日英通訳・翻訳実践プログラムの通訳実習で大学院生が同時通訳を実践
2023.12.15
2023年11月30日(木)、2023年度秋学期開講の「通訳翻訳実践研究2」において、大学院総合国際学研究科の日英通訳・翻訳実践プログラムの通訳実習が行われました。今回は学部生向けに開講されている「通訳基礎II」クラスとの合同授業で、オンラインツールZoomの同時通訳機能を活用した遠隔同時通訳が行われました。
同時通訳を行った大学院生4人の中から、富永大瑛さんのレポートを紹介します。
レポート:富永大瑛さん(大学院博士前期課程 日英通訳・翻訳実践プログラム2年)
今回の実習では、Zoom上で学部生のプレゼンテーションを英語から日本語へと同時通訳しました。私が通訳をしたのは、「ロマンス語の世界」と「イヤホンの世界」でした。発表は一人約4分間と決して長い発表時間ではありませんでしたが、事前に受け取れる資料はパワーポイントだけであり、より実務に近い形の実習となりました。
実習に向けては、事前に通訳を担当させていただく学部生の方々と打ち合わせをしました。打ち合わせ時間は限られていたため、質問事項に優先順位をつけてお話を伺うことで、可能な限り最善の準備ができるよう意識しました。私は自己紹介のあと、連絡先、プレゼンテーションのテーマ、専門用語の順に優先して質問しました。
打ち合わせ後は、頂いた発表資料を用いて、通訳時に訳が思い浮かばない用語を整理しました。用語とその日本語訳を頭に入れ、実習当日までの空き時間に復習することで、用語を聞けば自然と訳が思い浮かぶように意識しました。また、発表テーマであったロマンス語とイヤホンについて少し知識があったため、頂いたパワーポイントから話の流れを予想し、知識の足りない部分を補うよう学習しました。
実習当日は、事前準備の成果を発揮し、学部生からは期待していたよりも高い評価をいただきました。一方で、フィードバックとして通訳者4人の中でも訳出の仕方に違いがあったことを教えていただきました。訳出開始まである程度待つ人と、訳を小出しにしてすぐ訳出を始める人がいたとのことでした。この指摘から、私は前者のような、原発言が始まってから訳出開始まで時間がかかる方だと認識できました。その反面、発表者が発話していない、文章と文章の間でも訳出が終わらず通訳者だけが話し続けている状況を作っていたことに気がつきました。この訳出開始までの遅れが続いてしまうと、原発言についていけなくなった時に大きく情報を落としてしまうため、今後の課題として改善していきたいと思います。