2019年度 活動日誌

3月 活動日誌

2020年3月31日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

みなさん、こんいちは!

3月11日 School of Young Orientalists (若い東洋学研究者のスクール) における「現代日本」講義

東洋学部(School of Asian Studies)には、東洋の国と文化を専門的に研究するべきかどうかを高校生が判断できるようにする特別なプログラムとして、School of Young Orientalists 若い東洋学研究者のスクールがあるとすでに述べました。 3月11日には、一連のレクチャーが開催され、日本語科の卒業生と4年生であるセリマ・ゲジミエバさん(Selima Gezimieva)とデニス・オルコンさん(Denis Orhon)が講義をしました。レクチャーの最初の部分で、学生たちは現代の日本について簡単に将来の東洋学者に話しました。それは政治や経済に関することで、たとえば、アベノミクスとは何か、日本が直面する社会的および人口学的問題(たとえば、人口高齢化)とそれをどのように解決しているか、などです。また、「日本の高度経済成長」とは何かも学びました。レクチャーの後半では、日本の外交政策と国際関係システム全体における日本の立場について説明しました。

レクチャーは非常に豊かで、大変興味深いものでした。しかし、最も注目すべきことは、東洋学部の学生が高校生に講義をしたということです。ほぼ4年間で、彼らはゼロから日本語を習得し、インターンシップに参加し、歴史、文化、経済、政治、社会などのさまざまな分野で日本を研究しただけでなく、この知識を共有することも学びました。これはまさに私たちが将来の東洋学者、つまり日本の専門家に期待することであり、当然彼らを誇りに思うことができます。

2月 活動日誌

2020年2月29日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

みなさん、こんにちは!

2月14日 バレンタインデー

日本ではバレンタインデーのお祝いの話は知られていますか? この祝日がロシアで祝われるかどうか、そして祝うとしたら、どのように祝われているかご存じでしょうか?

私たちは2月14日金曜日に日本クラブ「結び」Japanese club “Musubi” で集まり、そのことについて話しました。結果は非常に有益で楽しい会になりました。

東洋学部 School of Asian Studiesの学生たちは、小さなプレゼンテーションを準備し、日本でバレンタインデーを祝う方法、女性が男性にチョコレートをプレゼントをするなど、この日が日本で祝われている理由、なぜチョコレートなのか、そして「義理チョコ」とは何かを話しました。そして、日本人の参加者はロシアの若者がバレンタインデーをどのように祝うかを学びました。

いつものように、主催者は祝日のテーマに関連する楽しいコンテストやゲームを準備しました。

最終的に、参加者全員がチョコレートのプレゼントを交換し、少しだけ日本を感じることができたかもしれません。

ちなみに、今回は学期の初めから数えても、最も多くのゲストがこのイベントに来たということに注目する価値があります。どうやら、愛のテーマは誰よりも人々を動かすようです。😊

2月27日 コンサートレクチャー「日本の伝統音楽の聴き方」

昨年、5月に行われる東洋学デー・Oriental Crazy Dayという大きなイベントに、ミュージシャンが来て、尺八と三味線で伝統的な作品数曲を演奏してくれました。素晴らしい演奏でしたが、学生たちと私は何も理解していないことに気付き、それを理解したいと思いました。そして、2月の最終金曜日、東洋学部の先生方と日本クラブ顧問のユリア・コロヴィナYulia Korovinaにより、素晴らしいミュージシャンであるドミトリー・カリーニンDmitry Kalininとタチアナ・レチナヤTatiana Rechnayaが参加する、待望のコンサートレクチャーが開催されました。

コンサートレクチャーのタイトルは「日本の伝統音楽の聴き方」。タチアナとドミトリーは長年にわたり日本の伝統音楽を研究し、尺八、三味線を演奏し、ロシア全国でコンサートやさまざまな音楽イベントに参加しています。彼らは日本の伝統音楽の種類と、その美しさを理解するために、どのようにに聴けばよいかを話してくれました。

最初彼らは、当時僧が瞑想をするために尺八で演奏した、本曲からいくつかの作品を演奏しました。これは、ロシアの耳になじみのある西洋音楽とは全く異なる音楽です。

それからお二人は民謡とは何かを話し、またいくつかの曲を演奏しました。先ほどのよりは理解しやすい民族音楽で音から自然の音と農民の声が聞こえてきました。タチアナは自分の作曲した作品も演奏し、日本の尺八の驚くべき響きの可能性を表現してくれました。最後に、有名な三部構成の、酒を歌った曲が演奏されました。実際、この芝居は尺八と三味線で演奏される酒への賛美の歌であり、歌いのパートもあります。

聴衆は、歌と踊りと楽しいごちそうを非常に鮮やかに想像することができ、静かになったり、また盛り上がり、最後には宴の参加者全員の陽気な笑い声で終わります。おそらく、飲酒の文化は、愛のテーマとともに、様々な文化のバックグラウンドをもつ人が理解できる生活のテーマです。

コンサートの後、東洋経済学院の生徒や教師だけでなく、日本音楽の愛好家もいたのですが、聴衆たちは、定期的にこのようなコンサートを開催してほしいと言いました。素晴らしいミュージシャンと再び会えることを願っています。

1月 活動日誌

2020年1月31日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

読者の皆さん、2020年あけましておめでとうございます!

冬の短い休暇の後、経済高等学院(HSE)では学習と課外活動が続けられています。今回は、東洋学部日本科1年生のダリア・ポノマリョワ(Daria Ponomaryova)さんに少しインタビューをしました。

HSEだけでも、毎年多くの学生、およそ60-70人が日本科に入学していることをお伝えしたいです。日本語は、HSEで中国語に次いで最も人気のある東洋言語の1つです。おそらく、このインタビューによって、ロシアの若者がなぜ興味深いがかなり難しい専門分野である日本と日本語を勉強することを選ぶのか知ることができるでしょう。

Q: ダーシャさん、どこで勉強しているのか、なぜ日本語を選んだのか教えてください。選ぶ時、何が決め手になりましたか?

A:  私は経済高等学院の教育プログラムで勉強しています。サムライ、武士道、日本人画家の版画や絵画などの文化は、当時ヨーロッパの文化に大きな影響を与えました。国の見た目や伝統も私にとって重要でした。YouTubeで「日本と韓国の内側の生活」に関するビデオを見ました。地元住民の性格や行動についてのもので、日本の礼儀正しさに感銘を受けました。

Q:  国の見た目、とは何ですか? 風景のこと?

A: はい。それは古いものと新しいものです。東京では、例えば、建物が道路から突き出しているのに、田舎では 野原や静かな寺があります。

Q: 日本語はどうですか? 何が難しくて、何が簡単ですか? 今まで勉強してきて何を発見しましたか?

A: 日本語は最初難しかったです。つまり、最初文字や漢字を見て、何から始めていいかわかりませんでした。でもその後、簡単な表現や漢字を少し覚えたら、勉強するのが楽しくなり、少し簡単になりました。すでに知っている文型が出てくるようになったからです。

面白いこと: 日本語には、現象を意味する言葉があること。日本人は一言でそれを表現しています。例えば、訳すと「弟のような友達 «друг, как брат»」ですが、日本語では一言で「弟分」といいます。また、親の愛を表す「親心」という言葉もあります。

Q: 日本人と話す機会はありましたか? もしあったならどのように知り合いましたか? どんな印象を受けましたか?

A: 彼らとLineでやり取りしました。実際、スマホの画面を通してのオンラインの交流ではなく、生の交流をしたいです。やり取りでは、彼らはとても礼儀正しくて、いい人で、少し日本語の表現を知っているだけで「上手です」と言ってくれます。

Q: 言語の授業以外に日本学習の教科がありますか? 日本語をもっと勉強したくなるような何か新しいことを知りましたか? 文化や人でもいいですし、日本に行きたくことはなるようなことはありましたか? それか反対に嫌なことは?

A: まず、日本語を勉強し始めたら、私の周りにはたくさんの日本の物や、日本文化に感銘を受けてできたものがあることに気づきました。それは食べ物やお菓子、そしてもちろんアニメ、マンガ、日本映画。アールヌーボーの先駆者であるアルフォンソ・ミュシャの作品も、北斎の版画に影響を受けたと知りました。また、アーティストとして、日本とアジアの作家の作品にインスピレーションとアイデアを求めています。

Q: 絵を描くのですか?

A: はい、数年前に絵画学校を卒業しました。

Q: 日本に行きたいですか? 日本で何を見たり、知ったり、したいですか? どんな食べ物を試したいですか?

A: はい、もちろんとても行きたいです。たくさんの聞いたことを実際に見てみたいですし、私に日本という分野が向いているのかを確かめたいです。これはロシアにいては確認が難しいですから。何より桜を見たいですし、原宿のような繁華街を歩いてみたいです。伝統的な神社に行って、着物を着てみたいです。食べ物の質問は難しいです。私は日本人の独特な味の好みについてたくさん聞いています。本物の日本の寿司、天ぷら、それにすっぽんも食べてみたいです。でも、生きたタコを食べる心の準備はまだありません。

Q: 日本の専門家になると思いますか? 何をしていきたいですか?

A: 正直言って難しいです。1年生の半年勉強しただけですし、日本に関する授業は2-3科目しかありません。私の将来の仕事がどうなるかまだわかりません。私は両親に「私は将来アジアの国、特に日本の専門家になる」と言っていますが、日本の専門家が具体的に何をしているのかは理解できていません。大学の専門の選択に関していえば、社会経済か歴史文化ですが、それも難しいです。なぜなら、経済なら、労働市場で実際に役に立ち、大手企業に就職できる可能性がありますが、文化なら、その「多様性」に大変魅力がありますが、将来の就職の保証はありません。

Q: 自分よりも年下の人たちに、アジア言語の選択を迷っていたり、あるいはすでに日本語を少し勉強し始めた高校生や高等経済学院の受験生に何を伝えたいですか?

A: 言語の選択に関しては、私の助言は次のようなことです。他人の意見を聞いたり、「需要があるか」ということを考えないことです。あなたが楽しんで勉強できる言語を選んでください。そうすれば、学習の課題をすることが楽になり、勉強を楽しくしてくれます。すでに第一歩を踏み出した人には、日本への興味を失わないでほしいということ。日本があなたに常にインスピレーションを与えてくれますように!

Q: ダーシャさん、ありがとうございます。勉強を頑張ってください!

12月 活動日誌

2019年12月31日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

みなさん、こんにちは!

2019年が終わろうとしています。12月の末に高等経済学院 (Higher School of Economics) では試験期間があるため、学生たちは試験の準備でとても忙しいです。それにもかかわらず、年末のとても温かいイベントである「忘年会」を行うことができました。

忘年会

12月13日に日本クラブ「結び」、日本語会話クラブ「Hey!Say!」そして日本映画クラブ「つばき」が2019年最後のイベント、今年を送る忘年会を行いました。多くの学生が試験準備で忙しかったため、イベントの企画と司会は顧問のユーリア・コロヴィナが行いました。

イベントの主催者は、忘年会も他のイベントと同様、学習の要素を入れようと決めました。ですから、最初に3年生が日本では年末年始(クリスマスと正月)をどの様に過ごすかという話をしました。イベント参加者は日本の歴史に深く隠れてしまった新年の祝い方に関する興味深いことをいろいろ知ることができました。

次の発表はロシアにおける新年の過ごし方です。最も「美味しい」イベントの部は2年生が作った「オリビエサラダ」でした。このサラダはロシアの家庭で、みかんやクリスマスツリーと共に随分前から新年のシンボルとなっています。学習部分の最後には、映画クラブに学生が、年末年始の休みにロシアと日本で鑑賞される映画の話をしました。

その後は娯楽の部が始まりました。ゲームをしたり、新年の歌をロシア語で歌ったり、コンクールに参加もしました。

因みに、この日忘年会が行われていた高等経済学院の建物で電線事故があり、復旧しようとしましたが、故障したままでした。そのため建物では何度も停電が起こりました。忘年会の途中でも停電が数度起き、学生たちはスマートフォンの明かりをつけ、そのせいで雰囲気がとてもロマンティックになりました。

最後は参加者全員が事前に用意していたお菓子やお土産、ノート、おもちゃなどのプレゼント交換を行いました。

ロシアでも日本でも新年は家族で過ごす日です。忘年会も元々は過ぎて行く年に起こった悪いことを忘れるためのものでした。そして、もちろん、忘年会は同じ興味を持つ人たちにとってとても楽しいことです。特にその興味が日本の習慣についてであるならなおさらです。

私から、また高等経済学院の日本語科の学生を代表して、この日記を読まれる方に新年のお祝いを申し上げたいと思います。成功、ご多幸、発展をお祈り致します! 2020年に会いましょう!

11月 活動日誌

2019年11月30日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

みなさん、こんにちは!

11月に東洋学部(School of Asian Studies)ではいくつかの興味深いイベントがありました。その中の二つをお話しします。

日本学科の新入生の「日本学忠義式」

11 月11日、日本学科と日本クラブ「結び」が、すでに第3回となった「日本学忠義式」を行った。この象徴的な「式典」は1年生が大学での初めての試験(高等経済学院Higher School of Economicsでは試験期間が四つある)を受けた後に行われる。未来の日本学者が日本学科の先生や先輩達と知り合い、楽しいゲームに参加したりしながら、高等経済学院の東洋学部の仲の良い日本語科家族の仲間になっていきます。

最初に日本語の先生であり、日本学科長であるローリ・ジャイン(Roli Jain)先生が挨拶をしました。その後、その場にいらっしゃった先生方を紹介しました。日本クラブ「結び」の顧問であるユリヤ・コロヴィナ(Yulia Korovina)先生がクラブの活動について、どのようなイベントがあるのか、1年生でも参加できるイベントについて紹介しました。上級生は日本での研修やこれから1年生を待ち受ける日本語学習の困難さ、日本文化を知る過程や、日本人の性格・考え方、日本での生活などについて話し、下級生に日本語学習を楽にし、日本を好きになる方法をアドバイスしました。

1年生は楽しいクイズに参加し、日本についての簡単な問題や難しい問題に答え、一番多く正解した人はピザという賞品も受け取れました!

阿部弘先生が折り紙のマスタークラスを行い、学生たちは侍の兜を折りました。

式典の最後には本物の日本茶とお菓子が出ました。

式典はとても明るく、生き生きとしていて、プログラムは楽しく、興味深いものでした。1年生は、日本学と日本語学習という簡単ではない過程において、先生や先輩方が、助けてくれるということを知って、少し自信を持つことができたのではないかと思います。

アレクサンドル・ドーリン先生の誕生日

高等経済学院の東洋学部において11月20日に同学世界経済・政治学部(Faculty of World Economy and International Affairs)の東洋学部の教授であり、ロシアにおける日本学、日本文学研究・翻訳(特に和歌)のマエストロ、また、ご自身が詩人であり、作家でもあり、さらに日本の格闘技をロシアで広めたアレクサンドル・ドーリン先生(Alexander Dolin)の70歳の誕生日の式典が行われました。

先生は参加者に挨拶をし、ご自身の文学研究の功績についてスライドショーを用いてお話しくださいました。日本の詩人、作家の翻訳、日本の格闘技に関する論文、中編小説や詩を含む60冊以上の書籍です。

その後、式典に参加していた先生方や友人が先生にお祝いの言葉を述べました。

招待客の祝福の後、大変嬉しいことに、ドーリン先生はご自身の詩をいくつか朗読してくださいました。

式典の最後は立食パーティで締めくくられ、そこでは友好的でリラックスした雰囲気の中、参加者が先生を個別に祝福し、驚くべき彼の文学への偉大な功績への感謝を述べることができました。

東洋学部の数ある先生方の中にこのような素晴らしい日本専門家がいることは光栄なことです。ドーリン先生に健康、幸福、そして素晴らしい生徒たちと長寿をお祈りいたします。

Photo by Alexander Dvoriankin
http://www.realbigant.com

10月 活動日誌

2019年10月31日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

みなさん、こんにちは!

東洋学部 (SAS) における「東京物語」

今年度から新しいクラブ、日本映画クラブ「ツバキ」が始動し始めました。主に2-3年生の日本映画や映画の歴史に関心を持つ学生は先生方と話し合い、世界の映画界でも重要な位置を占める日本映画の良い作品を定期的に観賞することにしました。

10月4日(金)に初の上映会が行われ、そこには日本学科の学生だけでなく、日本映画愛好家も集まりました。

学生たちは自分たちで、日本の映画史上における傑作である小野安二郎の偉大な作品「東京物語」を観賞用に選びました。日本の近代映画ではなく、日本映画の黄金時代の映画が選ばれたことは素晴らしいことです。

映画は2組の両親が東京の自分の子供たちのもとにやってくるという話です。映画では父と子、老い、地方と都会の違いなどが描かれています。

映画鑑賞の後は討論が行われました。人間関係の複雑さはすべての人が理解できます。興味深かったのは、学生たちが、すぐに目につく違いだけでなく、ロシアと日本両国間の文化の違いや時代の違いといった全体的差を見つけようとしていたことです。その他にも、この映画で人間関係、家族、人生の価値観、家族への思いやりなどを考えさせられました。

また、映画は日本の文化の深い理解につながり、これは将来の日本学専門家としては必要不可欠です。次の上映会についてもお話しします。

School of Young Orientalists (若い東洋学研究者の学校) における日本語の授業

SASには、設立当時からSchool of Young Orientalists「若い東洋学研究者の学校」と呼ばれる高校生向けのプログラムが存在します。この学校のプログラムでは東洋学部の先生や学生の講義や、実習や様々な行事が行われます。この学校に参加するのは東洋に興味があり、アジアの国々の文化や言語を知りたい高校生です。学校の主要な課題は、高校生が将来の専門を決める手伝いをすることです。

この学校のリーダーは東洋学部の教師であるユーリア・コロヴィナです。😊

10月16日(水)には大学3年生が準備した日本語のインタラクティブな授業が行われました。

参加者は、古代の日本語や、文字の形成、身分によって使う文字が違ったこと、19-20世紀に日本語に起こった変化、また現代の日本語について学ぶことができました。その他、大学生は日本語の勉強法を高校生に伝授しました。日本語学習の難しさと「簡単さ」、なぜこの言語を選んだのか、なぜ日本語が自分にとって特別なのかを話しました。講義の後は、高校生たちはクイズに答えたり、日本のことわざを書き取り、意味を考えました。

このような授業は日本語学習への興味をかきたてるだけでなく、難しいけれども驚くほど豊かなこの言語の習得過程でどのようなことが待っているかを実際に知る助けとなります。

9月 活動日誌

2019年9月30日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

皆さん、こんにちは!

9月2日に高等経済学院では新学期が始まりました。

1.高等経済学院の日

本当の新学期が始まったのは9月5日の「高等経済学院の日」HSE DAY 2019からだと言えると思います。これは、毎年モスクワの大きな公園(ゴーリキーパーク)で行われるイベントで、大学の恒例行事となっています。第一回目の「高等経済学院の日」HSE DAYは、大学が20周年を迎えた2012年の9月6日に開催されました。

それ以来毎年9月の前半に高等経済学院は大学の先生、学生、そしてその他のお客さんのためにこのイベントを行っています。

「高等経済学院の日」HSE DAY 2019は宇宙のようで、誰もが何か興味のあるものを見つけることのできるユニークなイベントです。入学希望者たちは学部や教育システムを知る旅に出ることができます。例えば、「学生組織の並木道」というHSE StudLifeでは学校以外の様々な活動を知ることができます。大学には180以上の学生組織があり、数えきれないほどのイベントや自治組織があるのです。ロシア語や英語で行われる先生方のレクチャーや、探検ゲーム、学術の闘い、ファッションショー、音楽や様々な交流-これらは、「高等経済学院の日」に参加した人が体験できるアクティビティのほんの一部です。

参考: https://www.hse.ru/en/day2019/

東洋学部(SAS)もイベントに参加しました。

学生たちは「東洋学」という学士プログラムを受験希望者たちに紹介しました。

「プログラムテーブル」の側では特別なプログラムが行われていました。書道の先生のファニアン先生が中国書道のマスタークラスを行い、希望者は書道を体験できました。

あるテントの壁に、学生たちが「願いの壁」として、日本の短冊をまねて、みんな様々な色の紙に自分の願いを書き、壁に吊るすことができした。


また、学生たちは東洋に関するクイズを考えて出題し、勝った人は記念シールをもらうことができました。

女学生たちは中国、韓国、日本の伝統衣装に身をつつみ、「プログラムテーブル」への興味を誘っていました。


もちろん、イベントの間中、東洋学部(SAS)のマスコットであるパンダとハグすることもできました!


2.ロ日会話クラブHey! Say!

学生の会話クラブHey! Say!が9月27日に活動を再開しました。これは高等経済学院東洋学部(SAS)の日本クラブ「結び」の活動の一部として発足したものです。

長い休みの後の最初の会合にはHSEで日本語を学ぶ学生だけでなく、外部の参加者の日本や日本語愛好家たちも集まりました。日本人の参加者の中には、留学生や社会人もいました。

このクラブの主催者は参加者全員にとって最大限興味深く役に立つものになるように様々なテーマを挙げていました。

クラブの会合は定期的に行われます。また皆さんに楽しいお知らせができると思います。

7月 活動日誌

2019年7月31日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

皆さん、こんにちは!

7月20‐21日、モスクワのゴーリキー公園で最も大きい日本文化イベントであるJ-Festの第10回目が行われました。これはまた、去年スタートした日ロ交流年の閉幕のイベントでもありました。

来場者は楽しいマスタークラスに参加したり、人気のある和食を試したり、記念にお土産や日本の商品や手作りアクセサリーなどを買ったりしました。そのほか日本人やロシア人の先生方が茶道、書道、華道、盆栽、伝統工芸や武道の手ほどきをしてくれました。

日本の和太鼓グループ「あすか組」のショーがフェスティバルの大トリとなりました。 また今年はコスプレパレードも初めて行われ、200名のコスプレイヤーたちが参加しました。

東洋学部2年生のクセーニヤ・ドゥービクは今回ボランティアとしてフェスティバルに参加しました。

「J-Festは私が2017年に初めてお客として偶然来場した初めての時に、将来の進路を決める手助けになりました。そして、入学した後で、同級生がフェスティバルにはボランティアとしても参加できると教えてくれました。

残念ながらその年は前年に申請を送ることができませんでしたので、今年のJ-Festの応募開始を冬からずっと待っていました。

選考は簡単に通りました。よい仕事(メインステージ「やぐら」の側の仕事)を獲得するのにボランティアの経験と日本語の基礎知識が役に立ちました。また、招聘されていた日本の山形の大学生たちと会話することもできました。学生たちは伝統的な花笠祭りの際に踊られる花笠踊りを教えてくれました。

この2日間ゴーリキー公園は人であふれていました。フェスティバルの場所が拡張され、もう気づかない人はいません!

日本文化フェスティバルには主にアニメファンたちが訪れ、彼らは自分の好きなアニメの登場人物に扮して、自分のコスプレを披露していました。また屋台でアニメキャラのフィギュアやマンガ、アジアのお菓子もアニメファンの子たちを惹きつけていました。

フードコートも大人気で、お好み焼き、ラーメン、たい焼き、抹茶などを試すことができました。フェスティバルは本物の日本の祭りの雰囲気を再現していて、ロシアに駐在している日本人の家族も訪れていました。

日本文化フェスティバルでのボランティアの経験は忘れられないもので、コミュニケーション能力、様々な状況に素早く反応する力を伸ばしてくれたと思いますし、何より自分の専門をより好きになる動機を与えてくれました。

日本は驚くべき国で、この国の一般の人が日本文化に感動しているところを観察することは、未来の日本専門家としての私にとって大きな幸せです。 私がこの文化を学べる素晴らしい機会と、他の人がこの文化を楽しんでくれていることに感謝しています。

Photos by Alexander Dvoryankin
More photo
https://rb.bazium.com/chronicle/j-fest-summer-2019
https://j-fest.org/
https://vk.com/jfestival




5月 活動日誌

2019年5月31日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

東洋学デーOriental Crazy Day 2019 報告

東洋は常にその素晴らしい伝統を誇り、様々な人々を繋げてきました。

東洋学部(School of Asian Studies, SAS)もこの「教科」で優秀な成績を修めていることを発信し続けていますが、5月19日にすでに6回目となった東洋学デーであるOriental Crazy Dayを開催しました。これは、東洋学部の学生と教員が力を合わせて、またHSE Lyceumリセの生徒も参加して行われるイベントです。

「私はこのイベントでの日本語学科全体の準備を担当して2年目になります」と話すのは東洋学デーの主催者の1人であるエカテリーナ・ワセニョワさんです。

「このイベントは年ごとに大きくなっていて、お客さんにとって新しく面白いものが増えてきています。」

今年はお客さんは生け花の師範であるウラーナ・クーラールによる生け花のデモンストレーションを見ることができたし、日本刀製作技術保存協会(NBTHK-JAPAN)の会員であるセルゲイ・ワルチェンコから日本の刀について聞くこともできました。

実際Oriental Crazy Dayに来た人は自分の興味のあるものを見つけることができました。

東洋の書道を試してみたり、伝統的なゲームを楽しんだり、東洋のスイーツを食べたり、アラビックコーヒーや日本茶を飲んだりしました。

創造的でクリエイティブな人のために、小学生の頃から知っている折り紙や日本画の1つである墨絵のコーナーもありました。

映画好きは韓国映画クラブのメンバーと韓国映画の色んな側面、例えばキムキドクの作品から、韓国のドラマについて話すことができました。

このように多様なイベントだったので、東洋のことをそれほど知らない人にとってもとても楽しいものでした。

「私は経済分析について勉強していますが、友人に誘われて来ました」と話すのはモスクワ物理工学大学2年生のニキータさん。

「もちろん、ここで提供されているテーマを知っているわけではありませんが、とても面白く、興味を引かれました。何かのドラマを見てみようかと思っています」

Oriental Crazy Dayはまた、東洋学部やHSE Lyceumリセを受験しようと考えている人にとってのオープンキャンパスでもあります。

東洋学部の部長のアレクセイ・マスロフ教授は、ロシアで最も東の町であるウラジオストクとオンラインで繋げて、現代の東洋学について話してくれました。

その他に、学生やリセの生徒が高等経済学院入学や勉強について説明をするコンサルコーナーもありました。

リセの生徒のアリョーナとアリーナはお客としてだけでなく、コンサルする立場でもこのイベントに参加しました。

「コンサルコーナーには中学生と親がやってきて、リセへの入学や授業のことを、他の高校とどう違うのかということを尋ねられました。受験生向けのコンサルコーナーの仕事が終わった後は他のコーナーを回ることができました。ヘナタトゥーもできて、夏にぴったりです。もちろん、私たちもどの学科に入るか決めていません。世界経済学科や国際関係学科も考えています。でも、東洋への興味は永遠です!」

このイベントのクライマックスはコンサートでした。

学生たちが韓国語や中国語で歌を歌ったり、自分たちで作ったコメディドラマを見せたりしました。

歌舞伎のお芝居「鳴神」が観客を驚かせました。東洋学研究所教授のエフゲニー・シュタイナー先生指導の演劇プロジェクトに参加しているメンバーによるものです。

プロの邦楽奏者であるタチヤナ・レチナヤとドミトリー・カリーニンは耳慣れた西欧音楽の協奏曲や序曲とは全く違った伝統的な日本の音楽を観客に紹介してくれました。

K-popのヒット曲Gangnam Styleにのせたホットなダンスフラッシュモブはみんな踊り出さずにはいられませんでした。

Oriental Crazy Day-2019は終わってしまいましたが、思い出は長くみんなの心に残るでしょう。

この日1番重要だったのは、美味しい食べ物でも、楽しい出し物でもなく、東洋に興味のある人達が集まり、驚くべき多様な文化への愛を確認したことだったのです。

4月 活動日誌

2019年4月30日
GJOコーディネーター ユーリア・コロヴィナ

みなさん、こんにちは!

少し間が空きましたが、モスクワ、経済高等学院(HSE)で行われていることをお話ししたいと思います。

私はユーリア・コロヴィナ、GJO の新しいコーディネーターです。これから毎月その月の最も面白い出来事をお話ししていきたいと思います。

HSEでは東洋学部(School of Asian Studies, SAS)の日本クラブ「結び」が日本語を勉強している学生によって2年目の活動を行っています。クラブは東洋学部の教師であるロリ・ジャインとユーリア・コロヴィナが、学生たちが日本語の授業以外でも日本の文化を知ってもらえるように手助けし、面白いイベントを行っています。

4月12日には日本映画クラブの定例会が行われました。学生たちは第81回アカデミー賞外国語映画賞(オスカー)を受賞した「おくりびと」を見ました。

身近な人を失うことは誰にとっても常に辛いことです。そういう時に人は何を感じるでしょうか? 私たちはその喪失感を同じように感じるのか、違った風に感じるのでしょうか? その質問に答えてみるために、私たちはHSEの教師で、日本映画の専門家であるフィオードロワ・アナスタシア (Institute for Oriental and Classical Studies) https://www.hse.ru/staff/aafedorovaを招きました。

映画クラブの会はディスカッション形式で行われました。議論の間に参加者は質問をし、意見交換し、専門家の助けによって、映画の内容と滝田洋二郎監督が映画に込めた意義や考えを分析してみました。

4月19日にはイワン・チュレーネフの講義(「刀の権力と法の力。中世日本を治めていたのか?」)が行われました。イワンはHSE Lyceum (経済高等学院の高等学校)で学んでいて、日本の歴史に大変興味を持っています。聴衆の中には学生だけでなくHSE Lyceumの学生もいて、鎌倉幕府のことを知ることができました。

イワンは戦国時代の幕府が創設される前提条件を詳しく述べ、将軍たちが最初の数十年でどのような困難に直面したか、そして、厳しい社会的・政治的問題をどのように解決していったのかということを話してくれました。聴衆には専門用語の用語集が配られ、幕府の構造や役職の名前で混乱しないように考慮されました。みんな文句なしに「御成敗式目」を作り、素晴らしい戦術家である北条泰時が気に入り、講義のスターになりました。講義の後イワンに質問をしたり、歴史的出来事についての感想を伝えたりしました。

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