研究科長メッセージ

青山 亨

大学院総合国際学研究科長

青山 亨

近年、AIに代表される情報技術の急速な発展や人・もの・情報・資本のグローバル化の拡大が進んでいます。大量のデータが溢れかえる一方で、ともすれば自分が知りたいことだけしか理解しようとしない風潮のなかにあって、今こそ再評価をしなければならないのは、深い教養と広い視野のもとで、人・文化・社会の本質的な意味と価値を考える力、すなわち「人文学の知」であると思います。

東京外国語大学の大学院総合国際学研究科は、このような人文学の知の探究を前提に、世界諸地域の言語の運用能力を基礎とした、言語・文化・社会をめぐる個別的かつ総合的な研究の伝統を特色とする教育機関です。修士の学位(学術、文学、言語学、国際学の4分野)を授与する2年間の博士前期課程と博士の学位(学術)を授与する3年間の博士後期課程からなる2つの課程で構成されています。

本研究科は、1966年の設置以来、時代の変化に応じて刷新を図ってきました。2016年度には博士前期課程を、2018年度には博士後期課程を改編し、それぞれに「世界言語社会専攻」と「国際日本専攻」を設置しました。この結果、言語文化学部と国際社会学部が前者に、国際日本学部が後者と接続することで、学部と大学院のつながりを明確化しました。

世界言語社会専攻では、多様な問題に対して、俯瞰的な視点によって物事を捉える総合力と、コミュニケーションやコーディネーションの具体的な実践力を併せもった人材の養成を、国際日本専攻では、国内外の先進的研究者を招聘して、世界の中の日本を客観的な視座から理解し、世界に向けて日本を発信できる人材の養成を目指しています。

そして、2019年度には、西東京の国立3大学である本学、東京農工大学、電気通信大学が文系と理系の垣根を越えて手をつなぎ、全国でもユニークな「共同サステイナビリティ研究専攻」を設置します。この博士後期課程のみの専攻では、貧困、紛争、食料・資源、エネルギー・環境、情報・ICTなどの地球規模の課題の解決に貢献できる文理協働の博士人材の養成を目指します。

また、博士前期課程を修了したのち社会で活躍しようとする院生を支援するための「キャリア・プログラム」や「専門領域単位修得証明制度」を設けています。さらに、研究科の新たな飛躍を目指して、院生の研究活動を研究科全体で体系的に支える「学内学会」の構築や、国内外の高等教育機関との間で学生の移動を促進するための仕組み作りを進めています。

このように常に生まれ変わっていく本学大学院において、新たな視点による世界と日本についての理解を探求し、「総合国際学」をさらに深化させようとする私たちのチャレンジに、みなさんが熱意をもって参加してくださることを心より願っています。武蔵野の落ち着いた雰囲気が残るこの府中キャンパスで、充実した大学院生活を送ってください。

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