2018年度 活動日誌
3月 活動日誌
2019年3月
GJOコーディネーター 安 昭映
先日、日本の女子高生からソウルオフィスに韓国への留学についてのお問い合わせのメールが届きました。彼女は高校2年生で海外大学への進学を希望していました。韓国の教育水準が近年高くなったという話を聞いたので留学先候補の一つである韓国外国語大学を見学し、留学生活全般について相談したいということでした。
花冷えする3月の週末に彼女と彼女のお母さんと学内のあっちこっちを30分ほど見て回りました。それからカフェで留学生活について話をしました。彼女は海外の大学で修学をし、卒業後はグローバルな人材になることを目指していました。外国人枠選考について聞かれましたが、行政に関することは私も詳しくないので質問をまとめて外大の「外国人留学生総合支援センター」に相談することにしました。グローバル人材を育成するのを目指している外大が力を入れている分野を紹介しました。彼女が外大で留学したら将来できることについて話しました。学校生活、交友関係、アルバイトなどについてもお話をしました。お母さんは娘さんを一人で海外に送るのですから韓国での生活、ソウルにおいて学校の位置、学校周辺の物価や治安、学校の雰囲気などを説明しました。
日韓関係が悪化している中、韓国に興味を持って留学を考え、積極的に挑む女子高生を見て日韓関係も未来は明るいはずだと思いました。
2月 活動日誌
2019年2月
GJOコーディネーター 安 昭映
日本国際交流基金ソウル文化センターでは日本を知らせるための2つの講座を開いています。「日本地域とことば」というテーマ行われる講座は、毎回47の都道府県のうち一か所を日本語で紹介します。一般財団法人日本自治体国際化協会ソウル事務所と協力して行われます。もう一つは「日本文化講座」で、韓国人の日本文化に対する理解を深めるための講座です。主に日本に関する図書の著者や翻訳家が韓国人の目線で日本の文化についてお話をします。韓国語で行われるので日本語ができなくても日本文化に興味があれば気軽に参加できる講座です。
日本の文化に興味を持っている学生が日本の情報を得るツールは主にネットなので、フェイクニュースに触れる可能性があります。そこで、日本国際交流基金ソウルセンターで開かれる講座は専門家に正しい日本の情報が定期的に得られる機会になれると思い、参加してみました。私が参加したのは岩手県の講座です。韓国語通訳はなく、日本語でだけ行われる講座です。事前にメールで申し込み、当日参加費3千ウォン(約300円)を払いました。参加者はほぼ韓国人で年齢は大学生からお年寄りまで大勢の人が来ていました。
岩手県ソウル事務所の所長が岩手県を紹介しました。岩手県の位置、韓国からのアクセス、グルメ(そばなど)、名所(お寺など)、特色(雪、スキー場など)、方言など内容は豊富で充実していました。特に所長が自ら撮ったスキー場の動画やおそばの写真などはプロが手を加えた格好良い写真より現地の人ならではのリアルな資料だったので印象的でした。後半は岩手県方言かるたでクイズをしました。かるたの岩手県の方言は標準語とはかなり異なったのでみんなかるたの絵を参考に推測して手を挙げて頑張って正解を当てようとしていました。正解を当てた人には所長が岩手県のプレゼントを渡しました。同時に数人が手を挙げたりしてとても盛り上がりました。
プレゼンテーションは写真も添えて行われ、所長もきれいな日本語を駆使するので、中級レベルの日本語能力なら十分理解できるレベルでした。ネットだけを頼りにしがちな環境なだけに専門知識を持っている専門家に対面して情報を得るチャンスをぜひ活用してほしいと思いました。日本国際交流基金ソウル文化センターを知らない学生がほとんどだったので、これからセンターの講座やイベントなどを紹介していきたいと思います。
1月 活動日誌
2019年1月
GJOコーディネーター 安 昭映
去年、韓国の大卒就職率は深刻な状態でした。悲しいことに今年も目処が立たないというニュースをよく目にします。これについて韓国政府は悪くなるばかりの就職率を伸長させるために力を入れています。実際、大学生は就職活動をしてみて不況を実感しているそうです。
韓国のメディアも取り上げましたが、日本の企業が就職説明会を韓国で開き、韓国の有能な人材を探していました。日本語能力のある韓国外大の学生たちは日本の就職先にも目を向け始めました。しかし、日本に就職をするためには何を準備すればいいのかがさっぱりわからないという悩みを抱いているという話を聞きました。
私も日本語を使って仕事をしているし、私の弟も日本で就職して3年前から働いているので私の経験と弟を例に挙げてアドバイスができるのではないかと思いました。そこで、就職に悩みを持っている学生3人と相談の場を設けました。
就職を目前としている今年4年生になる学生か卒業を迎えた学生が相談を受けると予想していましたが、実際来たのは今年3年生になる学生でした。メディアで報じられている韓国の就職率のニュースに煽られて不安感が募るようでした。専攻が日本語であることもあり日本で就職することも念頭に置いているということでした。日本就職のために実際これからすべきことと考えるべきことは何かについてアドバイスをしました。
①日本語を完璧にマスターすること。自由にコミュニケーションが取れるほどの会話能力がないと仕事にならないので、語学能力は一番の条件になります。
②日本の文化への理解。働く=生活なので日本の社会に溶け込むことができるかも重要な条件の一つです。実際、途中で留学を諦めて帰ってくる学生も少なくなったため、自分と日本社会が自分に合うかどうかも確かめるべきです。
①と②を同時に解決する方法の一つは短期留学や語学研修プログラムに参加して日本で過ごしながら日本語を学習してみることです。「暮らす」ということは「旅行」とは全く違うので、短期間でも日本での暮らしを経験することをお勧めしました。
①と②が解決できたら③自分だけの専門知識を習得すること。語学能力はあくまでも知識を伝える時使うツールです。伝える言葉も大事ですが、伝える内容についての知識を培うことも大事だということです。実際、日本語を使った「通訳」、日本語を使った「出版」、日本語を使った「教育」などの仕事に就くが、「日本語」に就く人はいません。それか、日本語と縁がない仕事に就く場合もあります。日本語ができる人は大勢います。アニメでもいいですし、社会問題でもいいですし、とにかく自分が興味を持っている分野の知識を習得し、自分だけのコンテンツを作りましょう。「日本語がしゃべれる」人ではなく、「日本語で伝えられる」人になれるように頑張りましょう。
彼らが就職活動を始めるのは早くて2年半後のことですが、未来への不安感を抱いているせいか焦ってしまうと言っていました。現実的な問題に悩んでいる学生の真剣な話を聞いて胸が痛みました。ソウルオフィスはこれからも日本を紹介するイベントをたくさん企画していこうと思いました。イベントを通じて楽しい思い出もたくさん作って、進路を決める時も役に立ったらいいなと思います。
12月 活動日誌
2018年12月
GJOコーディネーター 安 昭映
*交流会の反省会
先月、協力してくださった皆様のおかげさまで交流会が無事終わりました。韓国外国語大学日本語学科学生会と共同で開催した2度目の交流会でした。去年の交流会のよかった点(席の配置、話のテーマの選定、ランゲージエクスチェンジ交流)と改善点(席のローテーション、2次会参加など)を踏まえて今年の交流会を準備しました。
今年最も大変だったのが参加者募集でした。GJOソウルオフィスが日本人参加者募集を担当しているのですが、去年に比べ参加希望者が少なく、今年はGJOソウルオフィスだけでは力不足だったので東京外国語大学の方々にお願いをしました。去年よりは少人数でしたが、2年連続参加された学生さんは「大人数もとても楽しかったが、少人数はまたひと味違う楽しさがあってよかった」と感想を述べました。ですが、たくさんの留学生に体験していただいたほうがよくないかということで、来年の募集について話し合いました。交流会の場所とスケジュールが決まってから交流会当日までの間が短いので、交流会の案内が当日に迫ってからになるのが一つの問題点として挙げられました。しかし、場所の手配を早めることは校則上難しいし、来年も11月の予定なので、来年からは前もって交流会開催予定の案内をすることにしました。それからできれば交流会に参加された留学生の皆さんにもこれから渡韓する留学生の方々に交流会の話をしていただきたいと思っています。
今年導入したネームカードはよかった点の一つとして挙げられました。少人数とは言え、何人もの名前を一気に覚えるのはさすがに大変なので、国籍と名前を書いたネームカードは意思疎通に役に立ちました。参加者が増えた場合、ネームカードはもっと役に立つと思いました。
学生会は去年からアンケート調査をすることを望んでいましたが、適切な質問の数や長さ、交流会に邪魔になる恐れなどを考えて実施しませんでした。しかし、現場の雰囲気だけで改善策を探すには限界があるので、来年からはアンケート調査を実施することにしました。質問の内容に関するアイディアを共有することにしました。
去年から交流会だけではなく、ソウルオフィスが発信する情報を日本語学科の学生たちに一緒に発信してくれるなど、いろいろとお世話になっていた日本語学科学生会のイ・インスー君が来年兵役(韓国は約2年間の兵役が義務)のため休学をすることになりました。無事兵役を終えることを祈りながら、イ君がいなくても日本語学科とソウルオフィスと連絡が取れるように後任者を紹介してもらうことにしました。
交流会はもはやソウルオフィスにとっても韓国外国語大学の日本語学科にとっても最も重要なイベントの一つになりました。来年も大勢の日韓大学生がお互いを理解し学ぶことのできる有益な場を作るためにGJOはしっかり準備したいと思います。
11月 活動日誌
2018年11月
GJOコーディネーター 安 昭映
2018年度交流会開催
去年に続いて韓国外国語大学日本語学科の学生会と共同で交流会を開催しました。
交流会開催に先立って10月から学生会は韓国人の学生を募集し、GJOソウルオフィスは韓国に留学に来ている日本人の学生を募集することにしました。韓国で日本人の友達と付き合うことはなかなか難しいので多くの韓国人の学生が参加を希望しました。韓国人の学生だけではなく、韓国外国語大学の学内にある韓国語教育院で韓国語を勉強している日本人の学生も参加を希望しました。日本人の学生にとっても韓国人の友達を作る機会がなかなかないのは一緒だなと思いました。ソウルオフィスは東京外国語大学の留学生に交流会の案内メールを送信しましたが、国際化拠点室にお願いして学校側からもう一度メールを送っていただきました。
開催当日、学生会が参加者のおもてなしのためにお菓子や飲み物と参加者の国籍と名前を書いたネームカードを用意してくれました。ネームカードはみんなの名前を早く覚えるのにとても役立ちました。
去年に比べて参加者の人数を少なめに募集しましたが、韓国人の希望者の割合が高いのは去年と変わりませんでした。去年、大勢の人数でわいわい楽しかったですが、今年は少人数な分、一人一人挨拶もできましたし、参加した全員と仲良くなれました。去年は会場で交流会が終わってから晩餐会も開催し、今年は参加者自由に任せました。
交流会が終わったら初めて会った仲とは思えないほどみんな親しくなりました。SNSなど交換してこれからも仲良くしようねと挨拶を交わしました。日韓関係が悪化しているなか、両国の大学生がお互いの文化を尊重し理解を深めるために交流する姿はこれからの日韓関係にいい影響を与えることを期待させるものでした。
10月 活動日誌
2018年10月
GJOコーディネーター 安 昭映
2017年10月、日本からの留学生と日本語を専攻している韓国の学生を招いて韓国外国語大学日本語学科の学生会と共同で交流会を開きました。参加した両国の学生さんから「こういう交流の場が欲しかった」という声が高かったので、韓国外国語大学日本語学科の学生会とGJOソウルオフィスと連帯を作ってこれからも共同で交流会を開くことを約束しました。年が変わり学生会の幹部が新しく構成されてから去年と今年の交流会の企画運営委員と定期的に交流会の企画について話し合ってきました。大体の日程が決まってからはほぼ毎日希望者募集、申込書フォーム、会場手配、交流会の司会・式次などについて協議しています。両国の言語で作成するドキュメント(招待状、交流会申込書、アンケート調査など)の内容を工夫したり修正したりするのに手間がかかりましたが、勉強の一環として良い経験になりました。日程は決まったものの会場の手配が遅れていましたが、まずは韓国に留学に来ている東京外国語大学の留学生に交流会が11月15日に開かれるという趣旨のメールを送りました。
交流会でお互いの文化や言語について話し合うことで友達を作ってランゲージエクスチェンジのパートナに出会ったり、留学生活でのいい思い出をたくさん作ったりしてもらいたいです。さらには両国の理解を深め、友好な日韓関係に貢献できる人材になるきっかけとなる場になることを願っています。
9月 活動日誌
2018年9月
GJOコーディネーター 安 昭映
1.日韓交流お祭り2018
毎年行われている日韓交流お祭りは2005年から日韓両国で開かれる最大の日韓交流イベントです。韓国側は外交部をはじめ文化体育観光部並びに韓国観光公社などが、日本側は駐大韓民国日本国大使館、日本政府観光局などが後援しています。今年は「一緒につなごう、友情を未来へ」というテーマで行われました。韓国に進出している日本企業も参加しており、日本の先端技術を体験することができ、両国の伝統遊びや伝統衣装も体験できるので韓国人だけではなく日本に駐在している日本人にも人気のお祭りです。
GJOソウルオフィスは毎年日韓交流お祭りを紹介していますが、今年はお祭りのボランティア募集も紹介しました。今年は9月9日に開かれ多くの学生がお祭りを見に行きました。体験ブースで衣装を着たり、伝統遊びをしたりするところを撮りました。お祭りにはコスプレ大会も行われ、彼らとの記念撮影も面白かったです。特に今年は日本のアニメのコスプレだけじゃなくてアベンジャーズのコスプレをしている人もいて子どもに大人気でした。多くのブースが楽しくて面白かったですが、その中でも一番人気だったのはフードコーナーでした。今年は焼きそばとお好み焼きの店が出てものすごい行列でした。去年と今年2年連続参加した学生は『映画で見た日本の「お祭り」の雰囲気が味わえてとてもよかったし、有名アイドルも見ることができてうれしかった。でも、去年とブースの構成があまり変わらなくて残念だった。』という感想がありました。
<日韓交流お祭り>
2.日本留学フェア
日韓交流お祭りと同じ日に同じ会場で日本留学フェアが行われたので、日本文化を楽しんだ後、日本の大学のブースを見学することができました。お祭りを見に来た学生たちは日本に興味を持っていて留学も興味をもっている学生たちなので、彼らにこの留学フェアはとてもいいチャンスでした。日本留学を考えている高校生や大学生が大勢集まって有名大学のブースは大行列で前に進むのが大変なほどでした。日本大使館と領事館のブースでは奨学金制度の説明もしていたので、経費で留学を悩んでいる学生は興味を見せました。今まではお祭りと留学フェアは別の場所、別の時間に開かれたので、留学だけか文化体験だけかになっていましたが、今年のように同時に開かれて帰りに軽い気持ちで会場を寄ることで、興味のなかったことに興味を持てるというプラス効果が得られたと思います。留学フェアも見た学生は留学後の就職が一番の心配だと未来への計画について真剣に悩んでいました。大学だけではなく高校の留学ブースもあったので私にとって留学の傾向の変化が興味深かったです。
来年もこの二つのイベントが同時に行われたら紹介する側としてもうれしいと思います。
<日本留学フェア>
8月 活動日誌
2018年8月
GJOコーディネーター 安 昭映
2018年第1回の日本語能力試験が先月1日に韓国で行われました。GJOソウルオフィスと試験に向けて一生懸命勉強してきた学生たちも試験を受けました。日本語能力試験は5つのレベルがあってN1が一番難しくてN5が一番易しいです。科目は言語知識(文字・語彙・文法)、読解、聴解の三つに分かれます。レベルによって基準点数は少しずつ違いますが、各科目ごとに一定の点数を取り、総合点も一定の点数を取るという二つの条件を満たしたら合格になります。今回は学生たちはN1、N2、N3に挑戦しました。そして8月22日に成績が発表されました。N3を受けた学生は合格をしたのですが、N2とN1を受けた学生は惜しくも不合格でした。読解の点数だ 言語知識、読解、聴解だけが5点足りず不合格だったり、言語知識の点数だけが10点足りなかったりして不合格だったのです。
試験を受ける前の6月末、試験が終わったらとりあえず7月は夏休みを満喫し、8月は合格・不合格の結果に関わらず日本語の勉強に励むことに約束をしました。韓国の今年の夏は毎日のように史上最高気温を更新する猛暑だったので、この暑さを出かけるのは諦めて室内で勉強する絶好のチャンスにすることにしました。今までの勉強法を点検し、よかったところとよくなかったところを話してやってみてよかった勉強法を共有しました。レベルはみんな違いましたが、勉強法は大して変わらないのでみんなで集まって話し合うことにしました。
まず、私がみんなに提案してみんながやってきた勉強法はこれです。ノートの右側のページに読解問題の文章を書いて上の行にフリガナを振ってその下の行に韓国語訳を書くのです。そうすると、読めない漢字と訳せない文法などが明確にわかる効果があり、文脈のある文で語彙を連想しながら覚えられるので一石二鳥です。そしてノートの左側のページには右側の文章で間違った文法や語彙をまとめて自分なりの誤答ノートをまとめるのです。問題は誤答ノートをどう活用するかです。いろんな意見がありましたが、①わからない文法は活用フォームと一緒にまとめて覚える。そして文法が入ってる本文の文を丸ごと覚えてその文法が使われる場面を連想する。②わからない語彙は漢字語の場合、漢字を分解して一文字ずつ覚えて他の語彙に出た場合応用する(例:「社会」の「社」は「社員」で、「会」は「会議」で応用)。訓読みの場合、漢字につく平仮名を丁寧にチェックする(例:「覚える」の場合、「覚る」や「覚ぼえる」に間違えて覚えることがしばしばあるので、正しい読み方を覚える)。そして語彙が入っている本文の文を丸ごと覚えてその語彙が使われる場面や文脈を連想する。この二つはそうだそうだとみんな同意しました。
聴解の勉強法です。私が提案したのはまず二人の会話だったら二人の関係に注目すること、二人がいる場所を素早く把握し、その場面で起こり得る事件を想像することです。例えば、「いらっしゃいませ」のセリフは店での会話だと想像できます。そうしたら買いに来たかもしれないし、交換または払い戻しなどの状況を想像することができます。そうすると頭の中にその場面でだけ使う語彙がセレクトできるのでそれらに関連する語彙を拾っていきます。このように起こり得る状況と語彙の範囲を狭くすることで拾える単語を増やすのです。聞き方としては、まずは1回聞きます。1回目は拾える単語をできるだけたくさん拾って拾った語彙で自分なりのストーリーを作ります。2回目は聞き逃したところを埋める作業をします。そして問題を解いて台本を読んで100%マッチはしないが、自分が想像した内容と問題の内容に統一性があるのかを確かめます。もう一つのコツはメモるとき、丁寧に書いてしまうと次の内容を逃しがちです。なので自分なりに「見る」「言う」「上がる」「下がる」「しかし」「そして」「それで、だから」などよく出る単語は記号化して書く時間を節約することです。聴解は雰囲気を素早く読み取れるようにたくさん聞くしかないと苦笑いをして意見交換が終わりました。
みんな今年の12月にまた第2回の日本語能力試験があるので、あと4か月間もう少しだけ頑張ってもっと高いレベルになってもらいたいです。日本語が好きで日本語を勉強している学生もいますが就職のために勉強をしている学生もいるので、この勉強を通じて自分ややりたい仕事に就いたらなによりだと思います。私も彼らが諦めない限りサポートしていきたいと思います。
7月 活動日誌
2018年7月
GJOコーディネーター 安 昭映
今年の夏は異常気象で毎日最高気温を更新しています。毎日のように政府から熱中症警告のお知らせが鳴っています。そんな猛暑の中、韓国外国語大学で毎月開かれている『日本古典名著読会』に招待してくださったので、7月の読会に参加させていただきました。『日本古典名著読解』は去年東京外国語大学でも研究をされた文明載先生が中心になって日本説話文学を研究している著名な研究者の方々が集まって古典文学作品を韓国語に訳し、作品の内容分析とその背景を調べてみんなで読んで、作品の感想を発表したり、発表の内容について議論をするという、作品を究める作業をしています。今回は夏休みを使って日本で研究されている先生の方々も参加して更に内容豊富な読会になりました。今年読会で選んだ作品は『宇治拾遺物語』です。参加者の先生一人が作品を一つ選びそれを韓国語に訳してくださるのですが、まだ韓国語訳の『宇治拾遺物語』は発行していないので、先生方の訳は貴重な資料になります。発表される作品と関連している他の説話集との出典関係や内容・構成を比較研究することで『宇治拾遺物語』という狭い範囲にとどまらず、説話文学全体から作品を見る楽しみもあります。また、単に作品を韓国語で読むだけではなくて、当時の社会背景も反映して当時を生きる人々の生活を作品に投影して説明してくださるので、史料としても発揮する研究にもなります。
『源氏物語』、『枕草子』、『古今和歌集』をはじめとするいわゆる貴族文学作品は韓国語訳のテキストが説話文学の書籍に比べると結構な数が出版され多くの人に読まれていますが、韓国語訳の説話文学書籍は貴族文学に比べたら数も少なく、出版の歴史も短いのが現状です。しかし、作品を読んでみたら一般庶民の生活を描いた文学なので、親しみやすいし、内容も難しくなく専攻者ではなくても読みやすかったです。なので、読会の資料を集めてたくさん韓国語訳を出して今までは知らなかった新しい日本の文化がわかるきっかけとなったらいいなと思いました。
6月 活動日誌
2018年6月
GJOコーディネーター 安 昭映
お別れ
東京外国語大学から韓国に来ていた留学生が帰国する時がやってきました。ランゲージエクスチェンジをきっかけに何度か会った学生も帰ることになったので、お別れの食事をしました。彼女との会話はほとんど韓国語で、最初会った時より驚くほど韓国語の実力が進歩していました。GJOが紹介したランゲージエクスチェンジのお友だちと半年以上勉強をしてきたのですが、テキストでは学ぶことのできない実践韓国語が学べたことが一番よかったそうです。例えば「-해야되다」という表現について、韓国語のテキスト「~なければならない(義務)」として使われるという説明が主ですが、実際の生活ではアドバイスを求めるときの「どうしたらいいの?」というニュアンスで使われる場合が多く、問題に対する答えを出すときにどうしたらいいのか、または約束場所まで行くのに駅の出口を探したり乗るバスの番号を聞くなど、知らない街を探検していくのにとてもいい表現です。このようにランゲージエクスチェンジが韓国の留学生活にいい思い出の一つとなってよかったと思いました。私が思ったよりも韓国の学生にとっても留学生にとってもランゲージエクスチェンジプログラムは大きな影響を与えたようです。韓国の学生は韓国で日本人のお友だちができたのはもちろん、日本語学習のモチベーション向上にも役立って大事な経験となったそうです。日本から韓国に来てすぐにランゲージエクスチェンジができたらもっと韓国語が上達したのに、その点は残念に思いました。これからはできれば韓国に来てすぐにお友だちができるようにランゲージエクスチェンジプログラムを早めにスタートしたいと思いました。
交流会の打ち合わせ
去年、韓国外国語大学日本語学科学生会と開いた交流会が評判でした。今年も学生会と交流会を開いてたくさんの日韓の学生に交流してもらいたいと思っています。それで、去年一緒に交流会を企画したスタッフと交流会やランゲージエクスチェンジプログラムについて話し合いました。この夏休み期間中に協議していくことにしました。それから、韓国の学生に日本を体験してもらえる情報がいくつかあってぜひ学生会でも発信してもらいたくその情報も伝えました。韓国外交部が主催する2018日中韓大学生外交キャンプの申請案内と、日韓交流お祭りのボランティア募集の案内でした。日韓交流お祭りの場合、韓国に進出している日本の機関や企業が参加し、日本からも大学生のボランティアも来るので、日本に興味のある学生はぜひ参加して楽しい思い出を作ってほしいです。
5月 活動日誌
2018年5月
GJOコーディネーター 安 昭映
今年7月の日本語能力試験と韓国語能力試験に向けてみなさん勉強に励んでいる。わからない文法や問題が解決できないまま進んでしまうと、またその次の問題も詰まったり間違ったりすることがあるので、わからないのがあったらどんな方法でもいいのでいつでも聞くように言った。
特に独学している学生からの質問もたくさん入った。答えだけを教えるのは学生のためにもよくないので、自分で答えを探せるようにこちらからも質問をしながら問題を解くとき答えを出す方法や辞書を引くとき辞書の活用などの勉強方法も教えた。
基礎文法や基礎語彙の実力を持っている学生が思った以上にたくさんいる。彼らから独学で勉強する方法の質問をよく受けるのだが、勉強法は1回で説明ができるけど、わからない問題の解き方はその時になってみないと説明ができないので、いつでも質問するように言っている。でも毎回答えの説明を聞くだけではきりがないので、似ている問題が出たとき一人で解けるように問題の接し方も一緒に説明するようにしている。
ランゲージエクスチェンジで友達になった日韓の学生たちは特別な用事がなかったら週末カフェでお互いの勉強を助けているそうだ。優秀な学生たちだから自分たちで解決しようとする意欲も強いし、解決能力も持ってはいるが、もしもよくわからないのにあいまいな説明でお互い間違った知識を伝えたりすると次の勉強にも影響が出るので週末でも遠慮せず質問するように言っている。日本の学生はレベルの高い韓国語を勉強していてどうしても韓国の学生が説明しにくい文法もあるのでほとんど韓国語の質問だ。韓国の学生が勉強している日本語は日本の学生の韓国語よりはレベルが高くないのでみんなで解決できるそうだ。お互いの勉強を助けることで、自分の国の言葉に対する姿勢も変わってきたし、「教える」ことの面白さ、楽しさがわかってきて楽しいと言ってくれたのでとてもありがたかった。
4月 活動日誌
2018年4月
GJOコーディネーター 安 昭映
1.観光案内
韓国では円安で日本旅行が流行っている。5月5日は韓国もこどもの日で今年は3連休になったのでたくさんの人が日本旅行の計画を立てている。楽しい日本旅行のコツを聞きにくる学生にはソウルに所在する日本各地のソウル事務所を紹介している。私が全国を旅行したわけではないのでその地域を専門に広報している事務所を紹介しているのだが、彼らのためにも役に立つし、事務所に相談して旅行をした学生の満足度も高い。たくさんの資料を無料で手に入れることはもちろん、地元から派遣された日本人スタッフがいるのでネットやブログなどでは載っていない現地の人たちが行く安くておいしい食堂や観光スポットを紹介してもらうことができる。
私が学生にお勧めしている旅行テーマは日本の大学めぐりだ。韓国の大学のように学校の個性も学校ごとに違うし、韓国の大学と似ているところもそうでないところも目にして日本の大学生との交流に興味をもってほしいからだ。実際、旅行先で寄った大学のキャンパスを見て日本の留学を決めた学生もいたのでやはり自分の目で見て感じることは大事だと思った。
2.日本での就職
韓国は卒業する1年前~半年前に就職活動をするのが一般的で、その間就職ができない場合は卒業を延長したりする。ところが韓国は現在就職買い手市場で卒業を長くは2年(4学期)も延長することもしばしある。一方、日本は就職売り手市場で、日本の企業が韓国の学校に社員募集の願いをすることが増えている。GJOソウルオフィスに求人情報が入ったりするので学生に紹介している。給料も韓国に比べ安定的で条件としては悪くはないが、言葉の壁、外国生活の心配などを理由になかなかエントリーする勇気がないという。そこでGJOソウルオフィスは語学プログラム(学校の休みを使ったショートプログラムや交換留学生制度など)を通じて勉強してきた日本語の実力も確かめて日本の文化にも触れることを提案している。このようにGJOソウルオフィスが就職活動を目の前にしている韓国の学生に日本就職の準備のアドバイスやサポートをすることもしていきたいと思う。