大学院日英通訳・翻訳実践プログラムの大学院生が同時通訳実習を実施
2026.01.22
2026年1月8日(木)の3限目に101教室にて、大学院日英通訳・翻訳実践プログラムの大学院生が、逐次通訳の基礎を学ぶ学部生対象の「通訳基礎II」クラスとの合同授業で、学部生の日本語での期末課題発表を英語に同時通訳する通訳実習を行いました。同時通訳を行った大学院生、同時通訳をしてもらう体験をした学部生の中から、それぞれ1名のレポートを紹介します。
大学院日英通訳・翻訳実践プログラム博士前期課程2年 山口紗和さん
この度は、学部生対象の「通訳基礎II」クラスにて、期末課題に関するプレゼンテーションの日英同時通訳を行いました。昨年11月の実習と同様に、101教室の同時通訳ブースを使用し、実務に近い環境で実習を行いました。年末年始の立て込む時期ではありましたが、共有してもらった資料の英訳や想定原稿の作成、原稿を活用したリハーサルなど、できる限り入念に準備をして臨みました。迅速な資料共有にご協力いただいた学部生のみなさん、本当にありがとうございました。
昨年11月の実習では、ところどころ発表者の話を追い越して訳出してしまったことが課題に挙がりました。また、今回は日英方向の通訳ということもあり、日本語と英語の語順の違いに苦戦しました。しかしながら、想定原稿を作成する際に、日本語の語順を保持して訳出できるように対策していたことで、前回よりもスピーカーの発話とのずれを減らすことができました。また、訳出中に考え込む時間が減り、スピードも安定させることができました。
一方、今後の課題としては、スライドの変わり目で、スピーカーが既に次のスライドについて話している時に、前のスライドの訳出が完了していない場面があったことが挙げられます。情報の抜けがなく、かつ聞きやすい通訳を意識すると、訳出の帳尻を合わせることは非常に困難です。しかしながら、手元の資料に集中しすぎず、スピーカーとのアイコンタクトを取るなど工夫しながら、呼吸を合わせて通訳することを心がけたいです。学部生のみなさんとの実習は今回で最後となりましたが、これまでの学びと反省を活かし、さらに分かりやすい訳出を実現できるように努めます。
言語文化学部英語専攻3年 川上真希さん
今回は大学院生との合同授業として、期末課題発表の同時通訳を体験しました。オーディエンス側と発表者側の両方を経験し、通訳パフォーマンスだけでなく、スピーカーに求められる通訳者への配慮や責任についてもより具体的に考える機会となりました。
大学院生の皆様の通訳は、スピーカーの話す速度やテンションが異なっていても終始安定しており、発音やスピードが一定で非常に聞き取りやすい印象でした。日本語の声と重ならないよう発話のタイミングを調整している点や、英語原文のスピーチを聞いているかのような自然な英語表現を選んでいる点が特に印象に残りました。また、私の発表を担当してくださった先輩が、事前打ち合わせで「一番伝えたいメッセージ」を確認されていたことから、話し手の意図まで汲み取って準備に臨む姿勢に感銘を受け、自分も意識したいと感じました。
一方で、スピーカーとして発表を行うなかで、同時通訳が入る場合は話す速度や抑揚に加え、言い直しや噛みを減らすこと、マイクとの距離や滑舌への配慮も重要だと実感しました。訳の質は通訳者の技量だけでなくスピーカーとの連携によっても左右されることを実感し、今学期の学びを振り返る上でも貴重な機会となりました。