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について

ロシア正教古儀式派の歴史と文化

刊行
著者等
坂本秀昭、中澤敦夫(編著)福嶋千穂(分担執筆)
出版社
明石書店

内容の紹介

一七世紀半ばのロシア正教の教会改革によりうまれた「古儀式派」に関する初めての概説書。(第12章担当:福嶋千穂)

執筆者のコメント

第12章 福嶋千穂(大学院総合国際学研究院)
西欧カトリック世界に分裂をもたらした宗教改革運動がロシアに直接波及することはありませんでしたが、17世紀半ばにはロシア正教会の中でも、総主教ニーコンの断行した改革をめぐって教会分裂(ラスコール)が生じました。
改革に抵抗した人々は、ニーコン以前のロシアの信仰形態をかたくなに守り、古儀式派を形成することになります。古い教会文化を守った点で「ロシアの旧教徒」であった彼らですが、その勤勉さで黎明期のロシアの資本主義に大きく貢献したことから、西欧の「新教徒」との類似性を指摘されることもあります。また、かつてロシアで迫害対象であったことから、世界各地に移住し在外コロニーを築いてきました。
本書は、様々な角度から古儀式派に関心を寄せてきた日本の研究者たち(とロシアの共同研究者)が、それぞれの専門を活かして執筆した原稿を持ち寄って出来上がりました。古儀式派についての格好の手引き書であるとともに、ロシア史・ロシア文化全般に関心のある読者にもおすすめします。


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