MIRAI推進室の久納です。
前回の記事を改めて見返して、更に思うことが出てきましたので、まさかの第2回となりました。
まだお読みでない方は、前回記事を御覧ください。
前回記事同様、「ここ数年あちこちで見られるようになった「イノベーション」という言葉ですが」で始まります。
イノベーションとは、革新的な技術や発想で社会に(大きな)変化をもたらすことです。(・・・ですよね?f^^;)
そのため、前回は「AIイノベーションは起きてしまっている」と書かせていただきました。
そして最後に触れました「イノベーションのジレンマ」、今回はここを軸に記事にしていこうと思います。
近年、色んなところで{イノベーションのためのAI}のような書きぶりが見受けられます。
もちろん、今後AIを使って革新的なものが生まれることもあるでしょう。
しかしながら、モノによっては「イノベーション」と「ソリューション」を混同しているのではないか?もしくはAIを使ったソリューションをイノベーションと勘違いしているのではないか?と思う記述が散見されます。
みなさんご存知のとおり、ソリューションとは課題解決のための技術・発想です。一見イノベーションと似たようなものですが、イノベーションは「課題解決」が目的でないことがほとんどです。どちらかというと{新しい発想で思いがけず生まれた便利な技術・発想}と考えたほうが自然ではないかと思います。
このように考えていくと、イノベーション技術(前述に合わせるとAI)でソリューションを考える行為は、イノベーションのジレンマで言うところの「イノベーション技術の発展に固執してしまう」と同義ではなかろうか、と感じてしまいます。
AIはまだ未知で、様々な用途があります。AIを使うことで新たなイノベーションが発生する可能性を否定することはできませんが、社会全体がソリューションとイノベーションを混同して考えてしまうと、次に発生するイノベーションの時も我が国は後塵を拝することになることでしょう。
では、「AIを使ったソリューション」が不要なのか?というとそうでもなく、むしろAI技術の利用はまだまだ黎明期であるため、どんどんAIを使い、どのように社会に役立てるかを考える時期だと思います。また、ソリューションを考えていく中で偶発的にイノベーションが生まれることもあります。ソリューションとイノベーションは分けて考えるべきですが、ソリューションを考えていく中でイノベーションが生まれる可能性を否定することもナンセンスでしょう。
どんどんAIを使うべき時代・・・ただし、一部仕事で使っていたりする人以外は、(特にある一定以上の年齢の人は)なかなか手を出していないのが現状でしょう。上位の役職の人ほどそうかもしれません。
う~ん、AIイノベーション、という言葉が悪いのかもしれませんね。「イノベーション技術なんて、自分には無関係だ」と思う人が出てきてしまうのも頷けます。
革新的なものが世に出た場合、社会からは大きな反発を以て迎えられます。
テレビが出てきた時も、インターネットが出てきた時も、携帯電話が出てきた時も、iPhoneが出てきたときも。反抗勢力は多くいました。
(「絶対にスマホなんかに替えない!携帯電話を使い続けるんだ!」と、PHS衰退後に携帯へ乗り換えた人たちが言っていたのが、非常に皮肉が効いていると感じていました。)
しかし、時間が経つにつれその便利さが浸透し、最終的にはみんなが使っている「常識」となっています。
筆者としては、AIもこれと同じ類のように見えてなりません。
まとめますと、
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ソリューションとイノベーションはしっかり分けて考えるべき
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AIソリューションはイノベーションではない。AIソリューションばかり重要視しているとイノベーションのジレンマ一直線
(しかし、ソリューションを考える中でイノベーションが生まれる可能性も)
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ただしAIソリューションは重要なので、この時代を生きる人達はバンバンAIを触りましょう なぜなら、それが「常識」となる日は近いから
となります。(あくまで私見ですが・・・f^^;)
さて、最後にイノベーションを謳う方々に問います。
「あなたが欲しいものはイノベーションですか?それともソリューションですか?」