TUFS Cinema マレーシア映画『Ninavau-光』上映

2026.07.30

2026年7月18日(土)、東京外国語大学プロメテウス・ホールにおいて、TUFS Cinema マレーシア映画『Ninavau-光』の上映会を開催しました。

マレーシア・ボルネオ島サバ州を舞台とする本作は、あるカダザン人家族の物語を通して、多様な宗教や価値観のなかで生きる人々の姿を鮮明に映し出した作品です。宗教の選択や家族のあり方という繊細なテーマを扱いながらも、その根底には「家族の受容と寛容」という温かな視点が一貫して流れています。また、劇中に広がる豊かな自然や地域社会の暮らしも印象深く、日本で触れる機会の少ないサバ州の社会・文化について、多角的に理解を深める内容となっています。

上映後には、2003年からサバ州でのフィールドワークを続けている摂南大学国際学部の上田達教授による解説が行われました。上田教授は、カダザン(ドゥスン)の人々の文化や民族名称の歴史的変遷、同地域におけるアイデンティティと宗教の関係を専門的知見から紐解いたほか、劇中のマレー語表現や民族言語、食文化を取り上げながらマレーシアの半島部とは異なるサバ州の文化的特徴を紹介し、映画に描かれた様々な内容が現地の実際の社会状況を反映していることに触れました。さらに、物語のテーマである改宗と家族の関係について、「信仰が変わっても家族との関係は変わらない」という本作のメッセージを多民族・多宗教社会であるマレーシアの共生観と結びつけて解説し、参加者にとって「違い」と共に生きる意味を見つめ直す機会となりました。

質疑応答では、現地での作品受容や社会背景に関する質問が数多く寄せられました。270名を超える来場者が集まった今回の上映会は、映画と専門家の対話を通してマレーシア社会の多様な実像や人々の営みに触れる、TUFS Cinemaならではの深い学びの場となりました。

参照:

会場の様子
会場には学内外から270人以上の方にご来場いただきました
上田達教授
摂南大学国際学部・教授上田達教授によるアフタートークの様子
上田教授
映画の舞台、マレーシア・サバ州の文化・社会的背景を解説する上田教授
解説
映画では「違い」と共に生きることの大切さが描かれました
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