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民族衣装の魅力を発信!~外語祭実行委員会企画局が行う取り組みとは?~

外大生インタビュー

「世界の民族衣装を旅しよう」シリーズ企画第2弾では、外語祭実行委員会(通称「外実」)とのコラボ記事をお届けします。外語祭実行委員会は、外語祭本部企画「TUFS Magazine-見てみよう☆民族衣装-」や「着てみよう☆民族衣装」、「世界の民族衣装ファッションショー」などの活動を通し、民族衣装の魅力を広く発信する取り組みを推進してきました。そこで今回は外実企画局から、都倉(とくら)ななかさん(言語文化学部フランス語3年)と込谷優紀子(こみやゆきこ)さん(言語文化学部イタリア語2年)のお二人にインタビューし、それぞれの民族衣装企画の概要や創始された経緯、お二人が持つ民族衣装そのものへの思い入れなどについてお話を伺いました。

インタビュー・取材担当

取材担当:国際社会学部中央ヨーロッパ地域/チェコ語2年 金澤鼓(かなざわつづみ)さん
記事担当:言語文化学部中央ヨーロッパ地域/ポーランド語2年 山口紗和(やまぐちさわ)さん

外実企画局が携わる3つの民族衣装企画

―――ではまず「着てみよう☆民族衣装」の企画について教えてください。

この企画は、来場者のみなさまに衣装を一着選んでもらい、その場で着てもらって、写真撮影をするという企画です。参加者のみなさまに異文化を肌で感じていただきたいという思いから生まれました。詳しい記録は残っていないのですが、少なくとも10年は続いている企画だと思います。2021年度外語祭では、人数制限の影響を受けましたが、平均して1日50人以上、多い日だと70人近くのお客様にご来場いただきました。

2018年度外語祭での、「着てみよう☆民族衣装」企画の様子

―――かなり大盛況だったのですね。ちなみに企画で使用する民族衣装はどのようにして集めたのですか。

本企画で提供している民族衣装は、すべて寄付によって集まったものです。2021年度は2名の方からたくさんの衣装をいただきました。Web上で寄付を募っていて、今も倉庫には100着以上の民族衣装を保管しています。多くの衣装の中から自分好みのものを選んでお客様に提供できるのが、民族衣装企画の担当として一番楽しいところではないかと思っています。

―――主催する側として、本企画に携わって感じたやりがいはありますか。

都倉さん:私の場合は、自分たちの代が中心となって企画を運営していくはずの2020年に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で外語祭がオンラインになってしまったことから、本当は外実を辞めようと思っていました。しかしながら、自分が思い描いていた企画を実現できなかったことへの未練が大きく、2021年度も外実に残りました。だからこそ、2021年度外語祭が対面で開催され、多くの方が民族衣装企画に足を運んでくださり、笑顔になっていただけたことがすごく嬉しかったです。お客様が民族衣装を実際に着用して、「可愛いね」などと言いながら笑顔で写真を撮っている様子を見るのが、担当として幸せな時間でした。

込谷さん:私にとっては、企画運営に携わる中で、自分の想像とは違ったきらびやかな衣装があることなど、民族衣装についてたくさん知れたことと、本企画を対面開催できて、お客様の楽しむ姿を見られたことが大きなやりがいになりました。

―――オンライン企画「TUFS Magazine-見てみよう☆民族衣装-」についてもお伺いしたいと思います。こちらの企画は昨年度から始まったばかりとお聞きしたのですが、具体的にはどういった内容のものでしょうか。

こちらの企画は、コロナウイルスの影響を受けて体験型企画だった「着てみよう☆民族衣装」の実施が難しくなった際、これまでの企画を廃止することなく何かを残したい、民族衣装について多くの人に少しでも知ってもらいたいという担当の想いから生まれたものです。キャンパスに来られない方にも民族衣装企画を楽しんでもらうため、例年作成していた衣装表を基に、民族衣装の名前、どのような時に着るか、おすすめポイント、また担当がその衣装を実際に着用した写真などをまとめたものをオンライン上で掲載しました。

―――オンライン上で民族衣装の見た目や手触りといった魅力を伝えるために、どのような工夫をしましたか。

今までの衣装表は、「着てみよう☆民族衣装」企画の待ち時間に、レストランのメニューのような感覚でお見せし、来場者のみなさまにどのような衣装を着たいか考えていただくための、民族衣装の名前と国名を紹介するだけといった簡素なものでした。それを本企画内では、民族衣装をどんな風に着るか、どのような時に着るのか、またどのような素材から作られているのかといったことなどについて詳細を書き加え、より充実した内容のものにしました。例えば、フィリピンの「ツェルノ」という衣装はパイナップルなどの繊維からできていることを紹介しました。また、衣装の一部をクローズアップした写真を掲載し、デザインのとくに素敵なところが伝わるようにしました。

―――外語祭とは別のイベントになりますが、「世界の民族衣装ファッションショー」企画についても少しお聞かせください。

府中市市民活動センター「プラッツ」と外語祭実行委員会がコラボし、第7回府中市民協働まつりの中で行われた、今年度初めての企画になります。外実広報局が地域との繋がりを深めるために提案しました。「着てみよう☆民族衣装」企画で使用していた民族衣装を数着貸し出し、東京外大生と府中市民の方がモデルとなってファッションショーを行いました。

(イベントの様子はこちらからご覧ください。→https://youtu.be/LTwGBoZk6ig

民族衣装愛を語る

―――ところでお二人はなぜ外実企画局に入ろうと思われたのですか。

都倉さん:私が民族衣装に関心を持ったのは受験生の時でした。普段あまり目にしないものだし、自分の知らない世界が広がっていることを体感してみたかったのだと思います。そんな時、外語祭で「着てみよう☆民族衣装」という企画があることを初めて知りました。ぜひ行ってみたいと思ったのですが、当時は残念ながら日程が合わずに断念していました。この未練が強く残っていたことがきっかけで本企画に運営として携わってみたいと思い、外実企画局に入りました。

込谷さん:高校の文化祭実行委員が頑張っていたのを見て憧れを抱いたのをきっかけに、大学では自分も同じような活動をしてみたいと思って外実に入りました。ドレスなど、普段着ないような特別感のある衣装が好きだったので、企画局で民族衣装の企画に携わることを選びました。

―――お気に入りの民族衣装はありますか。

都倉さん:私は刺繍が可愛いルワンダの「イミシャナナ」が好きです。イミシャナナは、昨年度本学とは関わりのない方に寄付していただき、今年度の「着てみよう☆民族衣装」企画で貸し出しを行いました。私自身も「TUFS Magazine」企画の撮影で着用したことがあります。お客様に好評で、楽しんでいただく機会が多かったことから、思い入れのある一着になりました。

込谷さん:私のお気に入りはアラブ諸国で着られている「アバヤ」です。本学に寄付していただいたアバヤは、黄色の上着に紫のスカートという色鮮やかなもので、スカートのフリルの上にきらびやかな刺繍があり、ドレスのような華やかさが好きです。1度だけ着てみたことがあるのですが、お姫様になったような気持ちになりました。

左:イミシャナナの拡大図、右:着用した様子
左:アバヤの拡大図、右:着用した様子

―――民族衣装企画に携わる中でどのような意義を感じますか。

都倉さん:民族衣装企画は、私が参加者であった場合も参加したいと思えるような、とても魅力的な企画だと思います。この衣装はどの国のもので、どういう経緯から生まれ、どういった時に着るのかを、企画を見た人に考えてもらえるような、一歩深く踏み込んだ説明を加えている内容であることに意義があると感じます。

込谷さん:民族衣装を着るということは、異文化に関わる中で最もハードルが低いことの1つだと思っているので、普段触れないような文化に触れる機会として続けていく価値があるように感じます。外語祭の一角をカラフルに彩る企画としての魅力も大きいと思います。

おわりに

―――今後、民族衣装企画をどのように発展させていきたいと考えていますか。

都倉さん:オンライン企画が発展すれば、民族衣装体験の幅がより広がると考えています。例えば、私たちが持っている民族衣装をVRで着られるようになるなど、新しい楽しみ方がいろいろできるようになるのではないでしょうか。普段は目にすることができないような民族衣装を来場者のみなさまに着てもらい、楽しんでいただくというコンセプトは忘れずに、企画としてさらに進化していけるとよいと思います。

込谷さん:今年度は新型コロナウイルス感染対策のため、貸出できる衣装を絞った形でお客様に提供していました。そのため、私たちが持っている民族衣装をすべてお出しすることができなかったのが心残りです。来年度以降は、さまざまな地域の衣装をもっとたくさん提供できるとよいと考えています。また、「見てみよう民族衣装」というオンラインコンテンツもぜひ引き継いでいきたいです。来年度以降も対面企画とオンライン企画それぞれのよいところを活かし、さらにパワーアップした内容をみなさまにお届けしたいです。

―――最後に、この記事を読んでくださるみなさまに向けたメッセージをお願いいたします。

都倉さん:今年度民族衣装企画に携わってくださったすべてのみなさまに感謝申し上げます。来年度以降も後輩たちがさらにパワーアップした企画を提供してくれると思うので、ぜひよろしくお願いいたします。

込谷さん:今年度外語祭の民族衣装企画に来てくださったみなさま、またオンラインコンテンツを見てくださったみなさま、本当にありがとうございました。来年度以降もこれらの企画は継続すると思いますので、またみなさまに楽しんでいただけるように頑張ります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

インタビュー後記

外語祭実行委員会のお仕事は、やりがいを大きく感じられるものだということが分かりました。お話をしている時のお二人の表情は本当に生き生きとしていて、楽しんでお仕事をされている様子が伝わってきました。私も今年度外語祭で「着てみよう☆民族衣装」企画に参加したのですが、普段着ることのない民族衣装を着ることができ、束の間の非日常体験を得ることができたように思います。こうした素晴らしい企画が、今回取材したお二人をはじめ、外語祭実行委員会の尽力によって成り立っていることに感銘を受けました。今後も民族衣装が世界の多様性に触れる第一歩としての役割を果たしていけるよう、より多くの人に魅力が広まることを願います。

記事担当:山口紗和(言語文化学部ポーランド語2年)

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