修論を書いて

 

杉村麻衣子 (2000年3月博士前期課程修了 現在コロンビア大学大学院に在籍)

英語・スペイン語の文献が読めることは当たり前として扱われたことで、語学力が鍛 えられた。外国語文献はただ訳せればいいというのではなく、内容をかみ砕いて自分 の言葉で説明できなければいけないことを学んだ。

修士論文は、学部の卒業論文とは比較にならないほど厳しく指導される。私は、執筆 以上にテーマ選びに時間がかかった。でもその過程こそが、ものを考えるということ の訓練になったと思う。何を書くにしても研究史をしっかり押えることが基本中の基 本。執筆過程はとても苦しいですが、一旦構想ができあがれば楽しくもなります。文 献の読み込みも大変だが、論文を書くにあたっての日本語表現の難しさにも苦労させ られた。

外大の院は人数が少ないので、先生の指導がゆきわたっている点では非常によい。で も異なる地域や分野を研究する学生同士の交流がないのはよくない。ある地域の専門 性を深めるだけでなく、その研究の面白さを専門家以外の人にも分かってもらうよう な説得力を持つことはとても重要だと思う。