ご卒業おめでとうございます!(2025年度卒業式・学位記授与式)

2026.03.20

2026年3月20日(金・祝日)、2025年度卒業式・学位記授与式がアゴラ・グローバル プロメテウス・ホールにおいて挙行されました。言語文化学部337名、国際社会学部336名、国際日本学部69名、大学院博士前期課程96名、大学院博士後期課程12名が卒業・修了し、学位が授与されました。

卒業証書授与
博士学位授与
東京外国語大学管弦楽団及びコールソレイユによる大学歌
祝典曲の演奏
学長式辞
関谷昴東京外語会常任理事による祝辞
毎年恒例の言語・地域等による卒業メッセージ(最後にトビタくんからもメッセージが)
卒業生の言葉(言語文化学部代表・藤江 まどかさん)
卒業生の言葉(国際社会学部代表・川出 航也さん)
卒業生の言葉(国際日本学部代表・水野 笑さん)
たふもにゅで記念写真

学長式辞

春名展生学長

(言語文化学部・国際日本学部の式辞は英語で、国際社会学部の式辞は英語で行われました)

(日本語版は準備中)

学長式辞(大学院)

(スピーチは英語で行われました)

10月以降に博士論文を提出され博士号を授与された12名の皆さん、また大学院博士前期課程の世界言語社会専攻を修了された69名、国際日本専攻を修了された35名の皆さん、修了、おめでとうございます。心からお祝い申し上げます。

博士号を取得された方々は、今読みあげられた論文タイトルからわかるように、長い研さんの結果、言語学、言語教育学、人類学、平和構築学など、人文社会の諸分野に貢献されました。博士論文執筆の間にはコロナ禍もあり、海外での調査は言うに及ばず、人と突っ込んだ議論をすることもできない時期もあったと思います。それを乗り越えての博士号取得であるだけに、皆さんの研鑽とその成果を心から讃えたいと思います。 

皆さんが博士論文で追及された問いは、自分だけのものと思われるかもしれませんが、決して、そうではありません。実は、社会が皆さんに問いかけた問いだと思います。だからこそ、皆さんが見出した答えを、ぜひ、社会と共有し、社会で役立てていっていただきたいと思います。人文社会分野の研究は、一人ひとりの問いが、重なりあい絡み合って、一つの方向を指し示します。社会の問いに応える活動を、これからも続けて行っていただき、社会を変える力になってください。人文社会系の研究には社会を変えていく力があることを、若い皆さんの研究で示していっていただきたいと心から願っています。

修士課程を終えられる104名の皆さんも、2年または3年の期間に、多くのことを経験され、修士論文に結実されました。104名のうち、49名は日本に留学してこられた皆さんです。修士課程での生活は皆さんにとって、どのようなものだったでしょうか。学部生時代と違い、ひとりで課題に立ち向かう時間が多かったのではないでしょうか。問題をたて、問題をとく方策を見つけ、実証していく、その積み重ねだったと思います。しかし指導教員や先輩、友人の支えもあったでしょう。学外の研究仲間を見つけられた人も多いと思います。そうしたつながりが、これからの皆さんの人生を豊かにしていくと確信します。 

さて、大学院を修了される皆さんは、これから修士号、博士号をもった人材として、社会に巣立っていかれます。ただ、私が思うに、修士号や博士号は、称号としてだけ、意味をもつわけではありません。大事なことは、皆さんが、何かを突き詰めて、研究し、自身の言葉で論理的にそれを説明する力をもっている人だということです。皆さんが突き詰めた問題は、そもそも、先ほどのべましたように、社会が皆さんに突きつけた問いでもありました。

世界の言語や文化、歴史や社会の特性を解明すること、それを通じて、世界の人々の間の相互理解を促進すること、人と人の対話の場をつくること、地域社会において共生のための仕組みづくりを行うこと、言語教育をDXの時代に即したものにしていくこと、人の心を豊かにする文化をより身近なものにしていく取組みなど、研究すべきこと、あるいは、研究マインドを持って社会でなすべきことは、無限にあります。 

「世界」を舞台に活動する人間として、分断が進み、利己的な行動、さらには信じられないような戦争や人道危機が平然と行われる社会に、ストップをかけることも、皆さんなら、きっとできます。私たちは、東京外大で学んだ皆さんが、社会を変えていってくれると信じています。どうか、次のステージで、存分に皆さんの力を発揮してください。大学は、ずっと皆さんを応援しています。

改めまして、修了おめでとうございます。 

2026年3月20日
東京外国語大学長 春名展生

言語文化学部長 祝辞

三宅登之学部長

言語文化学部を卒業される皆さん、ご卒業おめでとうございます。

振り返ってみて、大学生活はいかがでしたか。思えば皆さんの大学生活は、めまぐるしい技術革新の波とともにありました。とりわけ、この数年で急速に普及したものに、生成AIや自動翻訳があります。スマートフォンを取り出せば、外国語の文章は瞬時に翻訳され、会話も機械が助けてくれる時代になりました。そんな時代に「外国語を学ぶ意味はどこにあるのだろうか」という思いがふと頭をよぎったことがある人も、いるかもしれません。

確かにAIは情報を素早く他者に伝えることができます。ただし、人と人が本当に心を通わせるときに必要なことは、情報以外のものにもあります。言いよどみ、沈黙、怒りの抑え方、謝り方、遠慮の仕方などの相手の様子、さらには言葉の背後にある相手の思考様式や価値観の違いに気づき、それらを全てひっくるめて引き受けようとすること。そこに交流の核心があると思います。

そもそも、外国語を学ぶこと自体が、自分自身にとても大きな財産をもたらしてくれるということは、本学で学んできた皆さんには、よくわかっていることだと思います。自分の母語しか理解せず、言葉が異なる人とのやりとりは全てAI任せなんて、あまりにも内向きな発想だと言わざるを得ません。外国語を学ぶことは、その言葉の話者の思考方法や世界の切り取り方があることを知り、同じ目線で考えられるようになるということです。文化や価値観の多様性を知り、異質な物を認め尊重しあう姿勢は、社会に出たあと、地域での関わりや国境を越えた協働の場面で、必ず皆さんを支えてくれるはずです。

言語文化学部での皆さんの学びは、もちろん単なる外国語の修得だけではありませんでした。3、4年次でのゼミを中心に、言語、文学、芸術、思想、宗教といった地域の文化や人びとの生き方を研究してきました。ゼミで読んだ論文の主張を考え、調査で得られたデータの分析に明け暮れ、疑問に頭を抱えながら、頭の中にあるモヤモヤした考えを明晰な文章にまとめることの難しさを実感しつつ、苦労して卒業論文をまとめあげました。すぐに役に立つかどうかだけで測られることの多い、いわゆる「コスパ重視」の社会にあって、大学は、すぐに答えの出ない問いにじっくり向き合うことのできる、貴重な場だったのではないでしょうか。近年、「ネガティブ・ケイパビリティ」の大切さが注目を集めています。「ネガティブ・ケイパビリティ」とは、不確実さや答えのない問題に直面した時に、急いで答えを出そうとせずに、しばらくその状態を受けとめながら乗り越える力です。大学での学び・研究の過程で、解決できない事態が生じた時に、AIに頼って「安易に答えを見つけようとせず、把握しきれない謎をそのまま抱えておくことで、そこから新しい何かをどこまでも汲み取ろうとすること[1]」、これが皆さんが大学生活で身につけた大きな収穫の一つです。皆さんがここで積み重ねてきた思考の時間は、目に見えにくくても、これからの人生のさまざまな場面で必ず力になってくれます。

大学を卒業し、これからの人生、長いですね。ぜひ大きな目標を持ちましょう。中国語に、“不怕路远,只怕志短。[2]”ということわざがあります。「路の遠きを怕れず、只だ志の短きを怕る。」たとえ遠い目標でも、強い志を持っていれば達成できるという意味ですね。

皆さんがこれから歩む道は、決して平坦ではないかもしれませんが、皆さんには、世界を読み解くための「言葉」と、他文化を敬う「心」があります。自信を持って、広い世界へ羽ばたいてください。皆さんの前途を心から祝福して、私からの言葉といたします。

2026年3月20日
言語文化学部長 三宅登之

[1] 谷川嘉浩2025『スマホ時代の哲学【増補改訂版】』 ディスカヴァー携書。
[2] 张毅编著1987『常用谚语词典』上海辞书出版社。

国際社会学部長 祝辞

千葉敏之学部長

(準備中)

国際日本学部長 祝辞

伊集院郁子学部長

皆さん、ご卒業、おめでとうございます。本日この日を迎えられたご家族をはじめ、これまで学生の歩みを支えてこられたすべての皆さまに、心よりお祝い申し上げます。

卒業生の皆さんにとって、このキャンパスでの日々はどのような時間だったでしょうか。世界各地から集った仲間と同じ教室で学び、議論を交わし、一緒にさまざまな活動に取り組んできました。国際日本学部は、1学年わずか75名の小さな学部ですが、そこには多様な背景や文化、言語をもつ人々が織りなす、豊かな世界が広がっていたはずです。
皆さんは、ここで、自分とは異なる多様な視点があること、自分の価値観だけではこの世界は理解できないことを学びました。それと同時に、違いがあっても、対話を重ねることで互いを理解したり、共感したりできることも学びました。こうした経験は、決してお金で買うことができない、かけがえのない財産として、これからの皆さんを支え続けることでしょう。

留学生の皆さん。皆さんの中には、入学したとき、日本語がわからず不安を抱えている人もいました。しかし今、皆さんは私の話を理解することができますね。慣れ親しんだ場所を離れ、異文化の中で、さまざまな困難を乗り越えてきた皆さんの努力に、心から敬意と拍手を送ります。
ここで、本日ご参加くださった留学生の保護者の皆様にも感謝をお伝えしたいと思います。
To the parents, families, and all who have supported our international students, welcome, and thank you for joining us on this special occasion. Sending your loved ones to study abroad is a remarkable act of courage and trust. During their time here in Japan, they have grown and flourished in many meaningful ways. Today, we celebrate not only their academic achievements, but also the individuals they have become. We also recognize that their journey has been made possible by your unwavering love and support. For this, we extend our deepest gratitude to you.

さて、皆さんがこれから歩んでいく世界は、複雑で混沌としています。答えが見つからないような課題も、数多く存在しています。しかし、そのような時代だからこそ、皆さんのような存在が必要とされています。人との違いを恐れず、また、自分の中にある多様性も大切にしながら、対話を通して人と人、文化と文化、国と国に橋をかけ、少しずつでも世界をつなぎ直していく力。皆さんは、この国際日本学部で、その確かな土台を築き上げました。

その土台の上に、これから何を築いていくかは、皆さん次第です。卒業してからも、学び続け、自分を磨き続けてください。皆さんの未来が豊かな可能性に満ち、希望にあふれるものであることを心より願い、結びの言葉といたします。

2026年3月20日
国際日本学部長 伊集院郁子

大学院総合国際学研究科長 祝辞

藤縄康弘研究科長

本日、修了の日を迎えられた皆さん、そして博士号を授与された皆さん、誠におめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。皆さんは、たゆまぬ努力をもって日々研鑽を重ね、知識を深めてこられました。困難な課題に挑み、目標を達するまで決して諦めなかった努力と成果に深く敬意を表します。
I would like to warmly congratulate all of you who have completed your master's degree or earned a doctorate. You have dedicated many hours to acquiring new knowledge and deepening your studies. I admire your commitment to challenging tasks and never giving up until you have achieved your goal.

本学の学部と大学院の教育課程では、多様な専門分野の領域横断的な教育・研究が行われており、研究対象とする地域は、世界各地に及びます。人文・社会科学分野の規模の小さな大学ではありますが、このような研究分野と研究対象地域の多様性が本学の特徴かつ強みです。そのことは、今ここで題目が紹介された博士論文、そして時間の都合で紹介のできなかった修士論文からも窺い知ることができます。
Tokyo University of Foreign Studies offers research opportunities in numerous disciplines as well as many interdisciplinary programs for both undergraduate and graduate students. The areas and regions that can be studied here span the entire world. This broad and diverse range of research fields and geographical reach are our hallmark and strength, distinguishing us from other institutions and making us unique. This is also evident in your doctoral theses, the titles of which have just been presented individually, as well as in your master's theses, which unfortunately could not be presented due to time constraints.

大学や大学院での教育が、単に知識を増やすだけではないということは、ご承知のとおりです。皆さんが取り組んだ研究は、複雑な問題に対する多角的な視点、批判的な思考力、そして新しいアイデアを生み出す創造性を育むものだったと思います。人文・社会科学の分野においては、物事の本質を見つめ、人間や社会の在り方を問い直す力が特に求められます。皆さんが培ったこれらの力は、実社会においても非常に価値のあるものとなるでしょう。
As you know, a university education is more than just acquiring knowledge. I am convinced that your research has given you a multifaceted perspective on complex problems, critical thinking skills, and the creativity to develop new ideas. In the humanities and social sciences, the ability to grasp the essence of things in order to re-examine the nature of humanity and society is particularly in demand. These skills, which you have acquired with us, will be invaluable to real world, too.

現在、日本の大学における研究・教育においては、ともすれば自然科学分野の、とくに先端科学技術に注目が集まりがちです。しかし近年、世界は急激に変化し、社会が抱える課題もますます複雑になっています。経済格差や社会の分断、戦争と武力紛争、環境問題、多様な文化や価値観の対立といったテーマに対し、私たちは既存の体系や枠組みにとらわれず、新たな解決策を追求する必要があります。それはまさに、「多文化共生に寄与する東京外国語大学」という本学のミッションそのものだと言えるでしょう。皆さんが本学で培った知識と洞察力は、こうした課題に立ち向かうための確かな礎となることを確信しています。
Today, higher education and research are, on the one hand, increasingly focused on natural sciences, especially on cutting-edge research and technology. On the other hand, the world has changed so rapidly that we are confronted with recurring difficulties such as economic inequality, social division, conflicts, wars, environmental disasters, and clashes between various cultures and their underlying values. This makes it all the more important to seek solutions by going beyond established systems and practices. In this regard, I am confident that the knowledge, insight, and skills you have acquired and learned at our university will serve you as a solid basis for tackling and solving these problems.

いまここに大学院を修了される皆さんは、大学や研究機関で研究を続ける、企業や団体に勤務するなど、それぞれの途を歩んで行かれることと思います。これから皆さんが社会の中でさまざまな役割を果たしていく中で、困難に直面することもあるでしょう。しかし本学での研究を通じて得られた視野の広さ、他者を理解し共感する力、そして粘り強く問い続ける姿勢が、皆さんをこれからも支え、導いてくれるはずです。
Now that you have just completed your master's or doctoral studies, your own path begins – whether you will continue your research at universities or research institutions, or work in companies or organizations. In your diverse roles in society, you will probably encounter challenges. But your comprehensive perspective, understanding and empathy, as well as your tireless questioning, which you have gained through your research here at Tokyo University of Foreign Studies, will certainly support and guide you.

本日は誠におめでとうございます。
Many congratulations!

大学院総合国際学研究科長 藤縄康弘
Yasuhiro Fujinawa, Dean of the Graduate School of Global Studies

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