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Research Activities研究活動

研究プロジェクト

現代東部アフリカ社会をゆるがすセクシュアリティ・結婚の変容とシングル化

椎野 若菜(東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所)

【研究課題】現代東部アフリカ社会をゆるがすセクシュアリティ・結婚の変容とシングル化
【研究費の枠組み】科学研究費(科研B)
【研究期間】2022月4月1日 〜 2026年3月31日
【研究代表者】椎野 若菜(東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所)
【研究分担者】大門 碧(北海道大学, 国際連携機構)、花渕 馨也(北海道医療大学, 看護福祉学部)、Karusigarira Ian (政策研究大学院大学, 政策研究科)、白石 壮一郎 (弘前大学, 人文社会科学部)
【研究目的】

現在のアフリカ都市部ではセクシュアリティの観念が変化し、伝統的に一夫多妻という結婚制度によって父系社会構造を維持してきたアフリカ社会から脱し、結婚せずに子どもをもつシングルマザーが激増している。本研究の問いは、従来の女性のライフコースから外れ、子どもの嫡出性にこだわれないシングルマザーがこのまま増加すると、父不在の女性中心的母系社会が併存するようになるだろうか?それとも、法制化された一夫多妻は、シングルマザーを孤立化させるのか、あるいは第二夫人以下として父系社会にとりこもうとしていくのだろうか? というものだ。これらを現代アフリカ社会の直面する構造の変化の過渡期と捉え、民族誌的に追究していく。

【キーワード】結婚 / シングル女性 / 移動 / ライフコース / セクシュアリティ観 / シングル / 性教育 / 性観念 / 高学歴化 / 女性 / 若者 / セクシュアリティ / 一夫多妻


【研究成果報告】

本研究は、高学歴化とともに女性のセクシュアリティの変化とシングルマザー化の傾向が顕著である東部アフリカを対象に、セクシュアリティと結婚についての重要な変化の複合を紐解き、現代アフリカにおける女性たちの直面する状況との格闘を描き出すことを大きな目的としている。申請当時は2022年時点でどの程度の海外調査が可能になるか予定も立てづらかったのが現状であるが、計画したとおり、ウガンダとケニアの若手研究者をつなぎ積極的にオンライン研究会を開催し、さらに現地においても研究会を開催することができ、ネットワーキングを実体化しつつある。また現地調査もウガンダとケニアにて実施することができた。現地協力者のひとりであるナイロビ大学のトム・オンディチョ氏を東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所に半年間招へいし、本課題と関連する共同研究プロジェクト'Sexual Education Handbook for University Students in Kenya'を実施した。なぜシングルマザーが増えているのか、という問いは若者の性観念について調査する必要がある。大学生レベル、小中学校、セカンダリーレベル、と教育現場におけるセクシュアリティ教育の実態と生徒・学生たち、親世代の認識についても調査を開始した。 さらに1月には国際シンポジウム「現代アフリカにおけるセクシュアリティ:伝統、教育、そして実践」本課題と共催にて開催することができた。