製品の向こうに、
まだ見えていない
世界がある。
人文学の視点から、企業の製品や事業を取り巻く世界を捉え直す。
そこから始まる、大学との共創。
製品を考えることは、
人間の営みを考えること。
食べる。移動する。伝える。装う。
誰かと過ごす。
企業が提供する製品やサービスは、機能や性能だけで成り立っているわけではありません。人々の習慣や価値観、記憶、文化、人と人との関係のなかで使われ、意味を持っています。
人文・社会科学の研究は、そうした人間の営みを、言語、文化、歴史、社会のあり方から読み解いてきました。企業が見つめてきた対象を、異なる角度から捉え直す。その出会いから、これまで企業も大学も考えていなかった問いが生まれます。
それは、既存の製品を改良するための知識を得ることにとどまりません。企業が何を扱い、誰のどんな世界と関わっているのかを問い直す機会でもあります。
「おいしい」を、
味覚の評価のその先へ。
たとえば、私たちにとって身近な「おいしい」。しかし、同じ言葉を使っていても、そこに込める意味は文化や経験によって違うかもしれません。食べ物をめぐる評価には、身体の状態、記憶、家族との関係、地域の暮らしが重なっています。
キッコーマン株式会社おいしさ未来研究センターと東京外国語大学は、世界の「おいしい」を手がかりに、食を人々の暮らしや文化、人と人との関係のなかで捉える共同研究を進めています。
文化研究プロジェクト
キッコーマンおいしさ未来研究センター × 東京外国語大学 TReND 協働研究プログラム
2026年2月 相互協力協定締結 / 博士後期課程の学生4名が研究を実施
プロジェクト・成果発表会について ↗食を製品開発や消費行動だけでなく
人間の営みとして捉え直す。
その視点が、企業の「おいしさ」の研究にも
新たな問いを投げかける。
答えを受け取って終わりにしない。
学生の自由な探究を支えながら、企業と大学もその研究に関わる。研究奨励費・研究費による支援と、対話・伴走を組み合わせた仕組みが、キッコーマンとの共同研究の特徴です。
テーマを共有する
企業と大学が、互いの関心が出会う大きなテーマを設定します。キッコーマンとの研究では「おいしさと言語・文化」。答えをあらかじめ定めず、研究の広がりを残した入口をつくりました。
学生自身が問いを立てる
学生が自らの専門や問題意識をもとに研究を提案します。企業と大学が審査に関わり、異なる切り口を持つ4件を採択。企業が調査内容や結論を指定するのではありません。
研究奨励費で、探究を支える
研究に取り組む学生には、研究奨励費を拠出することで、学生の研究環境を整えました。
ともに考え、問いを育てる
企業側と大学側が成果や視点を共有する機会をつくります。異なる知が対話する過程そのものが、この共同研究の中心です。
成果を共有し、次の探究へ
研究の継続が期待される課題には研究費を支給する仕組みを設けています。2026年11月13日には、研究成果発表会と授賞式を開催予定です。
※採択件数や支援金額は、2026年度のキッコーマンとの共同研究の事例です。企業ごとの新たな協働では、研究テーマ、募集方法、支援規模、実施期間などを対話しながら設計します。
人文学との出会いが、
企業の問いも変えていく。
人を見る視点が変われば、
製品を見る視点も変わる。
企業には、製品や市場を知り尽くしてきた経験があります。大学には、人や社会を別の文脈から問い続ける知があります。どちらか一方が答えを渡すのではなく、互いの知を持ち寄ることで、自分たちの当たり前が揺さぶられます。
そこで生まれるものは、すぐに製品になるとは限りません。しかし、これまで見えなかった価値や、次に探究すべきテーマに気づくことは、企業が未来を考えるための力になるはずです。
学生にとっても、自分の研究が社会の異なる立場の人と出会うことで、問いが深まり、研究の可能性が広がります。
新しい問いから
未来をひらく。
食品だけでなく、移動、住まい、コミュニケーション、文化、地域など、さまざまな事業に人文学と出会う可能性があります。
まずは「自社のこのテーマを、異なる視点から考えてみたい」という関心から。研究テーマが決まっていなくても、共同研究の形を一緒に検討できます。
企業との新しい共同研究のご相談
関心のあるテーマをお聞きし、学生の研究公募、研究奨励費による支援、対話の場や成果共有など、協働のかたちをご相談します。
共同研究について相談する ↗東京外国語大学 学際研究共創センター TReND
2-trend@tufs.ac.jp