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 東京外国語大学「日本専攻」の歩み

4. 日本語学科の時代

目次
日本語学科の設置
日本語学科のカリキュラム



・日本語学科の設置

 1984年中曽根内閣が打ち出した「留学生十万人計画」は、留学生受入れ政策に大きな転換期をもたらします。文部省国際学術局は2000年に必要な日本語教師を2500人と試算し、 国立大学に受入れ体制の拡大と、教師養成課程の新設を早期に実現するための措置を進めます。この動きは日本人学生の定員化を目指していた本学に、新たな「日本語学科」を誕生させる契機となりました。
 1985年4月本学は、特設日本語学科を改組し、「日本語学科」を発足させます。改組申請時に、本学は学科定員を日本人学生・留学生ともに各15名、計30名として文部省に申請しますが、 文部省は留学生数の削減を認めず、従来の留学生30名に日本人学生15名を加えた計45名(計180名)で承認します。ここに念願であった留学生と日本人学生がともに学ぶ日本語学科が誕生しました。



1985年外語祭語劇
1980年外語祭 1985年外語祭
語劇パンフレット
1990年3月見学旅行岩倉・片品スキー

・日本語学科のカリキュラム

日本語学科の最大の特徴は日本人学生が入学した点にありました。しかし特設日本語学科時代より日本人学生受入れのためのカリキュラム整備を進めていたこともあり、日本語学科への改組に伴うカリキュラムの大幅な変更はなく、従来の4講座(日本語学第一、日本語学第二、言語学、日本事情)に新たに「日本文化」、「日本語教授法」の2講座を増設し、学科目の充実を図る形での改編が行われました。
 他方で、日本人学生と留学生とでは基礎段階の履修科目に違いが設けられました。とくに日本人学生に対しては1・2年次の「対照語学演習」としてタイ語(当初はアラビア語)と朝鮮語を履修させることで、外国語として日本語を捉え、日本社会を相対化してみられるように企図したものでした。


(表5)日本語学科における外国人学生・日本人学生の「日本語」授業科目(窪田富男「特設日本語学科から日本語学科へ」『特設日本語学科年報 九』1985年)




    
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