TUFS Cinemaヨルダン映画『インシャッラー・ワラド』上映
2026.07.23
2026年7月10日(金)、東京外国語大学プロメテウス・ホールにて、TUFS Cinemaヨルダン映画『インシャッラー・ワラド』の上映会を開催しました。
タイトルは「きっと男の子だろう」を意味します。イスラーム法にもとづくヨルダン相続法において、夫が亡くなった場合、子どもに男子がいなければ、遺産の結構な割合が夫の親族(映画の場合、夫の兄弟リフイーと姉妹たち)のもとに渡ることになります。夫の死後、リフイーから無理難題を押し付けられた寡婦ナワールは、一人娘ノラとの生活を守るため、裁判官の前で、咄嗟に「妊娠しています」と言ってしまいます。確かにナワールは、夫と「2人目妊活」をしていました。けれど、妊娠検査キットでは結果は出ていません。「神さまがお望みならば(インシャッラー)」のことを実現すべく奔走するナワール——いったい、どうなるのか??
映画は110分でしたが、テンポよく話が進み、時間を感じさせない作りでした。それでも、相続や裁判の話が前触れなく出てきたので、上映後の解説では、本学の竹村准教授がヨルダンの相続法と裁判所の仕組みを説明しました。また、ナワールは作中、ヨルダンの首都アンマンを、車やバスで、時に徒歩で、動きまわります。そうしたアンマンの地理を、同国の社会経済に詳しい臼杵悠氏(日本学術振興会特別研究員RPD/上智大学)に解説いただき、画面にどの風景がなぜ映されたのか、を読み解きました。
会場には、学内外から170人を超える来場があり、質問やコメントが多く寄せられ、充実した会となりました。
なお、今回の作品上映に際し、本学アラビア語専攻の学生11名が日本語字幕の制作を手掛けました。字幕特有の文字数制限に試行錯誤しながらも、困難な状況で用いられる慣用表現「ラー・ハウラ・ワ・ラー・クゥワ・イッラー・ビッラーヒ(アッラーの許以外に力も権能もなし)」を「やれやれ」の4文字に訳すなど、学生たちの柔軟な発想と工夫が活かされた翻訳となりました。
(文:竹村和朗)
お問い合わせ先:
TUFS Cinema事務局(東京外国語大学 広報・社会連携課)
Email: tufscinema[at]tufs.ac.jp([at] を @ に変えて送信ください)