アクションプラン

TUFS アクションプラン2019-2020

2019.4.16
東京外国語大学長 林佳世子

 2019年4月より、学長として本学の運営を担当することになりました。

 就任にあたり、当初2年間の活動方針を以下の「アクションプラン 2019-2020 」にまとめました。今日、国立大学は、個々の大学の役割を明確にし、社会に対しその存在意義を訴えていく必要に迫られています。本学の使命は、世界の言語・文化・社会に関する研究と教育を通じ、多様性を重視し、世界や日本の多文化共生に寄与するという点にあります。国立大学、特に人文社会系の大学を取り巻く厳しい環境のなか、教職員皆が、社会の中での本学の役割を意識し、その機能をさらに充実させていくよう努力していかなくてはなりません。

 本「アクションプラン 2019-2020 」には、本学の様々な課題への対応が含まれていますが、「多文化共生に寄与する」という本学の機能の充実・成果の可視化が、最も重要な課題だと考えています。皆さんとともに、その実現に向け、一歩一歩進んでいければと思います。

 どうぞよろしくお願いします。

アクションプラン2019-2020
「多様性を力に変え、多文化共生に寄与する東京外国語大学」の実現に向けて

1.本学の研究の発展のために

①「多文化共生」をキーワードに、本学の研究活動の特徴と成果を可視化します

  • 「多文化共生」に関わる研究プロジェクトへの重点支援
  • 「多文化共生」をキーワードに教員の研究課題の関連づけを行い、研究成果に関する広報活動を拡充
  • 各学内研究所・研究センター等が担う「多文化共生」研究の可視化
  • 東京外国語大学出版会をさらに強化し、多様な本学の研究成果を社会に還元

②本学の研究力を社会に示すため、研究に関する適切な評価体制を構築します

  • 研究力を適切に示す評価指標の策定
  • 大学ランキングなどの外部の評価への対応

③研究の国際化を推進します

  • アジア・アフリカ言語文化研究所が国際的に展開する多様な共同研究の拡充
  • 特色ある地域の研究拠点(アフリカ、南アジアなど)や研究の国際連携(CAASなど)の強化

④研究環境の充実を図ります

  • 研究費獲得へ支援強化(科研費・外部資金など)
  • 研究時間の確保への取り組み(諸会議の総時間減、ペーパーレス化など)

2.学部・大学院の教育の充実と豊かな学生生活の実現のために

①問題設定・解決能力をもつ人材育成をめざし、特徴ある教育実践を広げていきます

  • 理論・実践の両面で、「多文化共生」教育の拡充
  • 学生の学習達成度の可視化の促進(TUFS Record、ディプロマサプリメントなど)
  • 3学部それぞれの特性を伸ばす取組の拡充
  • 理数系科目を充実させ、文理協働型教育を推進
  • 2021年度入試改革への対応と、独自の英語スピーキングテストの導入

②「世界をキャンパスに」―世界の協定校と連動した教育を実現します

  • 協定校との共同教育、とくにダブルディグリー・プログラムの開発
  • 留学支援共同利用センターの強化を通じた、留学の促進
  • 留学生と日本人学生の共学体制の促進

③キャリアにつながる大学院教育の充実を図ります

  • 大学院生の主体的研究活動の充実(院生組織の新設、ジョイント・エデュケーション・プログラムなど)
  • 学部・大学院を一貫させた教育プログラムの開発
  • 「キャリアプログラム」および「専門領域単位修得証明制度」等を通じた、社会実装教育の充実

④新時代の言語教育への脱皮を図ります

  • ICT/AIの時代の新たな言語教育へ検討・実装
  • 言語教育プログラムの学外への展開

⑤安全・安心を確保しつつ、充実した学生生活の実現を図ります

  • キャリア教育・キャリア支援の充実
  • 学生によるボランティア活動への支援の充実
  • 心身ともに健全な学生生活の実現のための相談・支援体制の充実
  • 学生による自主活動(外語祭、クラブ・サークル活動)への支援の拡充
  • 大学と学生の定期的な対話の場の創設
  • 留学生が学びやすい環境、および留学生への就職支援体制の整備
  • 学生の学習スペース・学習環境の充実(附属図書館、研究講義棟内など)

3.多文化共生へのニーズを核とした、社会連携・地域連携の充実のために

①多言語多文化共生センターにより、本学の社会連携事業を効果的、効率的に実施します

  • 言語文化サポーターの活用、外国人児童生徒等への教育支援、自治体・公的機関・国際交流協会・企業との連携など、社会から求められる社会連携・地域連携事業の展開
  • 本学の強みである世界諸地域に関する情報・分析の発信(TUFS Cinema、「日本語で読む世界のメディア」事業、講演会など)
  • 本学の強みを生かした、新たな国際貢献事業の開発と実施

②本学と社会との連携を充実させるため、卒業生とのネットワークを強化します

  • 東京外語会との協働体制の強化
  • グローバルコミュニティ会合やホームカミングデーなどの実施による卒業生とのつながりの強化
  • 2023年の建学150周年に向けて、記念事業に着手

③社会のニーズに応え、リカレント教育の拡充を実現します

  • 大学院への社会人受け入れ拡充に向けた体制整備
  • オープンアカデミーを活用したリカレント教育の実現
  • 履修証明プログラムによる多文化共生専門人材の育成

④自立した活動基盤の構築に向け、社会からの支援を獲得する活動を強化します

  • 寄付受け入れの多様化と拡充
  • 収益事業や外部資金獲得へ体制整備


4.本学の健全な経営、職場環境の改善、さらに安全で美しいキャンパスの整備のために

①適切な点検評価や分析を踏まえ、本学の方向性を明確化します

  • 全学的なIR体制の整備
  • 2007年以後未改定となっているグランドデザインの見直し
  • 2022年4月に始まる第4期に向け、中期目標策定準備

②財政基盤の健全化に向けた検討を進め、自己資金率の増加に努めます

  • 経費削減のための見直しの強化
  • 寄付受け入れの多様化と拡充(再掲)
  • 収益事業や外部資金獲得へ体制整備(再掲)
  • 学生・保護者の負担に対する説明責任体制の強化

③働きやすい職場環境をつくります

  • 育児、介護等への支援策強化
  • 多様な相談体制の強化
  • 外国人教員が働きやすい環境の整備
  • 「働き方改革」への対応
  • 「人事給与マネージメント改革」への対応

④安全で美しいキャンパスの維持を図ります

  • 適切な設備更新と、学内スペースの美化
  • 本学施設・設備の長寿命化のための方策

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