こんにちは。博士後期課程3年の石橋裕子です。
 去る7月11日に東京ビッグサイトのエリアにあるAkeruEというミュージアムに見学に行ってきました。AkeruEはパナソニック・センター内にある施設で、一言で「これ」と表す言葉が見つからないのですが、ホームページの言葉を借りると、「子どもたちの知的好奇心と「ひらめき力(ギリシャ語でEureka)」を育む場として、"学び"と"モノ・コトづくり"の双方を体験できる施設」とのこと。クリエイティブ・ミュージアムと呼ばれているそうで、なんとこのクリエイティブ・ミュージアムはAkeruEが日本初なのだとか。日本語教育に携わり、教育全般にも、創作にも興味がある私としては、ぜひ行ってみたい!と思い、参加しました。
 今回はAkeruEの企画や空間設計に携わった株式会社ロフトワークの越本さんに案内をしていただき、AkeruEを体験してきました。

 

 まず入り口からエレベーターで2階に上がると大きな球体がありました。球体は棚状になっていて、水槽と植物が置いてあります。何でも、魚と植物を同じシステムで育てる循環型栽培、「アクアポニックス」と言うのだとか。この球体の中に入ることもできます。可愛い熱帯魚が泳いでいる横に植物が生き生きと葉を茂らせていて、癒しを感じられる空間でした。

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 それから、なんと「テクニート」と呼ばれる工房がありました!こちらでは3Dプリンタやミシン、レーザーカッターなどが設置されていて、申し込みをすると、この工房のものを使って自分が考えた製品が作れるのだそうです。さすが、「クリエイティブ・ミュージアム」というだけのことはあります。3カ月間のプログラムも開催されていて、ここからデザインフェスタで自作の製品を販売した小学生もいるのだとか。未来の研究者やエンジニアがここから生まれるかもしれませんね。(利用している方がいたので、写真撮影は控えました)

 3階にはテクノロジーを芸術作品として展示しているスペースがあります。磁性流体がウニのようなトゲトゲ物体に変化する作品や、紙の上の線路にカラーマーカーで色を付けておもちゃの「電車」を走らせrると音楽を奏でる作品など、大人でも好奇心をくすぐられる展示がいくつもありました。中には、実際に触って操作できる作品もありました。しばし、私も同行された副学長の中山先生、MIRAI推進室の和泉さんも童心にかえり、船岡さんに詳しく説明をしていただきつつ、ほぼ全ての展示を見て触って、楽しみました。スペース全体もポップな色合い、デザインになっており、ワクワク感が増す空間でした。

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 また、この展示スペースの横にはスタジオがあり、ここでは備えつけのipadで、動画作品を作れるのだそうです。作品は同じスペースにあるスクリーンで上映されます。私たちが見学していたときも、アニメーション撮影にいそしむ親子の姿が見られました。

 このような感じで、「あれは何だ」「これは何だ」と大の大人たちがうろちょろしながら、午後3時半から閉館の5時まで、たっぷり1時間半楽しみました。製作に携わった方に施設が子供達にどのように利用されているか、作品のコンセプトなども解説していただき、実にひらめきと刺激に満ちた時間を過ごすことができました。子供のころにこういった施設に来ていたら、違う人生を歩んでいたかもしれないなと思うくらい、好奇心を刺激される場所でした。
 AkeruEは今年いっぱいで移転するとのことですが、テクノロジーと教育、そして社会とのつながりの新しい形を見せてくれたこの施設にヒントを得て、研究に関わる私たちも、どのように研究を見(魅)せることができるか考えてみたいなと思いました。