本学学生らが「やさしい日本語」で調布市の『災害時のごみの出し方ガイドブック』をリデザイン
2026.05.18
2026年2月17日(火)、東京外国語大学学際研究共創センター(TReNDセンター)は、調布市が発行する『災害時のごみの出し方ガイドブック』を多文化共生やユニバーサルデザインの観点からリデザインする共創ワークショップを開催しました。
本ワークショップは、東京都の「東京データプラットフォームケーススタディ事業」における『災害廃棄物から都市機能を守る産官学連携プロジェクト』(実施主体:電気通信大学、調布市、Borzoi AI株式会社)の一環として、電気通信大学からの委託により実施されたものです。
過去の災害では、ゴミ出しに関する情報の錯綜や言語の壁が課題となっていました。この課題を解決するため、本学が持つ「多文化共生」や「やさしい日本語」の知見を活かし、外国人住民を含むすべての市民に伝わりやすいガイドブックへの改訂を目指しました。
当日は、本学卒業生であり多文化社会の防災を専門とする菊池哲佳准教授(明星大学)を講師に迎え、日本人学生、留学生、調布市役所職員、およびデザイナーが参加しました。参加者はまず、災害社会学の観点からのレクチャーや、調布市担当者による現状の課題説明を受けました。その後、グループワークを通じて、現行ガイドブックの課題の洗い出しを行い、「やさしい日本語」への書き換え、視認性を高めるリデザイン案の作成と発表を実施しました。
本事業で学生たちが提案したリデザイン案は、調布市から大変高い評価をいただきました。学生の案を元に、最終的にリデザインされたガイドブックについては、調布市より発行されました。
- ガイドブックの掲載URL(調布市HP)
https://www.city.chofu.lg.jp/070030/p041222.html
調布市担当者のコメント
災害時に生じる災害廃棄物は迅速な処理が必要となり、行政のみならず、市民の皆様にも日頃から適切な処理方法を理解していただくことが求められます。調布市では、「災害時のゴミの出し方ガイドブック」を発行し、周知・啓発を図ってきましたが、従来のものは日本語に不慣れな方を含め、一部の方にとってわかりづらい内容となっていました。
そんな折に、ごみ分別支援AI「ごみナビ」の機能拡充(調布市HPリンク)に合わせ、東京外国語大学及び学生の皆様とのワークショップを通じて、やさしい日本語を基にデザインや校正を見直し、新たなガイドブックを作成しました。これにより、より多くの市民の皆様に分かりやすく情報をお伝えできるようになりました。 職員だけでは気付きにくい、学生ならではの視点を取り入れることができ、市民に伝わりやすい広報媒体の作成において、新たな可能性を実感しました。
今後も、さまざまな形で連携できる機会を心より期待しております。
参加した在学生のコメント
大畠陽南子さん(言語文化学部2年生)
新たなガイドブック、とても素敵です。自分たちが思い描いていたアイデアがこのように完成された形で見ることができるのはとても不思議な感覚です。表紙の四つのお願いが、単純明快で冊子をもらった人も中身をちゃんと確認したくなるような構成になっているのではないかと感じました。今回はこのようなワークショップに招待していただき、ありがとうございました。
リ テンギョクさん(大学院国際日本専攻 博士2年)
このたびは、『災害時のごみの出し方ガイドブック』の完成版をご共有いただき、誠にありがとうございます。ワークショップに参加させていただいた者として、完成した成果物を拝見でき大変嬉しく思っております。拝見したところ、私たちのグループで議論した内容や意見が丁寧に反映されており、デザイナーの方々や関係者の皆様が真摯にご検討くださったことに感謝申し上げます。全体として非常に分かりやすく整理されており、視覚的にも情報が明確で、実際の災害時にも役立つ内容になっていると感じました。調布市民としてすぐダウンロードしたいです。また、言葉の使い方についても工夫がなされており、日本語に不慣れな外国人にとっても理解しやすい表現になっている点が大変印象的でした。多様な利用者を想定した配慮が随所に感じられ、とても意義のあるガイドブックだと思います。改めまして、このような貴重な機会をいただきましたこと、そして丁寧に制作してくださった皆様に心より御礼申し上げます。
本学は今後も、地域社会や企業との共創を通じて、多文化共生の視点を活かした多様な社会課題の解決に取り組んでまいります。