教育目標、及び、学位プログラムに関する基本方針

大学院の教育目標

東京外国語大学総合国際学研究科は、高度な言語運用能力や学際的応用力等を備え、国際社会に寄与する実践的知識と技法を習得し、世界に活躍することのできる創造的かつ先端的な、研究者や高度職業人を養成することを目指します。

ディプロマポリシー

総合国際学研究科博士後期課程は、各プログラム分野で以下の能力と必要な学識を身につけたことで学術的な貢献をなし得る高い研究能力をそなえ、学位論文の審査及び最終試験に合格した者に、博士(学術)の学位を授与します。

・世界言語社会専攻

(1) 世界諸地域の言語の高度な運用能力と、地域の文化・社会に対する深い知識・知見。
(2) 言語研究、文学・文化研究、地域研究、国際関係研究、紛争・平和構築研究の領域における高度で専門的な知見と研究力。
(3) 現代社会における諸課題を複合的・総合的に捉えることのできる力。
(4) 海外での研究経験により養われた、バランスのとれた国際感覚。
(1)~(4)の能力に加えて、各プログラムでの専門性を身に付けさせます。

・言語文化研究プログラム
地域言語と事情知識を得て、対象となる言語や文化を理解するための高度な言語能力。
言語と文学・文化に関する高度な研究能力。

・国際社会研究プログラム
地域社会と事情知識を得て、対象となる地域事情や専門分野を理解するための高度な言語能力。
世界諸地域の歴史や社会、国際社会の諸問題についての複合的・総合的な研究能力。

・Peace and Conflict Studiesプログラム
平和構築学の分野における諸課題の実践的な解決能力。

・アジア・アフリカフィールド研究プログラム
言語学研究、人類学研究、地域研究分野に通貫するフィールドワークについての専門知識と手法。


・国際日本専攻

(1) 日本に関する分野の専門知識を備えると同時に、広く日本を俯瞰し、世界の中での日本を論じることのできる能力。特に、留学生の場合は、研究遂行に必要なレベルの高度な日本語力と、日本社会への理解力。

(2) 日本語研究、日本語教育研究、日本語文学・文化研究、日本歴史社会研究、日本政治経済研究などに関する、高度で専門的な知見と研究力。

(3) 海外の日本研究・日本語教育機関において、「日本」「日本語」を教授することのできる総合的な日本理解と教育力。

カリキュラムポリシー

総合国際学研究科博士後期課程は、世界言語社会専攻と国際日本専攻のいずれも、体系的かつ柔軟な教育課程の編成を実現し、ディプロマポリシーに挙げる人材の育成を実現します。

学位論文の提出にあたり、所定の学科履修も含めて各自の計画にそった研究を進行させる枠組みを設けています。学生ごとに指導委員会が設けられ、指導委員会による面接指導を行います。さらに、学位論文審査委員会による論文審査および公開の口頭試問を実施します。

・世界言語社会専攻

世界言語社会専攻は、言語文化研究プログラム、国際社会研究プログラム、Peace and Conflict Studiesプログラム、アジア・アフリカフィールド研究プログラムの4つのプログラムを設け、言語、文学・文化研究の分野、地域、国際関係の分野、紛争・平和構築研究の分野、アジア・アフリカフィールド研究の分野に対応する教育科目群を提供します。

・言語文化研究プログラム
「ヨーロッパ・アメリカ言語論」、「アジア・アフリカ言語論」の科目を通じて言語研究の能力を育成します。
「ヨーロッパ・アメリカ文学・文化論」、「アジア・アフリカ文学・文化論」の科目を通じて地域の文学・文化に関する研究能力を育成します。
「言語学」、「言語情報学」、「音声学」等の科目を通じて汎言語分野の研究能力を育成します。
留学制度・国外での研究発表・地域調査などを通じて、国際的な研究経験を充実させます。また複数の教員による研究指導体制と面接指導などを通じて研究指導を行います。

・国際社会研究プログラム
「ヨーロッパ・アメリカ地域研究」、「アジア・アフリカ・オセアニア地域研究」の科目を通じて地域の諸問題に関する研究能力を育成します。
「現代世界論」、「国際関係論」の科目を通じて、世界諸地域の歴史や社会、国際社会の諸問題に関する研究指導を行い、現代世界や国際関係分野の複合的・総合的な研究能力を育成します。

・Peace and Conflict Studiesプログラム
「Applied Peacebuilding」、「Conflict and Social Change」及び「Foundation for Peacebuilding」の科目を通じて、紛争・平和構築の分野における諸課題の解決能力育成を目指して研究指導を行います。本プログラムの授業はすべて英語で行われます。

・アジア・アフリカフィールド研究プログラム
アジア・アフリカを対象に、フィールドワーク手法を特色・強みとする言語学研究、人類学研究、地域研究分野で研究指導を行います。

・国際日本専攻

国際日本専攻では、総合的な日本研究の視野を涵養しつつ、本専攻の研究領域(日本語研究、日本語教育研究、日本語文学・文化研究、日本社会研究)に応じた体系的な研究指導を行います。
留学生に対しては、個別の授業における発表・討論、レポート執筆などをとおして、研究遂行のための高度な日本語力や日本社会への理解力を涵養します。

4つの研究領域に合わせて大きく4つの分野に関する授業を開きます。日本語研究領域においては「日本言語論」で文法・語彙・方言等を講じます。日本語教育研究領域においては「日本語教育論」「言語教育論」で、日本語の教授法をめぐる諸問題のみならず、第二言語習得研究、語用論・認知意味論とその教育への応用等を教授します。日本語文学・文化研究領域においては、「日本語文学・文化研究」で古典文学、近代文学の分析方法を体得させます。日本社会研究領域では「日本歴史社会論」「日本政治経済研究」で現代日本社会の諸問題や思想史、経済史、外交史等を教授します。

個別の研究領域に関する授業のほかに、必要に応じて他分野、さらには他専攻の授業も一定単位数履修させます。こうして、学位取得後、海外の日本研究・日本語教育機関において、「日本」「日本語」を教授できる総合的な日本理解と教育力を育成します。

アドミッション・ポリシー

本研究科に入学し教育を受けるには、世界諸地域の言語・文化・社会の仕組みを解明する諸学問分野や、国際的な諸問題を超域的な視点から扱う諸学問について、あらかじめ十分な基礎知識を修得していることが望まれます。また、グローバル化する世界の諸課題に対応するために、学際的・分野横断的な研究をも行いうる柔軟な思考力と強い問題意識を有していることが期待されます。
4月入学者募集入試は、筆答試験により専門分野における研究に必要な基礎的知識、口述試験では論文と研究計画書により研究遂行能力、及び適性や意欲を見ることで、総合的に判定します。(4月入学)
10月入学者募集入試は、提出された研究計画書、論文、及び面接試験などにより、研究遂行能力、及び適性や意欲を判定します。なお、世界言語社会専攻の10月入学者募集入試には、Peace and Conflict Studies分野を志願する人、出願時において日本国を含む各国政府機関や国際機関等の正規の職員として日本国以外で勤務中の人などが志願できます。

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