TUFS Cinemaオセアニアのドキュメンタリー2本を同時上映
2024.05.21
2024年5月12日(日)、東京外国語大学 アゴラ・グローバル プロメテウス・ホールにて、オセアニアドキュメンタリー映画上映会を開催し、『クラ―西太平洋の遠洋航海者たち』と『女の島 トロブリアンド』の2作品の上映しました。
著名な文化人類学者であるマリノフスキーの研究に触発されて製作されたのが1本目の『クラ―西太平洋の遠洋航海者たち』です。島から島にわたって行われる儀礼的な物々交換とその交易に対する人々の情熱を追った壮大なドキュメンタリーです。このクラ交易は男性中心に行われますが、実は舞台となっているパプアニューギニアのトロブリアンド諸島は母系制社会としても有名です。2作目の『女の島 トロブリアンド』は、そのような母系制社会の内面に迫ったドキュメンタリーです。
上映後には、本2作品でディレクターを務めた市岡康子氏が撮影秘話を語ってくれました。文化人類学者で本学名誉教授の栗田博之氏が加わった対談では、撮影者をあえて作品の中に登場させるなど、ドキュメンタリーの作り方として新規的な試みが行われていた点が指摘されました。一方、現代の便利なデジタル技術にはないアナログならではの緊張感も貴重であったことなど、技術が革新的に進化する現代において、便利とは何かを考えさせられる密度の濃い対談が行われました。