2022年度 活動日誌
9月 活動日誌
2022年9月30日
GJOコーディネーター 宮本 冬美花
8月は寒かったり暑かったり異常な天気だったとここで報告をしました。ですが、今月はなんと、まるで秋を飛ばしてしまったかのような寒さが続きました。ベオグラードでは、室内の気温は9月が一番寒く感じる月かもしれません。というのも、ここでは多くの建物で公共暖房が導入されているのですが、これは自治体が管理していて、大体10月までこの暖房がつきません。なので、冬場に暖房がつけば半袖で過ごすほど暖かいはずの部屋が、底冷えしそうなほど寒い場所になってしまうのです。この急激な寒さに体調を崩した知り合いは数知れず。幸い、私自身はなんとか体調を崩さずにすみました。
さて、今月もイベントを3つ開催しましたので、報告いたします。
1つ目は9月10日の土曜日に行った読書の会です。テスト週間直前の開催となってしまったため、参加者が2名しかいませんでした。ですが、互いのことを知っている学生同士だったため、先月のお茶会で余った緑茶を飲みながら、まったりとした時間を過ごすことができました。学生も少し難しい本に挑戦していたので、質問も受けたりしながら本を読む時間を長くとりました。読んだ本について話すのにもまだ「読み足りない!」とのことであまり話すぎず、集中して読む時間が作れたのでよかったです。
2つ目のイベントは9月18日に行ったZoomでのペラペラカフェです。今回のペラペラカフェもZoom開催ではとても人が少なかったです。日本語話者2名、外国語話者2名と私の計5人での会となりました。人数は少なかったのですが、それだけブレイクアウトルームに分かれる時間もいらず、メンバーシャッフルもなかったので、1時間じっくりとみんなで話すことができました。自己紹介の流れで、話題は自然と各国の大学事情になりました。もちろん、同じ国内でもそれぞれの大学でシステムなどは異なるでしょうが、国が違えば、さらに大学事情が全く異なるので、とても興味深かったです。既定の時間を過ぎてからは、東京外国語大学への留学が決まっている学生がいたので、渡航前の情報収集の場にもなっており、参加人数は少なかったものの、有益な時間になったと思います。
そして、今月最後のイベントは9月24日の土曜日に行った対面でのペラペラカフェでした。7月同様、学生20名近く、日本人の方が10名ほど集まってくれたため、大盛況の会となりました。カフェに着いたのが15時半で、最後まで残った人たちがカフェを出たのは18時半。3時間も話が尽きないとても楽しい会でした。
興味深かったのは、日本語を頑張って話す学生の多くが緊張していたのですが、一部の日本人の方も緊張していたことです。詳しく話を聞くと、日本語を勉強している学生と話すとなると、自分の日本語が正しいか、分かってもらえるかが気になり、緊張してしまったとのことでした。学生にとって、ペラペラカフェは自分が日本語を話すだけでなく、授業の日本語じゃない日本語を聞いて理解できるかを試す場にもなります。私自身は、日本語教師として学生を知っているので、ティーチャートークと呼ばれる話し方をしてしまいます。ティーチャートークとは、教師が学習者に対して行う文型・語彙面などに配慮した独特の話し方です。ペラペラカフェは日本語教師ではない方からティーチャートークでない日本語に学生が触れられる良い機会になります。なので、このような会では、日本人の方にあまり学生のレベルに合わせすぎようとせず、緊張しない程度で話してもらうよう一言声かけをしてもいいのかもしれません。
最後に、個人的な事情ではあるのですが、今月をもってベオグラード大学を離れることになりました。なので、今月の対面ペラペラカフェが多くの学生とベオグラードに住んでいらっしゃる日本人の方と会う最後のチャンスの一つでした。セルビアは、国民が「観光するところが全然ない!」と自虐するような場所ではあります。ですが、ここには大きな観光地のなさを凌駕するほどあたたかい人々と、人々が作り上げた治安が良く住みやすい町があります。ここで出会った優しい人々に別れを告げるのはやはり寂しいです。ですが、インターネットも発達し連絡を取り続けることができる時代なので、これからも日本とセルビアの交流が続くことを願って、日記をしめようと思います。セルビアで会うことができたみなさん、ありがとうございました!元気でね!またね!!
8月 活動日誌
2022年8月31日
GJOコーディネーター 宮本 冬美花
今月は少々異常な天気が続きました。猛暑かと思えば、次の週には雨がたくさん降って寒くなり、服を選ぶのが難しい1ヶ月でした。地元の方々は、昔はこんな天気じゃなかったと口々におっしゃっていたのが印象的です。さて、今月は半分が大学の夏休みだったため、学生の出席も多くないと読み、イベントは少なかったですが、活動報告をしようと思います。
今月一つ目のイベントは折り紙会となりました。8月20日に行ったイベントです。計画当初はペラペラカフェの予定だったのですが、お誘いした日本語話者の方々が悪天候もあってか、体調を次々と崩され、当日の朝、中止にせざるを得ない状況になってしまいました。中止を決めたのが当日だったので、連絡ができたのは、ベオグラード外から来る学生はすでに家を出発している時間でした。そこで、折り紙イベントに変更することにしました。代々、ベオグラード大学にいらっしゃった先生方が残されていった折り紙がたくさんあり、私自身一時帰国の際にも折り紙を買い足していたので、カフェでおしゃべりをしながら折り紙を作る会になりました。変更にも関わらず、最終的に7名の学生が集まってくれたので、嬉しかったです。100円ショップで買った英語説明付きの折り紙の本も持って行っていたので、山折り、谷折りが分かれば、こちらの学生もすぐ理解できたようで、各々楽しそうに折り紙をしていました。あまりイベントに普段来ない学生も来ていたりして、いつもは交流がない上級生と知り合って、大学の授業の話などをして盛り上がっていました。学生に聞いてみると、折り紙を知ってはいても触ったことはない学生もいたりして、折り紙を体験する良い機会になったようです。
イベントはもう一つ、新たな試みとして「お茶会」を開催しました。参加者は28名いました。テスト期間だったため、息抜きにでもなればと企画したイベントです。最初はそんなに人は来ないだろうと思い、15時から計画していたのですが、思った以上に人が集まり、場所との兼ね合いもあったため、2時間ずつの2セクションに分けて開催しました。
お茶会では、抹茶作りを目玉として、自分で抹茶を淹れる体験をしてもらいました。今まで、ビデオやイベントで作る様子を見ることはあっても、学生たち自身でに実際に淹れてもらったり、飲んでもらったりする機会はなかったため、多くの学生が集まってくれたようです。茶道の場合は一つの茶碗を客の間で回しながら飲むのが伝統的な方法ではありますが、現在の状況を鑑みて個人でお椀を持ってきてもらい、自分で淹れてもらう形にしました。結果的に全員が茶杓・茶筅を使って自分で作ってみる機会が作れたので、よかったと思います。飲んでみた感想としては、思ったより苦くなくてよかったと言う学生が多かったです。お茶菓子があったからだと思いますが。
抹茶の後、時間が余ったので、おしゃべりのお供にと緑茶も淹れてみたのですが、自分で作った濃茶を飲んだ後だと物足りなかったようです。もし次回があれば、緑茶と抹茶の順番は逆でもいいのかもしれません。イベントを通して多くの学生が交流している様子が見られたのがよかったです。個人的には、食べ物が関わってくるため、物品準備が他のイベントに比べて大変ではあったのですが、久しぶりに会った学生とゆっくり話す時間となったので楽しかったです。
今月はイベントの回数は少なかったですが、たくさんの人が集まってくれるイベントができてよかったです。やはり、食べ物関連のイベントは人気が高いことを実感しました。もっと気軽に食べ物をみんなで一緒に作って共有できる環境にまた戻ってほしいなと切に思います。
7月 活動日誌
2022年7月31日
GJOコーディネーター 宮本 冬美花
今月は大学の休みに入ったので、学生にとっても束の間の休み期間が始まりました。今月の後半のイベントは先月の宣言通り細々と行うことになりましたが、一つ大きなイベントもできたので、報告をしていきたいと思います。
今月の大きな成果はこのイベントだったと思います。7月2日土曜日の15時から行ったペラペラカフェです。今まで開催を見送っていた対面形式のペラペラカフェをようやく開催することができました。今回の会、途中の増減で正確な数は把握しきれませんでしたが、常に日本人の方が10名ほど、セルビアの方10名ほどがいるイベントとなりました。
途中に席替えなどを行いつつ、3時間以上カフェに滞在しました。(この長時間、日本では考えられないかもしれませんが、セルビアではコーヒー一杯で滞在しても平気な時間です。もちろん、ほぼ一人一杯以上は頼んでいますが。)グループ毎に媒介語の使用度も全く違ったのですが、イベントの間、笑い声が絶えない会となり、最後の方はカフェの方に迷惑がかかると思ったので、終了の挨拶をすると、残念そうな声が多く聞かれました。日本人の方からも、セルビア人の方からももっと頻繁に行ってほしいとの声があり、学生にも次回のイベントの開催を念押しされたので、残りの期間、できるだけこのイベントが開催できるようにしていきたいと思います。
この後は、コンパクトで、人数が把握できる会が続きます。7月9日土曜日には、カフェでJapan caféを行いました。7月7日が近かったので、当日ではなかったのですが、「七夕」をテーマにした会を行いました。参加者は6名で、主に私がプレゼンをする形になったのですが、高学年の学生はすでに知っていた内容もあって、少し彼らに話してもらったりしました。話が終わった後は、基本的な内容は知っていたけど、知らなかった情報もあって面白かったとの感想を残してくれたので、よかったです。プレゼン後、最初は短冊を書くためにと折り紙を持っていっていたのですが、七夕飾りを作ったり、普通の折り紙を楽しんだりしました。わいわいと学生が教えあっている姿を見ることができ、一度、折り紙をメインテーマにした会を行ってもいいかもしれません。
次にイベントを行ったのは、7月23日土曜日の読書の会です。今回は久しぶりにZoom開催にしました。参加者は3名でした。対面で行う場合、大学にある本が限られているので、初級と中級の間にいる学生へのちょうど良い本が少ないのですが、オンラインで行うと、その中間層への教材があるので、今回の参加者のレベルに合っていたと思います。この会は45分間ひたすら読む時間があるので、その間は皆集中してさまざまなものを読んでいました。今回は、簡単な日本語のなぞなぞサイトを見つけたので、それを最初に紹介したのですが、それが人気だったようです。学生も、新鮮だったし、いくつかなぞなぞの答えが分かった時が嬉しかったと話していました。文化知識と言語知識の両方があってこそ、なぞなぞが解けるので、それが分かる学生がいたことが私自身嬉しかったです。最後に互いに面白い記事を紹介しあって、会は終了としました。
そして、今月最後のイベントは7月30日土曜日に行ったペラペラカフェです。日本人の学生と話してもらうために、今回はZoom開催でした。参加者は全部で9名。今回も、自己紹介からはじめ、自分の趣味などについて話をしていました。今回は「夏に祭り、行ったことある?」という話題提供しましたが、毎度のごとく、結局は全く別の話になっていました。参加人数は前回よりも少なかったのですが、それはそれで、日本留学前の学生が参加したりしていたので、日本での生活をリアルに感じられるような大学生の具体的な話がなされていて、充実した会になったようです。今回も予定の1時間を超えてもいろんな人と話し合っている様子が見られました。人数が少なくても、それはそれでいいのかもしれません。
以上、今月の活動報告でした。夏休みらしい時期となり、後半の参加人数は少なかったのですが、それだけそれぞれと濃い話ができるいい機会でした。また8月も少しずつ日本の文化を知る機会を作っていけたらと思います。
6月 活動日誌
2022年6月30日
GJOコーディネーター 宮本 冬美花
今月もベオグラードでは、暑い日々が続いています。熱波注意報が出るほど、猛暑の日々の始まりです。外から帰ってきたら、シャワーを浴びなければ少々気持ち悪いほどでした。また、今月からは試験期間ということで、教員としての試験の準備があり、その面でも忙しかったです。話は変わるのですが、ウクライナから一つだけ国を挟んだ向こうにあるセルビア。言語もスラブ系統となっています。ということは、やはりロシアとの関係があることは否めず、ウクライナとロシアの関係悪化に伴い、セルビア政府の対応に対して抗議の意味を込めた爆破予告が市内で相次いで起こりました。これは今月始まったものではなく、前々からニュースにもなり、在セルビア大使館から警告されていたことです。ですが、ついに今月、それを体験することとなりました。現在滞在している寮に爆破予告がされたのです。これが起こったのは平日の昼間、ちょうど食事の時間でした。居住者は検査犬が調べるまで立ち入り禁止となり、再び入れたのは6時間後でした。こんなことがあっても、セルビアの方々はもう慣れっこのようで、「またどうせ嘘だろう」と時間潰しに外でボール遊びを始めたり、パーティー音楽を流し始めたりする人までいました。こんなこと、日本だったらない経験です。少々心配にもなりますが、それでもそれだけ冷静な対応をみんながしていたので、私自身パニックにもならず。滞在中の驚きハプニングとなりました。
さて、本題に戻ります。今月は2つのイベントを行いました。
一つ目は、6月18日(土)に行った読書の会です。この読書の会には、3名の学生が参加してくれました。今回はカフェで行うこととなりました。というのも、先述した爆破予告、大学施設も例外ではなく、イベントの数日前に文学部の建物に対しても爆破予告がされたため、大学が閉鎖されていたのです。本を保管しているのは文学部の建物内だったので、日本語学習者向けの本が取り出せませんでした。そこで、私が個人的に保管していた本をカフェに持っていき、読書の会を設けました。個人で持っている本は日本語学習者のレベルに対応したものではなく、難しいものが多かったのですが、学生も1時間強、頑張って読み進めていました。物語を全く理解できないことはなく、大体の話は理解できたようで、読んだものの話を日本語と英語を混ぜながらしてもらい、会は終了としました。次回は爆破予告による閉鎖などには巻き込まれたくないものです。
二つ目は6月26日(土)にZoomで行ったペラペラカフェです。今回の参加者は全部で15名。参加者はベオグラード大学から日本語学習者が2名、日本の大学からの学生が13名でした。今回も、自己紹介からはじめ、自分の趣味などについて話をしていた。先月の話題がイマイチだったようだったので、今回は「夏!暑いよ!どうする?」という話題にしました。これはどこにいても共感できる話題だったようで、様々な人が自分なりの夏対策について話していました。この話題には流石にお国柄が出るようで、とても興味深い話が繰り広げられていたようです。前回同様、1時間では足りず、1時間の延長時間をもうけても、話が続いていました。今回は残念なことに、ベオグラード側からの学生が少なかったのが残念でした。Googleformでの募集時はもう少し人がいたのですが、休みに突入しているからか、参加の中止がありました。セルビアも完全にコロナとの共生を始めているため、zoom でのイベント開催も限界なのかもしれません。ですが、日本人の大学生はまだ気軽に海外に旅行できるわけではありません。学生に同年代の人と話す機会を設けるためにも、今後もZoomでのペラペラカフェを続けたいと思っています。
今月は日本語クラスも再開しました。初級へは、生活の日本語を知ってもらうため、「いろどり」を使用したクラス。中級以上の学習者とは、やさしい日本語が使われている新聞記事サイト、News web Easyに変換されている記事を使いながら変換元の記事を読んでいます。日本のニュースを一緒に読むことで、日本文化を知っていってもらうのが狙いです。毎回試験と被っていなければ、数人ずつ学生が来ていて、いろいろな質問を受けたり、逆にセルビアについて質問したりと、楽しい授業ができているので楽しいです。
ということで、以上、今月の活動報告でした。ベオグラード大学では、7月中旬から8月中旬まで大学の校舎も閉鎖します。通過しなければならない試験がまだ残っている学生も試験がない期間です。ですので、寮からも学生がいなくなります。細々とはなりますが、来月も学生との交流をおこなっていこうと思います。
5月 活動日誌
2022年5月31日
GJOコーディネーター 宮本 冬美花
今月は夏の始まりとなりました。初旬は長袖を着ていなければ風邪をひきそうなぐらいだったのですが、後半からはとても暑くなりました。現在滞在している寮は暑い夏のためには作られておらず、エアコンなどないため、扇風機が必需品です。そんな天気の中、こちらの大学では後期の最終月を迎え、学生も教師も授業の追い込みや試験、課題に追われる忙しい1ヶ月を過ごしました。更に5月の初めはメーデーと呼ばれる勤労感謝の日に当たる連休だったので、今月はあまりイベントを開催できませんでしたが、2つのイベントを行うことができたので、そちらの報告をいたします。
今月一つ目のイベントは、5月14日、土曜日に行ったJapan caféです。参加者は3名で、大学最寄りのカフェで初めて対面のイベントにしました。今回のテーマは「祭り」とし、一週間強すぎてはいたのですが、まずは端午の節句の話から始め、関連してひな祭りの話をしました。その後、日本で有名な全国、そして地方の3大祭りの紹介や祭りで見かける屋台、お祭りフードなどの紹介をして、セルビアの祭りとの比較をしました。このような祭りはやはり欧米の祭りとは様子が違うので、パワーポイントに事前に写真などを集めておいて、それをイベント時に学生に共有し、写真やイラストを見ながらこれは何かという話を1時間ほど予定の時間をオーバーしながらも、話続けました。アニメ等で夏祭りのシーンを見たことがあっても、屋台周りが取り上げられることがほとんどだと思います。そのためか、日本の文化について三年以上学校で触れている学生でも、行列、神輿、踊りなど地域、祭りごとに異なるものが多い分、日本に行ったことがなければ分からないことが多かったようです。なので、質問をたくさん受け、学生も新しい学びがたくさんあったと話していました。こちらの学生と話していると、日本に行くなら桜が咲いている春に行きたいという学生が多いです。ですが、春は学業や仕事で忙しい時期でもあります。祭りは、比較的、学生や仕事がある人でも日本に行くチャンスがある夏に多く行われますよね。ですが、夏は天候の面で蒸し暑く、あまり旅行時に快適な時期ではありません。それでも、祭り文化について聞き、夏に日本へ行く一つの目的になってくれればと思いました。
今月2つ目のイベントは5月29日日曜日に行ったペラペラカフェです。前回同様Zoomを使って行いました。今回の参加者は全部で16名。参加者はベオグラード大学から日本語学習者が3名、その他の国から日本語学習者3名、日本人学生が10名の方がいらっしゃいました。今回も、初対面・初参加の方が多く、自己紹介からはじめ、自分の趣味などについて話をしていました。ベオグラードは暑い日々が始まり、日本も梅雨ということで、「最近天気どう?」という話題も事前に与えてはいたが、時々これに関する話をするだけで、それ以外の話を多くしていたように思います。先月同様、自分の趣味だったり、何を勉強しているのかという話だったり、それぞれ住んでいるところの紹介をして日本に行ったらおすすめの場所の話もしていました。今回も予定の1時間を超えてもいろんな人と話し合っている様子が見られました。結果、1時間延長時間をもうけ、ランダムでは話せなかった人とおなじ部屋にして話す時間をあげるなどすることができました。
ということで、以上、今月の活動報告でした。ベオグラード大学では、テスト期間が6月から9月まであり、テストを受けるチャンスが4回与えられます。なので、これからは、夏休みのようで夏休みではない期間が始まります。来月は特別授業も再開していくので、また更なる報告ができればと思います。
4月 活動日誌
2022年4月30日
GJOコーディネーター 宮本 冬美花
4月は例年通り、寒いのか暑いのか分からず、週ごとに冬と春を行ったり来たりするような月でした。この天気のせいか、私も含め、少し体調を崩す人が多かった気がします。先月の日誌にも書いていたのですが、屋内のマスク着用義務も解禁され、大学からはできる限り対面授業を行うよう指示が出た月でもありました。今学期も残り2ヶ月というところで、大学に来る学生も格段に増え、ようやくコロナ以前の姿に戻りつつあるようです。これを受けて、GJOの活動も中旬からの週末のイベントはできるものは対面に変更していきました。ということで、今月もGJOの活動を行ったので、以下に報告いたします。
まず、今月も引き続き夜間日本語クラスを行いました。日本語専攻には、大学以前から勉強したりしていて、本来のレベル以下の授業を受けなければならなくなっている学生がいます。このような学生にもどうにか日本語を勉強し続ける機会を与えられないかと思ったのが、この活動を行なっている一つの理由でもあります。今月は初級の学生にはJFから提供されている「いろどり」を使った授業、中級以上の学生には中級の速読教材やNHK for Schoolの動画でディスカッションベースの授業を行いました。一部、教えているペース的に教科書を一周終了してしまったレベルもありました。ですが、そのレベルでは、学生からのリクエストで日本語能力試験の読解問題を一緒に解く授業に切り替えました。5月は学期末に向けて忙しいのでこの活動はひとまず今月で一度終了します。それでも、テストの一回目終了後の6月後半から再開できればと思っています。
次に、4月10日の日曜日は11時から12時まで、Japan caféをZoom上で行いました。参加者は3名で、日本のかわいい文化とその問題について話をしました。まずはかわいい文化の例を思いつく限り学生に出してもらい、どのようなことが面白いのか話してもらいました。学生からは、サンリオキャラクターの話やジブリの話が出ていました。そのうち、個人的にとても興味深かったのは、サンリオのキャラクター、クロミちゃんがパンクロック好きな人の目にとまり、ヨーロッパでは人気が出ているとのコメントでした。このような話は知りませんでしたし、クロミちゃんもかわいいキャラクターには違いないですが、人気になる理由も何とも日本とは違って面白かったです。その後、私からはゆるキャラの紹介をしました。学生は日本のかわいい好きに感心していました。続けて、アイドル文化の話になり、かわいい好きな日本とかっこいいが人気になりやすいその他のアジア各国の音楽事情の話をし、かわいいアイドル文化とそれを支えるファンの期待や闇の部分の話をしました。個人的に応援している日本のアイドルもいるので、心苦しいトピックでしたが、学生から見えているアジアの話が聞けてとても楽しい時間でした。最終的に、何事にも一長一短あるが、「かわいい文化」に関してもそのように言えるというのが今回のメンバーの意見でした。
今月2つ目のイベントは4月17日、日曜日に行った読書の会です。今年、初めてオフライン開催をしました。参加者は7名でしたが、過去2年間はイベントをオンライン上で行なっていたため、1・2年の学生には新鮮だったようです。50分間は集中して各々読みたい本を読む時間としました。残りの10分はみんなで集まり、それぞれが読んだ本を英語で紹介してもらいました。学生それぞれ、レベルがバラバラなので全員がその本を読めるわけではないですが、内容を聞いて「ちょっとそれ見てもいい?」という会話が生まれていました。やはり、オンラインでは見えない相手の様子や空気があるので、今後もオフラインでできれば行なってほしいとリクエストがきました。なので、できる限り対面開催ができればと思っています。このイベントの後は希望者数名でその日市内の植物園で行われていた日本フェアに参加しました。俳句の発表や茶道の実演を学生と共に見学しました。そこには言語専門高等学校の学生がひらがな、カタカナ、漢字の紹介をしていて、現場にいた学生と交流をすることができました。会場に来ていたのは1年生の学生たちだったそうで、大学生は少し日本語を教えるミニ先生になっており、微笑ましい光景を見ることができました。
3つ目のイベントは4月23日、土曜日のペラペラカフェです。これは日本にいる学生との交流のため、引き続きZoom開催で行いました。今回の参加者は全部で15名。参加者はベオグラード大学から日本語学習者が3名、その他台湾等から日本語学習者3名、日本人学生が9名でした。4月回とあって、日本の新学期だったからか、初対面・初参加の方が多く、自己紹介からはじめ、自分の趣味などについて話をしていました。日本はゴールデンウィーク前、セルビアはイースター休暇の前だったので、「連休はといえば」という話題も事前に与えてはいましたが、ほとんど連休に関する話はなく、それ以外の話を多くしていたように思います。自分の趣味だったり、なぜそれぞれの大学を選んだのか、何を勉強しているのかという話だったり、それぞれ住んでいるところの紹介をして日本に行ったらおすすめの場所の話もしていました。今回も1時間では足りなかったようで、最初に提示していた時間を過ぎてもセルビアについての質問や、各国のおすすめの音楽を話し合ったり、リンクを共有したりしていました。
そして、今月最後に行ったのは、4月30日の書道の会です。これも今回はオフライン開催をしました。メーデーの連休にも関わらず、11名の学生が参加してくれました。書道は今年度1度だけオンラインで開催しましたが、オフラインははじめてでした。はじめに道具と並べ方の説明から入り、とめ、はね、はらいの書き方の説明だけ行って、残りは自由に書いていい時間にしました。知っている漢字をみな思い思いに周りと話しながら書いていてとても楽しそうでした。「私は下手です」と言いながら簡単な漢字を頑張って書く学生から、「鬱」などの(意味はともかく)難しい漢字や長文書く強者の学生もいました。これに関しては写真を残せたので、ぜひそれを見てほしいと思います。全員が思う存分書き、片付けを終えた時間を含めると1時間オーバーしてしまいましたが、それでもオフラインで行ったかいがあったと思います。
以上、今月の活動紹介でした。セルビアもコロナ前の状態に近づきつつあります。ですが、それでも感染者がゼロになっているわけではありません。まだまだ所によっては、配慮しなければならない状態にも変わりはありません。ですので、自分ができる限り、学生と何がしたいか、どうしたいか、相談しながら今後も活動を続けていければと思います。