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往年のヒット作...?

おお、先の日帰り出張から、またまたご無沙汰をいたしました。先週末は、先のご依頼人のご縁の方々から東京での夏季セミナーに呼んでいただき、話しをさせていただいた。つまりは医師、歯科医師のみなさまやその関連のお仕事をされている方々から、新自由主義についての話をというご依頼である。今回は特に「チリの事例に踏み込んで欲しい」という具体的なご要望も事前に頂戴した。
 チリの事例とは、南米チリの1973年9月11日の自由主義クーデター以後の政策のことで、10年前の拙著『経済ジェノサイド』で一章分を割いて論じたテーマである。思い返せば刊行当時、いくつかの場所でその話しをさせていただいたが、その後は次の一歩へと進まねばと、非力ながら頑張ってきたつもりであった。以前の題材を話すことは進歩がないようで、むしろ避けてきた。しかし今回、明示的にご依頼いただいたとあれば...。

 むっっ、この感じ、何かに似ている。少し考えてみるとそれは、(そんなたとえもおこがましいが、)〇白歌合戦で往年のヒット作を歌うか、それとも最近出した必ずしも売れていない(;)作品を歌うかの二択のようだ。歌い手にしてみれば、せっかくの機会だから新しい作品を聞いて欲しいところだが、聞き手はせっかくの機会だからこそ「あの曲を」聞きたいのである。過去に及ばないという忸怩たる思い...。いやしかし、リクエストをいただけるとは光栄ではないか!そんなわけで「む~かしの名前で~出て~い~ま~す~」の気分のもと(?)、拙著やかつてのメモを引っ張り出しつつ準備をした。

 当日、都心の立派なホテルの、思ったよりもはるかに大きな会場でたくさんの方々にご来場いただき(しかもオンラインもあるハイブリッド開催であった)、2時間半夢中で話した。活発なご質問やコメントもいただき、大いに刺激もいただいた。(仕入れた15冊の『経済ジェノサイド』をみなさまにお買い上げいただいた。多謝。またもやサイン会もあった。ひいいっ!今だサインを考えておらず、フルネームの単なる清書、みたいな残念な対応に今回もとどまった)。しかし10年前とは違った角度から自分の仕事を振り返ることができたのは、このような機会をいただいたからこそである。心底ありがたかった。リクエストを下さったみなさまに。心より感謝申し上げたい。

***
そういえば本日、次の拙著の念校ゲラの最終確認打ち合わせが終わった。やれやれ、ひと息である。とはいえ、本は手を離れて世界に出て行ってからこそが心配で、多くの人びとの手に届け!と願うばかりである。あ、テーマは「お金学」ですー。編集のSさんがつけてくださったこの言葉を見るたびに、「ナ〇ワ金融道」を思い出してしまうのだが...。月末には書店に並びますので、お手にとってみてくださいませー!

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2023年7月 5日 23:09に投稿されたエントリーのページです。

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