研究科長メッセージ
大学院総合国際学研究科長
鈴木 義一
東京外国語大学の大学院は、1966年に大学院外国語学研究科修士課程が設置され、アジア、ヨーロッパ、アメリカの諸地域の言語・文化を研究・教育する拠点の1つとしてスタートしました。1977年には大学院地域研究研究科が設置され、言語・文化と地域研究の拠点という現在の大学院の基本構造が確立されました。そして1992年の改組により、大学院地域文化研究科博士前期課程・後期課程が設置され、研究者養成の機能を拡充することになりました。さらに2009年に現在の大学院総合国際学研究科に統合・改組され現在に至っています。
大学院総合国際学研究科は、世界の諸地域の言語、文化、社会を学際的・総合的に研究する人文科学・社会科学の分野の大学院です。学生数・教員数でみると小規模な大学院ですが、研究対象の言語・研究対象地域は広大です。また、日本研究・日本語教育の国際的拠点ともなっています。このような広範囲の研究・教育は国内外の高等教育機関との連携、日本銀行金融研究所、日本貿易振興機構アジア経済研究所などの研究機関との連携によって実現しています。
人文科学・社会科学の分野の大学院でもすでに、次世代の研究者養成とともに修了後に企業等で活躍する高度職業人の養成が求められています。本学でも、博士前期課程の学生の約半数が修了後に政府機関・民間企業に就職しています。本学大学院は、こうした経済・社会の変化の中で、高度な研究力とともに実践力を有する人材、深い洞察力と広い視野を兼ね備えた人材の育成に取り組んでいます。