pun には「~も(また)」という、追加の用法以外の用法も存在します。
この用法の pun は、「~さえ、~だって、~だとしても」のように、pun の前の表現が極端なケースであることを表します。極端なケースを引き合いに出すことで、普通の場合には当然であることを示唆します。
Tidak
ada
seorang
pun
yang
menyokong
pendapatnya.
「彼(女)の意見を支持する人は一人もいませんでした。(複数人なんて当然いない。)」
Bunga
ini
tahan
lama.
∆
Tidak
diberi
air
pun
boleh
hidup
berminggu-minggu.
「この花は長く持ちます。水を与えなくとも、何週間も枯れません。(普通に育てれば、かなり長生きします。)」
Hutang
yang
dulu
pun
awak
belum
bayar.
「前の借金だって君はまだ払ってない。(新たに借金しても返すはずない。)」
Huuhh, saya
nak
cakap
pun
segan.
「あー、話すのも恥ずかしいよ。(話して知られてしまうのはもっと恥ずかしい。だから、話したくない。)」
sahaja/saja/je、juga(k)、pula(k) と同じく、pun にも話者の態度を表す用法があります。断言の pun は普通、述語の後に置かれます。
この用法の pun は、話者が事態を目撃していたりして、その事態が事実であることを確信しているため、聞き手に反論の余地を与えることなく断言するときに用います。否定文では「全然~、全く~」のように強い否定の意味が出ます。実際の事態が話者の期待や予想と異なっていて、失望や苛立ちなど否定的な気持ちを表すことが多いです。逆に、事態が話者の期待や予想の通りの場合には、「やっぱり~、ちゃんと~」のような確認・念押しの表現になります。
Dah
lama
kita
tunggu,
Iman
tak
datang
pun?
「私たちもうずーっと待ってるってのに、イマン、全然来ないじゃない?」
Najib
tak
pernah
bayar
tol
pun.
Sebab
tu
dia
naikkan
harga
tol.
「ナジブは通行料金なんて払ったことないに決まってるさ。だから通行料金を値上げするんだ。」
Ha,
tau
pun
kau. ∆
Tau
takpe .
「な~んだ、お前、ちゃんと分かってんじゃん。分かってんなら、大丈夫。」
関連した用法として、「もう~」という意味の助動詞 sudah、telah の後に置かれる pun があります。sudah pun、telah pun は、事態が「きちんと、確かに」完了していることを伝えます。
Kami
sudah pun
mengucapkan
tahniah
kepadanya
banyak
kali.
「私達はもう何度も彼(女)におめでとうと言いました。」
pun には他に、「そこで~、それで~」のように、ある事態が前の事態を受け、進展して生じたことを表す用法があります。このような pun は、できごとを起きた順に述べていく、物語文などによく見られます。時間的進展の pun は、主語の後に置かれます。
Pada
suatu
petang,
tiba-tiba
aku
teringat akan
keluargaku
di
kampung. Aku
pun
segera
menelefon
ibu bapaku
untuk
bertanya
khabar.
「ある日の午後、突然僕は田舎の家族のことを思い出した。そこですぐに僕はどうしているか尋ねようと、両親に電話した。」