(学生)ドイツ語学文学振興会奨励賞受賞
2018.05.31
本学博士後期課程に在籍する小林大志さん(総合国際学研究科言語文化専攻3年)が、第 58 回ドイツ語学文学振興会奨励賞を受賞しました。本賞は、1960年のドイツ語学文学振興会設立以来、36歳未満の研究者が書いた優秀な論文に対して贈られています。受賞した論文「Zur fehlenden Objekt-Lesart von Genitivkomplementen bei Nominalisierungen im Deutschen ― mit besonderer Berücksichtigung der primären und sekundären Kasuszuweisung(Linguistische Berichte Sonderheft 24)」は、ドイツ語における動詞の名詞化が題材となっています。
小林さんは2015年の夏に、本学のJoint Education Programのもと、ドイツ・ミュンヘン大学のサマースクールに参加し、本論文を書き上げました。Joint Education Program とは、本学が2014(平成26)年度に選定されたスーパーグローバル大学創成支援によるプログラムの一つで、大学院生を世界各地の本学協定校の関係分野の研究室に派遣し、研究力の向上に資する機会を提供するプログラムのことです。
授賞式は、2018年5月26日(土)、都内会場で行われました。
小林さんの受賞感想
この度は、第58 回ドイツ語学文学振興会奨励賞という名誉ある賞に与り、たいへん喜ばしく、光栄に思います。指導教員の藤縄康弘先生をはじめ、お世話になっている学内外の方々に心より御礼を申し上げます。また、この論文は2015年8月にミュンヘン大学で行われたサマースクール(Sommerschule zur germanistischen Linguistik)の成果として構想されたものですが、同サマースクールへの参加はTUFS Joint Education Programによるご支援により実現いたしました。同プログラムに携わる方々に特別の御礼を申し上げます。
私は現在、ドイツ語における動詞の名詞化について研究しております。名詞化というテーマは言語学において繰り返し取り上げられている題材ですが、私の研究は、名詞化の素材となる動詞の意味や文法的な特徴に積極的に注目するものです。名詞化という現象を手掛かりとして、動詞と名詞が文法においてどのように異なっているのかを明らかにすることを通じて、文法研究の中心である動詞の研究に対して有意義な貢献ができるのではないかと考えています。
今回の受賞を励みとして、これからもいっそう精進して研鑽を積み、研究を進めていきたいと思います。