東京外国語大学 総合文化研究所

総合文化研究所 催し物

多文化教育研究プロジェクト 連続セミナー「多文化共生としての舞台芸術」        第6回「演劇は誰のもの? 南米演劇にみる多文化共生」

日時:2022年12月6日(火)18:00〜19:30

Zoomウェビナーでのオンライン開催(一般公開・参加費無料)

参加ご希望の方は、こちらのフォームよりお申し込みください。

 

講師:吉川恵美子

 ラテンアメリカ演劇史。1982年早稲田大学大学院芸術学専攻演劇学専修博士課程満期退学。1978〜1982年にかけてメキシコ国立芸術院演劇学校とメキシコ国立自治大学に留学。2022年3月まで上智大学外国語学部イスパニア語学科教授。現在は上智大学名誉教授。ラテンアメリカ現代演劇の諸相について研究してきた。中心課題は、メキシコとコロンビアにおける佐野碩(1905-1966)の足跡調査。著書『佐野碩 人と仕事』(共著、藤原書店)など。国際演劇協会ITIが発行するTheatre Year Bookに長年、ラテンアメリカの演劇事象について寄稿してきた。HP: https://huehuecoyotldiosad.wixsite.com/teatro/home

内容:
 ラテンアメリカには33の独立国といくつの植民地があるので、ラ米演劇をひとくくりにはできないが、共通するいちばん大きな特徴は、植民地時代を経験していることだろう。植民地時代に臍の緒がつながるイベリア半島の演劇伝統から脱け出し、新しい演劇のかたちをつくり出すことが20世紀のラテンアメリカの課題だった。今回の講座では、こうした歴史的背景を概観したのち、現代の南米の演劇事例のいくつかに注目したい。ペルーの『ナイフのロサ』は、戯曲の再現を命題とせず、劇団員自らが調査探求した主題を作品化し、地域住民の意識改革を促した。コロンビアからは、政治動乱ゆえに避難民として移動を余儀なくされた女性たちに対するエンパワメント演劇の事例を紹介したい。また、こうしたダイナミックな演劇事象を可能にするラ米地域内の連携や国際的な連携にも触れたい。

主催:東京外国語大学 言語文化学部

共催:東京外国語大学 総合文化研究所

問い合わせ先:アシスタント 横山綾香 yokoyama.ayaka.o0[at]tufs.ac.jp ([at]を@にかえて送信してください)