学部長メッセージ

川村 大

国際日本学部長

川村 大

 新しい学部へようこそ

 新入生の皆さん。合格おめでとうございます。新生の国際日本学部へようこそ。

 この学部の特色は大きく3点にまとめられます。

 第一に、日本という一つの地域を枠とした学部であること。日本をフィールドとして、社会、文学・文化、言語、言語教育などの多様な観点から日本の文化や歴史を捉えなおす学部です。様々な視点・研究手法を用いて従来の日本に対する見方を徹底的に対象化することを目指します。日々の授業や、多様な背景を持つ級友との接触をとおして、皆さんは時に、今まで抱いてきた日本に対するイメージが根底から崩れさるような経験をすることでしょう。その上で、客観的な根拠に基づく確かな知識を改めて積み上げていってほしいと思います。

 第二に、日本語と英語の両方を用いる学部であること。現在東京外大は全学的に英語による授業を増やしていますが、本学部はこの方向を一層明確にし、学部生全員にとって必修の英語による授業を5つ用意しています。その他にも英語による授業がいくつもあります。ただし、日本を対象とする以上、日本語による文献等の高度な読解力・分析力を同時に求めます。単に英語が使えればよいというわけではありません。卒業論文を英語で書くことはできますが、その場合も、日本語で書かれた一次資料を十分に読みこなす力や、日本語で要旨をまとめ、発表する発信力を求めます。

 第三に、日本人学生と外国人学生が共に学び、共に課題の解決に取り組む学部です。単に同じ授業に出席するというだけではなくて、課題解決型の授業に取り組むことで、異なる背景を持った人々と議論しながら共通の課題に取り組む姿勢を養います。この学部では、日本語の訓練のための科目を除き、すべての授業を外国人学生と日本人学生とが一緒に受講します。外国人学生だけを囲い込んで別の授業を受けさせるコースではありません。

 最近、「国際日本」を名乗る学部や学科があちこちで誕生していますが、この学部が「国際日本」を名乗るのは、上に述べたような骨太の理念があってのことです。

 東京外大では1985年の日本語学科設立以来、日本人と外国人が共に学ぶ教育課程を持っています。また、留学生向け予備教育の優れたノウハウを有する機関を抱えています。そうした伝統の上に立ち、新たな構想のもとにこの学部は開かれました。

 とはいえ、この生まれて間もない学部がどう成長するか、どのような雰囲気を持った学部になるかは、ここで学ぶ学生の皆さんの活躍次第で決まります。みんなで新しい学部を大いに盛り上げていきましょう。

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