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2024年11月 アーカイブ

2024年11月14日

仙台行ってきました!

先週末、つまり11月9-10日の土日は東北大学@仙台で社会思想史学会の大会があり、これに参加しつつ二日目の朝にセッションを行ってきた。この時期の東北なので寒いだろうと警戒して行ったが、当日はさわやかな秋晴れ。たしかに朝晩は冷え込んだが、天気予報によれば日中は同日の東京より暖かくなるとのことであった。IMG_2205.jpg たしかに日中はコートもいらないようなポカポカ陽気、そういえば紅葉の季節だった!(写真は川内キャンパスの入口。地下鉄駅から0分)

 セッションの演目はHistory of thoughts and citizen archives: Sustaining the quality of our social life(思想史と市民アーカイヴ: 社会的生の質を保つために)」で、PARCのデジタル・アーカイヴ(拙ブログでもお知らせさせていただきました)が公開されたことのお披露目と、その意味の検討みたいな内容である。当方が世話人をつとめ、報告はPARCの事務局長のゲルさんこと田中滋さんと外大同僚の友常勉さんにお願いし、コメンテーターはPARC創設者の武藤一羊さん、武藤さんの長年の盟友のLau Kin Chiさん、そして友常さんが紹介してくださった Michael Hardtさん(ええ、ネグリ&ハート『帝国』の)の三人にお願いした。けっこう豪華な登壇者ではないでしょうか!
 というわけで英語で、アメリカとの時差のために午前中のハイブリッド開催となった。オンラインはともかく、広い会場に朝から来てくださったのは数名、並行セッションが他に3つあった(当方も行きたかったような面白そうなヤツ)こともあって、まあそんなものかなとは思ったが、拙ゼミ関係者が何人も来てくれたのはとてもありがたかった(くーっ、義理堅い!)。
 内容的には1969年に創刊したPARCの英文雑誌AMPOをめぐり、特にハートさんの近著が1970年代の市民運動論であることもあって、1970年代から1980年代終わりごろまでにかけての、PARCという市民運動の在り方や目線の変化がおもな論点となり、なかなか面白かった。今後何らかの形で記録を形にする予定なので、少しお待ちくださいませー。

IT批評おそるべし?!

連投すみません。ときどき着実に更新すればよいのだが、なかなかその時間がとれずー。そんな折、9月にインタヴューしていただいたIT批評さんのウェブ記事が公開となった。
「東京外国語大学大学院教授・中山智香子氏に聞く」(『IT批評』2024.11.5~11.9)

『IT批評』はその名のとおり、現代のIT関連技術と社会の関わりを考えるウェブ雑誌で、かつての連載インタヴューが『生成AI時代の教養:技術と未来への21の問い』(IT批評編集部編、桐原永叔著、 風濤社、2024年)としてまとめられている。技術的で難しいかと思いきや、インタヴュー形式なので意外と読みやすい。というか、話しの入り口はインタヴューされる人の個人史みたいなあたりから入るというスタイルなので、その工夫のおかげもあるかもしれない。
当方のインタヴューもそこからで、というかその部分が肥大したような内容となった(笑)。たまたま当方、今年カンレキを迎えたところなのだが、なんだか人生を振り返るみたいなタイミングである(?)。
 まーそれはともかく、インタヴューを終えて校正やら何やらこの間にあり、ようやく編集さんから「ウェブ掲載が始まりました」とのご連絡をいただいた先週、その翌日か何かに、職場のエレベーターで乗り合わせた職員の某氏から「先生、文転の記事読みましたよ(フフフ)」と言われ、えっっ?早すぎんか?!と仰天した。いや、依頼が職場の広報係を通してきたものだったから、たまたま知ってたのかなーなどと思ってやり過ごしていたら、先ほどの授業では授業後にある受講生から「先生の恩師の方って札幌南校で教えていらしたんですね」とのコメントが!どえっっ 確かにあのインタヴューにはそんな話も出てくるんだが、しかしなんで若い人も読んでるんだ?!!IT日批評、おそるべし!なのか?!というか、何か当方がわからないところで世界はものすごいスピードで情報を拡散しているのか?!

と、驚きも新たに、慌てて拙ブログを更新している次第であった。
そういえば、もともと依頼をいただいた時のテーマは「アントロポスは変革の夢を見るのか」みたいなもので、おお、鋭いと引き受けたのだが、結果的には「東京外国語大学大学院教授・中山智香子氏に聞く」になっていた。ちーん、あまりにそのまんまではないか...。多少は捻ろうよ...。

2024年11月20日

あやかり同窓会(?)

 昨晩は下北沢で、拙ブログでも告知させていただいたNくんのB&Bのイベントが行われた。日が暮れて気温の下がったシモキタ西口からほとほとと歩いていくと、5分ほどで会場に着いた。ジェントリフィケーション(富裕化)という言葉が頭をよぎる。かつて小汚かったシモキタでよく遊んだ者としては、なんだか違和感がある。Nくんの本は、戦前から戦後にかけての広島の町を素材に、原爆の落ちた町のジェントリフィケーションやスラムの問題を問う意欲作なのだ。まあ、とにかく寒いから中へ入ろう!
 適当に狭くも広くもない会場は明るく暖かかった。Nくんがいた頃のゼミの卒業生が何人も到着し、なんとも懐かしい。それは、かれら・彼女らの卒業後も連絡を絶やさなかったNくんの功績なのだが、あやかりプチ同窓会状態である。他にもNくんの研究仲間たち、出版社のMさんなど、これまた懐かしい顔ぶれがー。一方で、Nくんが先生として指導してきた学生さんたちが(遠方からも!)参加していた。時間は確実に流れているわけである。
 イベントそのものは、登壇者のアーティストのお二人がとても生真面目にNくんの本を読んでコメントをしてくださり、巷の学者たちの(いや、もちろん例外もあるものの)書評会などよりもずっと良心的であった。Nくんは主役のはずだが、二人の登壇者の聞き手のように一生懸命、司会や段取り、タイム・キーピングをがんばっていた。まあ、ほかに司会はいなかったわけだが。それでも、Nくんがかつて研究テーマを定め、やがてこの本に至る研究を進めてきた大きなきっかけとなったアートの作り手と自著について話すことができたのは、やはり幸福な時間であっただろう。おめでとう、Nくん!よかったね!そしてまた、この息苦しい世界で身体を張ってがんばっているお二人のアーティストたちの、キレッキレの頭脳に触れたことにも、たいへんに勇気づけられた。

イベントが終わっての懇親会にも多くの人が残り、Nくんはなおも気丈に気配りを続けていたが、あっという間に夜更けとなった。電車のこともあるのでなかばで失礼したが、ゆたかな体験であった。ゼミ卒業生たちは、みんな立派になって輝いていた。ふー。すごいなー。

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