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性の境界線を超えてWS

総合文化研究所共催 映画上映会&ワークショップ
性の境界線を超えて:マグヌス・ヒルシュフェルトとアヴァンギャルド

http://www.tufs.ac.jp/common/fs/ics/events/event20200217/event20200217.html

日時:2020年2月17日(月)14:30-18:00
場所:東京外国語大学 総合文化研究所 研究講義棟422

プログラム
①14:30-16:00 映画『他の人とは違って』上映会
        映画解説:西岡あかね(東京外国語大学)
②16:00-18:00 ワークショップ
  小松原由理(神奈川大学)
   ダダはクィアか? ヒルシュフェルトと同時代アヴァンギャルド
  熊谷謙介(神奈川大学)
   「男たちの前衛」のなかで:シチュアシオニスムのジェンダー布置をめぐって

主催:研究グループ「歴史的アヴァンギャルドの作品と芸術実践におけるジェンダーをめぐる言説と表象の研究」(科研・基盤B:19H01244 代表:西岡あかね)
共催:東京外国語大学総合文化研究所

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上記の学内のワークショップに参加してきました。

表象文化研究に関しては、全くの門外漢なのですが、
前世紀から、LG団体の片隅でクイア研究的なものを
聞かされてきた身としては、
マグヌス・ヒルシュフェルトという名前が刺さったので
映画を見に、そして、その他のご発表を聴きに行ってきました。

この、Anders als die Andernという映画、ウィキによると(笑)
ゲイを、肯定的に描写した映画としては初めてのものだったそう。
それでも、死が付き纏いますけどね。

動画を探しまくっちゃいました。 http://bit.ly/2vEfSBQ
ドイツ語字幕は、全部は理解できなかったので、
他の言語で見返そうと思います。

欧米に遅れること数年で、日本でも、ゲイが笑われず、
悲劇にも見舞われない作品が
『弟の夫』、『きのう何食べた?』、『his』と出てきています。

ちょうど今、ゲイを笑いのネタにした映画『バイバイ、ヴァンプ』
が大炎上しているところですけれどね。

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ところで、ヒルシュフェルトという性科学者は、女と男という隔絶した
2項対立があるのではなく、どんな個々人も、m%の女性性と、
n%の男性性を持っていると唱えていました。

その割合が変わってくると、LGが出てきたり、
トランスが出てきたりすると考えていた模様です。

そして、20世紀の初頭から、同性愛は、治療できるものではない
と主張していた。

ドイツとその周りでは、そういう主張もいくばくかの影響力を持って
いたんでしょうね。

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他方、アメリカ合衆国では、同性愛の、conversion therapyというのを
信奉するキリスト教会や、親御さん達がいて、多くのLGが被害に逢いました。

その非合理性を描写する映画『ある少年の告白 Boy Erased』が
あります。

http://www.boy-erased.jp

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米国はそんなでしたが、欧州では、チェコにも、conversion therapy
に反対する医師Kurt Freundが、20世紀半ばにいました。

Kurt Freund: The Beginning of the End of 'Gay Conversion Therapy' in the 1950s
https://brewminate.com/kurt-freund-the-beginning-of-the-end-of-gay-conversion-therapy-in-the-1950s/

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ところで、ヒルシュフェルトによる、女と男という隔絶した
2項対立があるのではなく、どんな個々人も、m%の女性性と、
n%の男性性を持っているという言説、
更には、100%女、100%男というものも存在しない、
全ての人間は女性性と男性性のMischformである
というのは、

エティック・イーミックの見方で捉えれば、
エティックには、女性と男性を両極としたグラデーションが
あるだけであり、

イーミック的な認識という切り取りによって、
「女」と「男」がカテゴライズされるということ
なんだと思います。

その「女」と「男」というカテゴリーしか安定して存在しないところに、
(その中間相も、様々な時代の様々な文化では、個々にカテゴライズ
 されていますが、)

今、現代では、「ノンバイナリー」というカテゴリーや、
「Xジェンダー」という(これは日本的な?)カテゴリーが出てくる
ことによって、積極的にMischformを表現する人たちが出てきています。

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トランスジェンダー(or トランスセクシュアル)であっても、
例えばユーロビジョンで、20世紀末に、
ダナ・インターナショナルというイスラエル人MTFが出てきていました。
http://bit.ly/2uS6DOg

トランスと言ったら、基本、MからFへ、また逆にFからMへ
振り切らなければならないという、社会・文化的な圧力のせいもあるのか、
Danaは、MからFに振り切っています。

他方、時代が下って、2014年にユーロビジョンで優勝した
オーストリア代表、コンチータ・ヴルストは、
http://bit.ly/3bKEDwB

女装をしながら、(汚くなく、きれいに)髭を生やしており、
ノンバイナリー的であり、またMischformを積極的に表現しています。

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日本でも、当初、美少年、美青年で売っていた人が、
汚いおっさんにならないために、女性形態に移行した人たちが
いました。

美輪明宏とか、池畑慎之介(ピーター)とか。

他方、ここ近年では、ノンバイナリー(ひいてはMischform)を
表現する、氷川きよしのような人も出てきています。

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英語圏では、「自分が使って欲しい3人小単数代名詞」を
プロフィールに書くことが流行っています。
she/herなのか、he/himなのか、they/them(単数)なのか。

they/themを選ぶということは、ノンバイナリーであるということの
宣言なのでしょう。

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2020年2月18日 11:31に投稿されたエントリーのページです。

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