学長あいさつ

多様性を力に変え、多文化共生に寄与する東京外国語大学へ

世界の言語・文化・社会を教育・研究する東京外国語大学は、世界の多様性をその存在の前提としています。世界の多様性の源である言語・文化・社会の諸現象を扱い、その特性や変化、互いの関係、接触や衝突の諸相を解明します。そして、それらの知識を踏まえ、異なる言語・文化・社会の間の仲介者となる人材の養成に力を注いできました。世界の一体化に反比例し、世界の多様性に関する本学の教育・研究の意義はより大きくなっています。なぜなら、一体化の進捗に伴い、多様性はさらに顕著になり、調整や仲介の必要は、ますます大きくなっているからです。
 そして、私たちは、調整や仲介をするのみならず、接点に立つ立場を利用し、多様性を力に変えていく存在でありたいと願っています。世界には、多くの「差異」が存在します。言葉の違い、文化の違い、民族の違い、宗教の違い、性差、年齢差、貧富の差などなど。このような中で、相手に関する知識を備え、差異とされるものの源泉と背景をさぐり、それぞれ立場をおもんばかる態度は、差異を乗り越えるために不可欠です。それを基礎とし、相手に対し想像力を働かせるなかから、多様性を力に変えていく道が、必ず開けていくと確信します。
 私たちの求める多文化共生とは、そのような意味においての共生です。差異のあるものを、隔離するのでも、同化を強要するのでもなく、差異を包括した、新たな展開を生み出す第三の道の成否が、これからの世界の在り方をきめていきます。その進捗に貢献することが、これからの東京外国語大学の使命です。教育、研究、社会貢献のそれぞれの面で、多様性を力に変え、多文化共生に貢献する活動を本学の中核と位置付け、東京外国語大学の機能の強化に努めていきたいと思います。

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