福嶋 千穂 (FUKUSHIMA Chiho)
氏名 / Name | 福嶋 千穂 (FUKUSHIMA Chiho) |
---|---|
所属職名 / Affiliation | 大学院総合国際学研究院/准教授 Institute of Global Studies/Associate Professor |
電子メール / Email | fsch@tufs.ac.jp |
ウェブページ / Website | |
学位 / Degree |
|
研究分野(e-Rad分野) / Research Field(s) (by e-Rad) |
|
研究キーワード / Research Keywords |
|
自己紹介 / Biography
近世ポーランド・リトアニア史、特にその東部のルテニア(ルシ)地域の宗派問題を研究しています。ポーランド王国とリトアニア大公国の連合によって成立した近世ポーランド・リトアニア国家は、当時はヨーロッパ屈指の強国で、その版図は、現在の地図に重ね合わせたならば、ポーランド、リトアニアのみならず、ウクライナ、ベラルーシを包含し、さらにはラトヴィアとエストニア南部、そしてロシア、モルドヴァ、スロヴァキアにまで及ばんとする広大さを誇りました。
ルテニア(Ruthenia)とは、当時のポーランド・リトアニア領のほぼ東半分を占めた地域で、現在のウクライナ、ベラルーシの前身にあたります。ラテン・カトリック文化圏を構成したポーランド国家にあって、ルテニアは、住民の大多数が東方教会の信徒という点で異彩をはなつ存在でした。ヨーロッパの東西を架橋するようなこの地域に魅せられたことが、私がポーランド史研究を志したきっかけでした。
このように、ポーランド史のいわゆるメインストリームではない部分への関心が高いものですから、本学においても、現存の国民国家ポーランドにとどまらず、いわゆる「歴史的ポーランド」が包摂した近隣の諸国・諸地域にも関心を持ってもらえるような授業づくりを目指しています。
「地図上から消された悲劇の国」「ドイツとロシアに挟まれた不運」といったポーランドのイメージは間違ってはいませんが、近世史の勉強を通じてポーランドの別の相貌を知ることで、我々の抱くポーランド像も、より立体的な、膨らみのあるものになることでしょう。
ルテニア(Ruthenia)とは、当時のポーランド・リトアニア領のほぼ東半分を占めた地域で、現在のウクライナ、ベラルーシの前身にあたります。ラテン・カトリック文化圏を構成したポーランド国家にあって、ルテニアは、住民の大多数が東方教会の信徒という点で異彩をはなつ存在でした。ヨーロッパの東西を架橋するようなこの地域に魅せられたことが、私がポーランド史研究を志したきっかけでした。
このように、ポーランド史のいわゆるメインストリームではない部分への関心が高いものですから、本学においても、現存の国民国家ポーランドにとどまらず、いわゆる「歴史的ポーランド」が包摂した近隣の諸国・諸地域にも関心を持ってもらえるような授業づくりを目指しています。
「地図上から消された悲劇の国」「ドイツとロシアに挟まれた不運」といったポーランドのイメージは間違ってはいませんが、近世史の勉強を通じてポーランドの別の相貌を知ることで、我々の抱くポーランド像も、より立体的な、膨らみのあるものになることでしょう。
所属学会 / Affiliated Academic Societies
-
史学研究会
-
西洋史読書会
-
古儀式派研究会
-
東欧史研究会
主要研究業績 / Main Research Publications
論文 / Papers
-
(書評・新刊紹介)Larry Wolff, Disunion within the Union: The Uniate Church and the Partitions of Poland, 『フェネストラ 京大西洋史学報』, 6号, 27-33, 2022年
-
(新刊紹介)早坂眞理著『近代ポーランド史の固有性と普遍性:跛行するネイション形成』 , 『東欧史研究』, 44号, 37-38, 2022年
-
The Struggle between Confessional and Nationalist Groups for the Chełm-Podlasian Region: The 1905 Decree of Tolerance and Former Uniates , The Tsar, the Empire, and the Nation: Dilemmas of Nationalization in Russia's Western Borderlands, 1905-1915, 141-168, 2021年
-
Uniate Martyr Josaphat and His Role as a Confessionalizing, Integrating, and Nationalizing Influence, Yoko Aoshima (ed.), Entangled Integrations between Religion and National Consciousness in Central and Eastern Europe, 1-28, 2020年
-
Wpływy Ukazu Tolerancyjnego z 1905 na byłych unitów w Królestwie Polskim, Spotkania Polonistyk Trzech Krajów - Chiny, Korea, Japonia. Rocznik 2018/2019, 399-410, 2018年
-
(研究ノート)「ルシ」再考, 東京外国語大学論集, 94号, 189-208, 2017年
-
(新刊紹介)白木太一著『[新版]一七九一年五月三日憲法』, 『鴨台史学』, 14号, 89-90, 2017年
-
Unia kościelna w Rzeczypospolitej Obojga Narodów i jej ślady w dzisiejszej Polsce, Spotkania Polonistyk Trzech Krajów - Chiny, Korea, Japonia. Rocznik 2016/2017, 103-114, 2017年
-
近世ルテニアの啓蒙・教育活動と宗派共同体:「正教スラヴ」ネットワークの中で, (橋本伸也編著)ロシア帝国の民族知識人:大学・学知・ネットワーク, 2014年
-
(書評)早坂眞理著『ベラルーシ : 境界領域の歴史学』 , 『東欧史研究』, 36号, 64-70, 2014年
-
近世ポーランド・リトアニア共和国におけるルテニア: 教会合同問題にみる諸階層, スラヴ研究, 58号, 197-227, 2011年
-
「ハジャチ合意(1658-59年)」にみるルテニア国家の創出, 史林, 93巻5号, 31-64, 2010年
-
「ブレスト教会合同(1595-96年)」の社会的背景:近世ポーランド・リトアニア「共和国」におけるルテニアの正教会, 史林, 86巻3号, 86-121, 2003年
-
(書評)中山昭吉・松川克彦編『ヨーロッパ史研究の新地平:ポーランドからのまなざし』, 『史林』, 84巻5号, 121-128, 2001年
書籍等出版物 / Books and Other Publications
-
ポーランドの歴史を知るための55章, 明石書店, 一般書・啓蒙書, 共編者(共編著者), 2020年
-
越境する歴史家たちへ:「近代社会史研究会」(1985-2018)からのオマージュ, ミネルヴァ書房, 一般書・啓蒙書, 分担執筆, 2019年
-
ロシア正教古儀式派の歴史と文化, 明石書店, 学術書, 分担執筆, 2019年
-
ベラルーシを知るための50章, 明石書店, 一般書・啓蒙書, 共著, 2017年
-
ブレスト教会合同, 群像社, 学術書, 単著, 2015年
MISC / MISC
-
(連続時評「ウクライナ危機」)ウクライナとロシア:「元祖」と「本家」の相克, 『歴史学研究』, 記事・総説・解説・論説等(その他), 単著, 2023年
-
リヴィウの小さな国際社会, 『明日の友』, 婦人之友社, 記事・総説・解説・論説等(商業誌、新聞、ウェブメディア), 単著, 2022年
-
2021年の歴史学会-回顧と展望-近代(ロシア・東欧・北欧), 『史學雑誌』, 史學會, 記事・総説・解説・論説等(学術雑誌), 単著, 2022年
-
ロシアとは別のルーシ, 『中欧・東欧文化事典』, 丸善出版, 記事・総説・解説・論説等(その他), 単著, 2021年
-
クリニツァのニキフォル:ウェムコとして、トゥテイシとして, ピエリア, 東京外国語大学出版会, その他, 単著, 2021年
-
正教の「西方」、カトリックの「東方」:合同教会をめぐる諸問題, 『フォーラム・ポーランド2011年会議録:ポーランドとその隣人たち1』, ふくろう出版, 講演資料等(セミナー,チュートリアル,講習,講義他), 単著, 2012年
講演・口頭発表等 / Presentations
-
ポーランド国家とルーシ(ルテニア)地域:Gente Ruthenus, natione Polonusをめぐって, ロシア史研究会2022年度大会, 国内会議, ロシア史研究会, シンポジウム・ワークショップ パネル(指名), 法政大学, 2022年
-
ロシア帝国の「宗教寛容令」(1905年)とカトリック改宗:元合同教会信徒をめぐる競合, 2019年度西洋史読書会大会, 国内会議, 京都大学西洋史研究室, 口頭発表(一般), 京都大学, 2019年
-
Wpływy Ukazu Tolerancyjnego z 1905 na byłych unitów w Królestwie Polskim, Spotkania polonistyk trzech krajów – Chiny, Korea, Japonia, 国際会議, 韓国外国語大学校, 口頭発表(一般), 韓国外国語大学校, 2018年The Influences of the Edict of Toleration (1905) on the Former Uniates in the Kingdom of Poland, International presentation, Hankuk University of Foreign Studies, Oral presentation (general), Hankuk University of Foreign Studies, 2018
-
Consideration to the Influence of Religious Tolerance (Toleration) of 1905 on Former Uniates, Protecting the Empire: Imperial Government and Russian Nationalist Alliance in the Western Borderlands during the Late Imperial Period, 国際会議, The Lithuanian Institute of History, Kobe University, 口頭発表(一般), 2018年
-
Obraz dawnej Rzeczypospolitej w edukacji historycznej na wyższych uczelniach w Japonii, III Kongres Zagranicznych Badaczy Dziejów Polski, 国際会議, III Kongres Zagranicznych Badaczy Dziejów Polski, 口頭発表(一般), Krakow, Poland, 2017年The Image of the Polish-Lithuanian Commonwealth in History Education at Higher Education Institutions in Japan, The III Congress of International Researchers of Polish History, International presentation, The III Congress of International Researchers of Polish History, Oral presentation (general), 2017
-
ポーランド東南部の木造東方教会群を訪ねて, 第6回古儀式派研究会研究集会, 国内会議, 古儀式派研究会, 口頭発表(一般), 富山大学, 2017年
-
17世紀前半リトアニアの殉教聖人, パーリツィン研究会例会, 国内会議, パーリツィン研究会, 口頭発表(一般), 電気通信大学, 2017年
-
Unia kościelna w Rzeczypospolitej Obojga Narodów i jej ślady w dzisiejszej Polsce, Spotkania polonistyk trzech krajów – Chiny, Korea, Japonia, 国際会議, 広東外語外貿大学, 口頭発表(一般), 広東外語外貿大学, 2016年
-
Uniate Martyr Josaphat and His Role as a Confessionalizing/ Nationalizing Element , Summer International Symposium 2016 in Vilnius "Entangled Interactions between Religions and National Identities in the Space of the Former Polish-Lithuanian Commonwealth, 国際会議, Yoko Aoshima, Taku Shinohara, Darius Staliunas, 口頭発表(一般), Lithuanian Institute of History, 2016年
-
17世紀ポーランド・リトアニアにおける殉教事件, 東欧史研究会2016年度第2回例会, 国内会議, 東欧史研究会, 口頭発表(一般), 東京外国語大学本郷サテライト, 2016年
-
Rus' between Poland and Russia: Concerning problematics in the Terminology in Japan, Polish-Japanese Research Seminar "Europe seen from abroad", 国際会議, International Cultural Center, 口頭発表(一般), International Cultural Center (Krakow, Poland), 2016年
Last updated on 2023/3/24