした。しかし、日本に関するものすべての流行により、ロシアとヨーロッパの詩人は日本の詩に注意を払い、日本の多くの古典詩を翻訳する努力をするようになりました。

さらに教授は、常に成功はしていなかったが、初めて日本の詩の翻訳を試みた自分の先生について話し、翻訳の実例を示しました。そして、彼は詩の仕事で使用する日本の詩の翻訳の原則について話しました。ソビエト時代のロシアには、世界で詩を翻訳する最高の学派がありましたが、残念ながら、日本の詩の翻訳者はとても少なかったことに注意する必要があります。したがって、彼の作品の目的はロシア語に翻訳するときに詩のサイズを可能な限り維持しながら、日本語の詩のイメージと美学によって「蘇らせ」、翻訳技術の向上だとしています。ロシアの読者が日本の詩的な伝統の素晴らしい例を十分に楽しむことができるように。

最後に教授は聴衆の質問に答えました。

10月 活動日誌

2021年10月31日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

皆さん、こんにちは!

残念ながらロシア全体、特にモスクワでもcovidの感染率が増加し続けており、これに関連して、モスクワ市長は10月25日から大規模イベントの開催を含むいくつかの制限を導入しました。また高等経済学院の学長は、特別な設備が必要になるプログラムがある授業を除いて、同日から授業をオンラインモードに戻す命令に署名しました。たとえば、物理学、化学、生物学、生化学といった比較的新しい学部では、学生は15人以下のグループで実験室で勉強することができます。残念ながら、東洋学部は特別な設備を必要としないので10月18日から23日に行われた秋の試験期間後の東洋学プログラムのすべての授業と講義は完全にオンライン形式に戻りました。

それにもかかわらず10月にモスクワでは日本に関する多くのイベントが開催され、HSEの学生や日本ファンが参加することができました。最大のものは2009年からモスクワで開催されている日本の現代文化の祭典であるJ-FESTです。今年のフェスティバルでは、レクチャー、マスタークラス、コンサートなど、100以上のイベントが開催され、観光、現代アート、音楽、ダンスゲーム、日本の歴史と言語、大衆文化(ファッション、ショー、広告)、武道、日本料理、伝統芸術が取り上げられました。フェスティバルの閉会式は11月26日に予定されています。イベントの詳細については、ロシアのソーシャルネットワークVkontakte https://vk.com/jfestivalのページをご覧ください。

日本の伝統芸術に情熱を注ぐ最も活発な学生たちと一緒に、着物の着付けと日本の茶道のデモンストレーションのマスタークラスに参加しました。短時間ではありましたが、フェスティバルの主催者の努力により、日本の伝統文化の素晴らしい精神的世界に飛び込むことができました。

この間にすべての制限措置が効果を発揮し、いつの日か私たちは通常の生活に戻ることができるようになることを願っています。

9月 活動日誌

2021年9月30日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

皆さん、こんにちは!

HSEで新学期が始まりました。

すべてのセミナーやワークショップはオフラインですが、多くの講義はオンラインのままです。また、50名を超える大規模なイベントの開催は禁止されています。

新しい未来の日本学者

今年は60名の学生が東洋学部に入学しました。そして私は数年連続して4つのグループのうちの1つで日本語を教えています。私のグループには、ロシアのさまざまな都市から来た15人の学生がいます。いつものように、最初の授業で私はいくつかの質問をします。なぜ日本語を選ぶことに決めたのか、以前日本語を学習したことがあるか? そしていつものように彼らが日本語を学びたいと思った最も一般的な理由は、小中高校生のときに見たアニメです。グループの半数以上がそのように答えました。同時にすでに学生の内4人が独学で、または家庭教師と一緒に日本語を学び始めています。原則として、そのような学生はすでに言語と文化に非常に情熱を持っているので、自分が正しい学部を選択したかどうかと自問することはめったにありません。彼らはモチベーションが低下したり、克服しなければならない困難が生じたりした場合でも、選択した道に従って積極的に進みます。特別な理由もなく日本語を選んだ人も数名いました。彼らは日本語や日本を学ぶことはかっこいいと思っていますが、入学する前は日本文化に特に興味はありませんでした。そして今、私自身、彼らが日本語や日本文化に夢中になって、前進するのに十分な動機を持つことができるか興味があります。彼らの興味が薄れないように、自分で新しいことを発見し、専門分野の選択に疑いの余地が生まれないように努めます。結局のところ、私たちが外国語や外国文化を学ぶとき、私たちは自分自身をはるかによく知るようになりますね。

9月12日 日露会話クラブ「Hey !Say!」会合

9月12日会話クラブ「Hey! Say!」の第1回目の会合が行われました。

当初は従来の方法での開催が想定されていたため、参加者は東洋学部の構内で待望の会合を行うことを期待していましたが、残念ながら再び状況が変わり、主催者はリモート形式で行うことを決定しました。

それにもかかわらず会合の雰囲気はとても暖かかったです。また、日本からの参加者も参加することができました。夏休みの後、最初の会合のテーマは当然「夏休み」についてでした。主催者はスケジュールに従い2週間ごとに会合を開く予定です。

8月 活動日誌

2021年8月31日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

皆さん、こんにちは!

パンデミックの規制が続いているため、日本に行くのは依然として困難であり、さまざまなオンライン教育プログラムに参加する機会は大変貴重なものです。今年もHSEの学生がオンラインTUFS日露サマースクールに参加しました。

オンライン TUFS 日露サマースクール 2021:HSEからの参加者の感想

オンラインTUFS日露サマースクールは、2021年8月23日から9月3日までズームで開催されました。2週間ロシアの日本語学科の学生(モスクワ大学 MGU、高等経済学院HSE、ロシア国立人文大学 RSUH、極東連邦大学FEFU)と日本のロシア語学科の学生(東京外国語大学と神戸市外国語大学)は、ロシア語と日本語、そしてその文化をお互いに学ぶ手助けをしました。コースにはロシア語と日本語のタンデム学習のクラス、JVTA(日本映像翻訳アカデミー)の字幕翻訳のワークショップ、日本のビジネス文化に関するビデオの視聴、東京外国語大学大学院生のマリア・プロホロワさんによる現代日本文学の講義と、JIC TRAVELCENTERのシニアマネージャーであるデニス・モロゾフさんが率いる東京バーチャルツアーも含まれていました。

サマースクールのHSEから参加者に感想を聞かせてもらいました。

ボグダン・ドミテルコ Bogdan Dmiterko

オンラインスクールは完全に私の期待通りでした。ネイティブスピーカーと一緒のタンデムクラスは大きな効果がありました。日本人学生は、話したり書く時の間違いを遠慮なく指摘してくれ、言語能力のどの側面を改善する必要があるかを理解するのに役立ちました。文学、学校教育、民族音楽などのテーマに関する議論は、言語学習を自然に補足し、日本人学生が自分たちの文化や社会を「内側」からどのように認識しているかを知ることができました。

最後に映画とアニメの字幕ワークショップは、文化的要素を含んだコンテンツを翻訳する上で良い練習になりました。両方の言語で議論をしながら、作品の一部をのみんなで翻訳すること自体がわくわくする作業でした。

日本語学科の学生にはサマースクールをお勧めします。

ポリーナ・クハレワ Polina Kukhareva

サマースクールの最も興味深い授業は日本人学生とのタンデムクラスでした。 提案されたテーマを議論し、その結果に基づいてエッセイを書かなければならなかったので、対話者により注意深く耳を傾けるのに役立ちました。

現代文学の講義や東京のオンラインツアーもとても面白かったです。 映画の字幕に関するワークショップは少し長かったです。講義全体を日本語で理解することは困難であり、映画はあまりしっかりと選別されていませんでした。スラングが多すぎました。

一般的にサマースクールに参加することは、英語と日本語の両方の言語を訓練し、日本文化について何か新しいことを学ぶ良い機会だと思います。

ユーリー・サモーヒン Yury Samokhin

私の印象はまず、授業中の雰囲気のことです。コースキュレーターの新井教授とタンデムトレーニングの責任者であるベンジャミン・ラーソン先生は、どんな質問にも喜んで答えてくださり、学生からのコメント、感想、希望すべてに耳を傾けてくれました。私と私のパートナーがお互いの特性に合わせることができたので、私が思うに、ペアで作業することは優れたやり方だと思います。よりオープンで対話の方向性を設定する人もいれば、あまりオープンではなく決まった方向性に合わせる人もいました。しかし私にとって最も重要なことは、学生がよりオープンになり、文化や言語について意見を述べることができるフランクな環境でした。

もう一つの重要な側面は、20分間の対話に基づいて書いたミニエッセイの作成でした。エッセイのチェックのおかげでお互いにネイティブスピーカーから見てどちらのフレーズが最も自然に聞こえるかを理解することができました。 しかしながら、私は、他の学生の前でチェック済みのエッセイを読み上げることは、私たちも日本人学生も自分の大学の授業中にテキストを読む練習をするのと同じだと思いました。また、エッセイの執筆は30分以内で、特に難しい単語やフレーズが含まれていなかったため、読むことで特に問題が発生することはありませんでした。

まとめると、私にとっては20分間のセッションが最も役に立ちました。このセッションでは、日本人学生と私はカジュアルな雰囲気でさまざまなテーマについて話しました。最近、大学では公式なテキストや新聞記事などの真面目な資料を扱う機会が増えており、日常的なテーマの簡単な会話ができていないことがあるため、これは会話型の日本語を練習するための本当に良い機会になりました。

マリヤ・シャリャーキナ Maria Shalyakina

私にとってオンラインTUFS日露サマースクール2021は、珍しく非常に貴重な体験になりました。ここで私は初めてタンデム言語学習について学びました。とりわけこの方法は言語の壁を克服するのに非常に優れていると思います。他の国の人でも、まったく同じ学生とずっと顔を合わせていると困惑を乗り越えて、間違いを恐れずに話し始めることができるようになります。講義は私にとって日本の新しい側面、つまり近代文学の世界と東京のいくつかの観光地を切り開きました。字幕翻訳に関するワークショップは非常に興味深いものでした。また、文字数の制限など字幕作成の特殊性だけでなく、スラングの翻訳の問題にも対処しなければなりませんでした。

7月 活動日誌

2021年7月31日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

みなさん、こんにちは!

7月にはHSEの学生は夏休み、教師は休暇を取ります。過去1年間を振り返り、何がうまくいったか、何か改善する点があるかを確認し、来年の計画を立てる時が来ました。そして本校の受験生にとっては、高校生が自分の好きな大学に受験志願する時です。

時には特別な受験勉強をせずに東洋学科に入学することもあります。たいてい1年後には彼らが東洋学科という難しいプログラムで勉強を続け、東洋言語と学習している言語の国の文化を学び続けたいと思うかどうか明らかになります。1年を無事に終了し2年生に進学した2人の日本語科の学生に2020年から2021年の学年はどうだったのか、そして将来への希望は何かを尋ねることにしました。

「東洋学、日本語、HSE」
ドミトリー・コレスニコフ Dmitry Kolesnikov

高校時代は自分が何をしたいのかよくわかりませんでしたが、その頃英語の先生が日本語を知るユニークな機会を与えてくれました。驚いたことに、私は夏休みを友達と遊ぶのではなく教科書「みんなの日本語」に捧げました。長い間私はHSEで東洋学に出会うまで自分の専門分野を選ぶことができませんでした。これが私の日本専門家への困難な道のりの始まりでした。最初のほうの授業で自分が正しい選択をしたことに気づきました。日本文化の豊かな世界に飛び込むことができたからです。HSEには自己実現の機会がたくさんあることに嬉しい驚きを覚えました。卒業後は理論的な知識だけでなく、必要なスキルも身についていると確信しています。1年生の時、私が夢中になったのは日本の演劇プロジェクトへの参加でした。江戸時代の反物商人の役で舞台に立つこともできました。HSEの利点は、その分野の理論的発展だけでなく、様々なアクティビティが盛んだということです。1年間で私の中の日本に対する固定観念が薄れ、今では日本語と「日出づる国」の文化を学びたいという気持ちが強くなりました。

来年の授業に大きく期待しています。まず日本語の知識を伸ばし、どんな話題でも日本人と会話が続けられるようになりたいと思います。また日本の文化をよりよく理解し、将来研究する分野を明確にしたいと思っています。今後も演劇プロジェクト「歌舞伎」に参加していきます。他の日本に関するプロジェクトやクラブに参加することも考えています。

ヤナ・ブルホヴェツカヤ Yana Burkhovetskaya

東洋学、日本語、HSEは私の最初の専門ではありませんでした。私は2年間ウラジオストクに住み、そこの大学で「国際紛争学」を専攻していました。しかし、2年目の半ばまでには自分の専門分野も大学も私が望む未来を与えてくれないことに気づき始めました。日本語は途切れ途切れではあったものの、高校の時から勉強していました。以前日本文学に興味を持った時、まだロシア語に翻訳されていない作品が多いという残念な事実に直面しました。私の語学学習には多くの危機がありました。それは時間の不足であり、最初は「日本人への失望」と言っていたのですが、複雑な日本人の精神です。しかし2020年に私はついに国の西部に戻ってHSEに入学することに決めました。今回はどの専門分野を勉強するのか迷いませんでした。東洋学は私の学問的および創造的ニーズを完全に満たし、HSEは将来の自己実現に希望を与えてくれました。

HSEでの1年目は楽ではありませんでしたが、興味深いものでした。私の意識の中で日本人とその文化に対する理解には間違いなく変化がありました。日本人は私にとって理解できず冷たい存在には見えなくなり、なぜ彼らが「ノー」と言えないのか、なぜ無視し始めるのか分かりました。私自身も日本語の勉強で大きく変わり、昼も夜も喜んで漢字を書いていました。それは私にとって一種の瞑想になったのです。漢字を書いている間私は心の安らぎを保ちながら、いろんなことを考え、自分の問題に対処し、解決策を見つけることができました。

新学期には何を期待するか?もちろん、新しい知識、そして日本語を上達させ、日本の歴史や文化をもっと深く学びたいです。日本映画の授業を楽しみにしています。また、日本語で色を学び、東洋美術館のインターンシップに参加し、美術館の仕事や展示会の開催を内部から見ていきたいと考えています。

6月 活動日誌

2021年6月30日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

みなさん、こんにちは!

6月初旬、東洋学部の若い東洋学研究者の学校 (School of Young Orientalists、SYO)も終了しました。これは高校生を中心とした生徒向けの特別プログラムであり、東洋学とは何かを生徒が理解し、将来東洋への興味を自分の職業にしたいかどうかを決定するのに役立ちます。これがこの学校の主な目的です。しかしそれに加えて、このプログラムでは中国、韓国、日本、アラビア語が公用語の中東の国々などの国の文化と言語を学ぶ機会を提供します。今年コロナウイルスの蔓延防止のためにHSEに課せられた制限により、SYOは完全にオンラインに移行しました。私たちは、HSEの東洋学部の卒業生であり、現在は同学の教師であるイリヤ・ブトゥルリン(Ilya Buturlin)という新しい責任者と話をすることにしました。今年のSYOでどのような変化があったか、オンライン形式がSYOの仕事にどのように影響したのか、そしてもちろん若い日本愛好家にとってどのような興味深いことがあったかを教えてもらいました。

「 若い東洋学研究者の学校 (School of Young Orientalists):オンラインチャレンジのこの一年」

Q:イリヤ先生、このインタビューに時間を割いていただきありがとうございます。そして最初の質問です。SYOの参加者はオンラインへの完全な移行でどのように変わりましたか?

A:募集はオンラインで行われたため、誰が応募したか正確にはわかりません。今年は年間を通して927件の応募がありました。(2019-2020年度は約300件の応募)主な参加者は変わっていませんが、圧倒的多数は高校生の10年生と11年生、そして9年生です。 2位は5年生から8年生までの中学生です。両親が代わりに私たちにメールを書いてくることもありますが、生徒たちと交流するのは興味深いです。彼らはとても活発に講師に質問をします。今年の後半からは他の分野の学生からの応募もありました。彼らは東洋研究に興味を持っていたため、私たちは彼らに講義への出席を許可しました。大人の割合が少し増えましたが、それでもわずかです。

Q:早期のキャリアガイダンスへの傾向が高まっているのは興味深いことです。中高生がすでに大学で何を勉強したいのかを考えるようになってきてます。少なくとも私たちの東洋学部では。プログラムの内容は何か変更されましたか?

A:すでに作成されているフォーマットから逸脱しないように努めました。また、私にとってSYOでの仕事の最初の年でしたが、少し変更を加えました。各地域(中国、韓国、日本、中東)の歴史の講義が2回、文化と芸術の講義が1回、宗教と哲学の講義が1回、学生による「言語入門」が1回行われました。同じく学生が行うインタラクティブな授業が1つあり、そこではクイズが行われました。もちろん、オンライン形式ではオフラインよりも参加者を授業に惹きつけるのが難しいですが、それでも多くの参加者にとってこの授業は印象的でした。そして最後に修了試験を行い、卒業証書が発行されました。試験を受験したのは99人でした。また、試験を受けなかったものの、講義の60%以上に参加した人には参加証明書が授与されました。

Q:若い日本愛好家のためのどのような講義や授業がありましたか?

A:今年は先生方のおかげで日本学の授業はかなり変則的でした。以前にSYOで講義をした先生の約40%が残りましたが、60%はここでのまだ授業を行っていないか、最近東洋学部に就職した新しい先生でした。たとえば、日本の歴史についての講義は新しい先生のおかげでまったく新しいものになりました。1つは日本の天皇についてであり、もう1つは日露関係の歴史についてです。別の講義は日本の宗教についてでした。私たちの教授である有名な美術評論家のエフゲニー・シュタイナー (Eugeny Shteiner)の別の講義は非常に興味深く、日本での迷信の実践、つまり疫病や戦いの事例を挙げて最近の研究について話してくれました。これはこの困難な時代に実用的なテーマです。みんな喜んでいました。日本語の授業は、1年生の2人が教えてくれました。もともと上級生の学生に依頼するつもりでしたが、この女の子たちはとても活発に生徒たちに日本語を学ぶことについて教えてくれました。そのうちの1人はSYOのプログラムを2回受講したことがありました。インタラクティブな授業はとても面白かったです。学生たちは講義資料に基づいてクイズを作成し、Kahootというプラットフォームでそれを実施しました。

Q:イリヤ先生、オンライン授業についてどう思いますか?このフォーマットの長所と短所は何ですか? そして、SYOにはどのような見通しがありますか?

A:もちろん、参加者が教師の近くにいる、または学年末に卒業証書を受け取り、一緒に写真を撮ることができるライブコミュニケーションは非常に重要で必要です。過去数年間の卒業証書の授与式やレストランでの卒業祝いの写真を見ましたが、それは素晴らしく、今年はそれができなかったのは残念です。でも、私たちが今年当然オンラインで行った修了式でも多くの人がSYOで友達や志を同じくする人々ができたことに感謝を述べてくれました。学校側ではなく参加者自身によって作成されたチャットグループがあり、そこでコミュニケーションが取られていました。オンライン形式にもかかわらず、参加者たちが友達になれたのを知ったのは驚きでとても嬉しいことでした。オンライン授業のグローバルな長所と短所については、欠点は、おそらく、専門的な場としてのSYOに参加者が完全には没頭できなかったことです。また、教師側にもオンラインで講義を行うことが難しい先生がいました。しかし、参加者自身がプラスに気づいています。プログラムの最後に調査を行うと、多くの人が「私はモスクワに住んでいませんが、この授業を聞く機会ができたオンライン形式に感謝します。受講して卒業証書を受け取ることができました」と答えました。したがって、状況が許せばこの経験を来年に生かし、ハイブリッド形式でを実施する必要があると思います。つまり、授業に通える、または通いたい参加者と、直接通えない、またはモスクワにいても通いたくない参加者のために両方のグループを募集することです。こういうことをすることができます。

Q:イリヤ先生、ありがとうございました! SYOのさらなる発展と繁栄をお祈りします!

5月 活動日誌

2021年5月31日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

みなさん、こんにちは!

高等経済学院と東洋学部では、オフラインのイベントが積極的に行われています。この1か月で行ったことを見てみましょう。

日露会話クラブ「Hey!Say!」のオフラインミーティング

5月14日、1年ぶりに待ちに待ったクラブメンバーのオフラインでの会合が開催されました。

このような会合は楽しい思い出を残してくれます。昨年も会話クラブは活動をやめず、オンラインで参加者の会話スキルの向上に積極的に取り組んでいましたが、そのような会合では特に実際に会ってのコミュニケーションの重要性を痛感しました。電話やコンピューターの画面を通して相手の言葉が伝えられますが、このような距離があると話された言葉のすべての温かさや気持ちを感じることは困難です。参加者は久しぶりに会えて嬉しかったので、会合の対話テーマを一部外れて、自分の話を伝えたいと思い、興奮したり、実際に会った喜びを隠しませんでした。

これは今年最後の会話クラブの会合でした。しかし、9月にクラブは活動を継続します。計画を妨げるような深刻な大変動がこれ以上起こらないことを祈りましょう。

https://www.instagram.com/heysay_hse/

「東洋学デー」Oriental Crazy Day 2021

5月23日、東洋学部があるスターラヤ・バスマンナヤのキャンパスで東洋学部の待望の大イベントである「東洋学デー」が開催されました。昨年は検疫措置によりイベント開催が中止されたため、今回は準備期間がかつてないほど短かったものの、主催者チームは一度に2年間分のイベント開催を試みることにしました。しかし、すでに7回目の本イベントは実際に忘れられないものとなりました。

さまざまな学科の学生たちがゲストのためにさまざまなゲームやエンターテイメントを考案しました。ホールのアクティビティが行われたテーブルでは、麻雀をしたり、日本映画や韓国文化のクイズを解いたり、折り紙を作ったりすることができました。東洋学部の教師と卒業生は、中国語、韓国語、アラビア語の書道のマスタークラスを開催しました。中国語の「易経」で自分の未来を占い、「絵馬」にあなたの最も大切な願いを書いて、日本の神々に願いが成就するように頼むことができました。特に受験生とその両親のために、学生が入学や東洋学部での研究について話し合う相談テーブルもありました。東洋の軽食やスイーツ、スパイス入りのトルココーヒー、中国茶のセレモニーに参加したり、本格的な日本の煎茶を味わうこともできました。

今回は学生が勉強する建物で初めて「東洋学デー」が開催されたので、この機会に受験生や興味のある人のために建物の中を見学できるようにしました。

イベントのクライマックスは、学生たちによる恒例のコンサートでした。東洋学部の創設者で初代校長であるアレクセイ・マスロフ教授(Prof. Alexey Maslov)による歓迎のスピーチはすべてのゲストにとってうれしい驚きでした。教授は東洋学部の創設の経緯(今年で創立10周年を迎えました)と、この専門分野での学習の難しさ、東洋学の特殊さについて話し、学生たちに今後の進路の成功を祈りました。

コンサート参加者のチームも頑張りました。司会者は、ホールを東洋の明るく魅惑的な雰囲気に徐々に満たしていきました。生徒たちは歌い、踊り、詩を朗読し、中東学の教師の個人コレクションからイエメンの古典的な衣装を発表しました。また、宮崎駿のアニメをテーマにした日本映画クラブ「椿」のショートフィルムも上映されました。また、Zoomで現在日本に留学中の学生と話をすることもできました。そしてプログラムのハイライトは間違いなく、学生たちの歌舞伎のパフォーマンスでした。演技も音楽も他に類を見ないものでした。動作からイントネーションまですべてが完璧に磨き上げられていました。舞台装置と大道具がうまく調和し、演出を非の打ちどころのないものにしました。歌舞伎「弁天小僧」はイベントの壮大な締めくくりとなり、観客は大喜びしました。

参加者や来場者からの感想はこちら。

エカテリーナ・クシュリャンスカヤ Ekaterina Kushlyanskaya コンサートの司会者 
すべてが印象に残りました。準備からイベントそのもの、そしてその後の大きな疲労感まで。イベント自体が忙しかったので、すべてのアクティビティを試すことはできませんでしたが、みんな自分の専門分野に熱意と愛を込めて行ってくれて、とても興味深かったです。韓国テーブルでのクイズが気に入りました! そしてもちろんコンサート。歌舞伎には口をあんぐり開けて驚き、ステージに登った時何も言えなかったくらい私を喜ばせました。まさかこんなにレベルの高い準備をしていたとは。残りのすべて:歌、インタビュー、ファッション ショーもとても楽しかったです! 出演者はみんな素晴らしかったです! 彼らがいなければこれほど素晴らしいコンサートはできなかったでしょう!

カリーナ・カユモワ Karina Kayumova 参加者
イベントの雰囲気がとても気に入りました! 異なる言語を学んでいますが、この日はまるで一つの大きな家族のようでした! 私は自分の担当のテーブルにいましたが、他のテーブルに行く時間を見つけて面白い時間を過ごしました。誰もがとてもフレンドリーで楽しく、イベントが終わる頃には、終わってしまうのが悲しくなりました。コンサートもハイレベルでした! 歌舞伎は最近見た中で最高です!また、HSEの学生だけでなく、他の方々も参加できてとても良かったです。このおかげで、私は両親と兄弟を招待して、私が勉強している場所と、素晴らしいコミュニティを見せることができました。彼らも気に入ってくれました! このような素晴らしい「東洋学デー」に参加してくれたすべての方々にとても感謝しています!

エレーナ・ザハロワ Elena Zakharova 東洋学部の卒業生
このイベントに来たことはありますが、来場者としては初めてです。今回は特に民族衣装のデモンストレーションと歌舞伎の演出がよかったです。また、各地域のテーブルには新しいエンターテイメントがたくさん追加されており、お気に入りのイベントが毎年どのように発展していくかを見るのはとても楽しいです!

コロナウイルスの状況にもかかわらず、高等経済学院の教師と学生を除いて、100人以上の来場者がイベントに来てくれました。アクティビティやコンサートの準備には60人以上が参加しました。このイベントが成功だったと自信を持って言うことができます。

また来年お会いしましょう!

写真:アレクサンドル・ドヴォリャンキン Alexander Dvoryankin
More photo: https://vk.com/orientalcrazyday2021

4月 活動日誌

2021年4月30日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

みなさん、こんにちは!

経済高等学院は少しずつオフラインへと戻りつつあります。

4月11日「オープンキャンパス」

4月11日、パンデミックが始まって以来初めて、全HSEオープンキャンパスがオフラインで開催されました。通常は誰でもオープンキャンパスに参加できますが、今回はコロナによる制限が残っているため、参加できる人数は限られていました。人数制限で参加できなかった、またはモスクワに住んでいない人のために、オンラインで中継が行われました。

イベント自体は、2019年9月に大規模な改修を経てオープンしたポクロフスキー並木道のキャンパスのアトリウム(ガラス張りのホール)で開催されました。キャンパスには、丁寧に修復され、ガラスの屋根でひとつにつながった13の歴史的建造物があります。これは高等経済学院の最大のキャンパスです。

東洋学部の学生たちは、1年間活発なイベントがなかったため、喜んでオープンキャンパスに参加し、学士課程「東洋学」のプログラムを快活、そして活発に発表しました。書道のマスタークラス、受験者のクエストゲームが行われ、等身大のパンダのぬいぐるみがアトリウム内を歩き回り、みんなを抱きしめました。

4月17-18日「学部の創立記念日」

1週間後、世界経済政治学部 (Faculty of World Economy and International Affairs) はさまざまな学生の団体が主催した世界経済政治学部の創立記念日の祝賀会を開催しました。今回は東洋学部(School of Asian Studies)の日本映画部「ツバキ」が積極的に活動しました。

彼らは様々なプログラムを準備しました。日本の文化と映画のゾーン、折り紙のマスタークラスを行い、そしてまたいくつかの映画上映を開催しました。また、日本の経済文化や「日本の高度経済成長」の歴史、ソ連と日本の映画分野での協力の歴史などのテーマや、ロシア人にとっては珍しい日本のボーカロイドをテーマとした興味深い講演がいくつもありました。また、東洋学部の日本語教師であるユーリア・コロヴィナが日本語の小さなマスタークラスを開催し、参加者は日本語でお誕生日のお祝いの仕方を学ぶことができました。

今回は制限により、学部は創立記念日の参加希望者たちの多くを受け入れることができませんでしたが、モスクワの感染状況により、このようなイベントがさらに開催され、より多くの人が参加できるようになることを願っています。

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