東京外国語大学 総合文化研究所

総合文化研究所 催し物

ボーカロイドと多文化共生:ボカロP ・r-906の場合

日時:2024年4月26日(金)17:40-19:40
場所:東京外国語大学研究講義棟115教室

一般公開・入場無料・事前登録制(先着200名)
*事前申込者が定員を超える場合,申込みをお断りする場合があります。また事前申込者が 定員に満たない場合でも,事前登録を済ませた⽅に優先して⼊場していただきます。
こちらからご登録ください。 (学外の方の受け付けは終了いたしました)


講演者:r-906
企画者:田島充士(東京外国語大学)
コメンテーター:山本登志哉(発達支援研究所)

=企画趣旨=
 現代において,インターネットを介したアート活動は活況を呈している。特に⾳楽を制作しイ ンターネットで配信する作家は,「ボーカロイド」(ヤマハ株式会社が開発した、歌声合成ソフ トウェア︓ボカロとも略される)および「初⾳ミク」(クリプトン・フューチャー・メディア株 式会社)に代表されるバーチャルシンガーソフトウェアの存在もあり、ネットカルチャーの中⼼ 的存在となっている。作詞・作曲・MV制作まで⼿がける彼らは,「ボカロP」と呼ばれる。
 ネットカルチャーの特徴として,作家と鑑賞者との距離が近いことがあげられる。作家は動画 サイトやSNSなどで,多様な関⼼を持つ鑑賞者による,⾃分の作品に対する評価をダイレクトに 知ることができる。またその反応を,⾃らの作品づくりに活かすこともできる。その意味では, 彼らの活動は,様々な属性や関⼼を持つ他者の異質な視点をより意識した「対話」(M.M. バフ チン)として展開するものといえる。そしてその姿は,多様な⽂化的視点を持つ他者との「多⽂ 化共⽣」を⽬指すコミュニケーションモデルの⼀つにもなり得る。
 本講演では,アートシーンを鮮やかに駆け抜ける気鋭のボカロP,r906⽒を招き,ネットカ ルチャー最前線での活動をご紹介いただく。r906⽒はリスナーの多様な解釈を可能にするユニークな楽曲構成や研ぎ澄まされた歌詞の制作で,⾼い評価を受けている。作詞・作曲活動にお いて,ネット越しに待ち受ける他者の視点といかに対話を続けるのかというアート活動について お話いただく。また多⽂化共⽣を実現する交流のあり⽅についても,発展的に展開する。
 ⾳楽制作やネットカルチャーに関⼼を寄せる者はもちろんのこと,本学が探求⽬標とする多⽂ 化共⽣の実現に関⼼を寄せる者の参加を広く歓迎する。
(「VOCALOID(ボーカロイド)」および「ボカロ」はヤマハ株式会社の登録商標です。)

=講演者紹介=
 ボカロP。2018年より活動開始。The VOCALOID Collection Spring 2022への出品作『まに まに』が1位を獲得し,注⽬を集める。ドラムンベースを⽤いた独特の曲構成・研ぎ澄まされた 抽象性の⾼い歌詞などで知られ,各種イベントでの講師等を務めるなど,その活躍の幅を広げて いる。2024年現在,もっとも注⽬されるボカロPの⼀⼈である。


主催:東京外国語大学・総合文化研究所
協力:クリプトン・フューチャー・メディア株式会社


連絡先:r-906[at]tufs.ac.jp
※[at]を@にかえて送信してください。