沖縄戦の記憶を掘り起こす—映画『骨を掘る男』上映会&写真展開催

2025.06.18

2025年5月30日(金)、アゴラ・グローバル プロメテウス・ホールにおいて、TUFS Cinema沖縄ドキュメンタリー映画『骨を掘る男』上映会を開催しました。

本作は、沖縄戦の戦没者遺骨の収集を40年以上にわたって行ってきた具志堅隆松氏への取材をもとに制作されたドキュメンタリーです。沖縄を舞台にした『ギフト』や北インドで撮影した『ラダック それぞれの物語』などを制作してきた奥間勝也監督が、具志堅氏の地中での遺骨収集の作業に迫るとともに、沖縄島南部土砂採掘に抗議する地上での活動を見つめた映像作品になっています。

具志堅氏は、地中から拾い集めた遺骨の断片から、その人物の死の間際を想像し、弔う行為を「行動的慰霊」であると映像の中で語ります。地中に残る無数の残戦没者遺骨を探しつづける具志堅氏のそうした語りは、戦火と虐殺の時代に生きる私たちに、戦争犠牲者の死を悼み、再びその犠牲が生み出されないよう行動することの意味を問いかけているように見えます。

本編上映後は、本学大学院総合国際学研究院の上原こずえ准教授が司会をつとめ、奥間監督とのトークセッションも行いました。奥間監督には具志堅氏との出会いや撮影に至るまでの経緯、遺骨収集の現場での撮影中のエピソードを話していただいたほか、具志堅氏の活動に同伴する中で見えてきた、沖縄における平和教育・運動の「集団性」についても語っていただきました。

また、上映会の同日にはプロメテウスホール一階で写真展「土砂と遺骨をつなぐ」も開催しました。米軍基地建設に抵抗し資材となる土砂の運搬を遅らせてきた一歩一歩の不服従の行動と、戦死を強要した国家の責任を追及する遺骨収集の活動をとらえた写真の展示です。

会場には学内外から380名の方々の来場があり、上映会、トーク、写真展ともに盛況な会となりました。

(写真)トークセッションの様子
トークセッションの様子
(写真)上映直後の奥間監督からのあいさつ
上映直後の奥間監督からのあいさつ
(写真)司会の上原准教授による上映前の趣旨説明
司会の上原准教授による上映前の趣旨説明
(写真)上映会に合わせて写真展「土砂と遺骨をつなぐ」も開催した
上映会に合わせて写真展「土砂と遺骨をつなぐ」も開催した
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