東京外国語大学の強み

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将来、商社マンになりたいと思い、貿易で日本と関係の深いタイの言語を専攻しました。とはいえ、入学後はろくに勉強もせず、野球漬けの日々。硬式野 球部のレギュラーとしてレフトの4番を務めました。学業成績は、笑ってばかりの「可可可可可」。最後は「野球部 野球語学科卒業(笑)」ということで、 先生に卒業を認めていただきました。

卒業後はトヨタ自販(後にトヨタ自動車と合併)に入社。東南アジアを中心に、中近東やヨーロッパ、アメリカ、中南米など世界60カ国を飛び回るなかで、日本とは文化・宗教も仕事に対す る考え方も違うことを理解したうえで、 相手とつきあうことの大切さを学びました。相手の立場に立って考えることの大切さを理解しないかぎり、真のグローバル化は達成できないと思います。

大きな転機となったのは、40代で人事部門を経験したこと。技能系人事を任された私は、農道を車で走って工場を回り、現場の人たちと話をしました。夜は研修所で寝泊まりし、血気盛 んな男たちと酒を酌み交わしながら、トヨタの方針について理解を求めるわけです。グローバルとはかけ離れた世界でしたが、現場でものづくりの大切さを学び、本当の意味で"メーカーの人間" になることができました。営業畑を歩 いてきた私にとって、生産・製造と販売 の両方を経営的な視点から俯瞰できたことは、後に経営の仕事をするうえで とても役立ちました。

多くのアルバイトを経験したことも、 社会に出てから役に立ちました。家庭教師や土木作業、天津甘栗売り、野球 場の掃除などを通して多くの出会いが ありました。若い頃に人間に関心をもち、コミュニケーション力を磨いたことは、私にとって大きな財産。学生時代は好奇心をもち、挑戦してほしい。その経験は、後で必ず生きてきます。東京外大は、アットホームな雰囲気があり、同窓の先輩も後輩に温かく接してくれます。グローバルに活躍したい人にとっては、東京外大はワン・ノブ・ ベストだと思います。

 

プロフィール
棚田京一(トヨタ自動車 常務役員、トヨタ・モーター・タイランドプレジデント)

1954年東京生まれ。1979年旧トヨタ自動車販売に入社。2009年7月からタイ国トヨタ自動車取締役社長。12年4月トヨタ自動車常務役員就任後、15年4月アジア・中近東本部本部長、トヨタモーター アジア パシフィック エンジニアリングアンド マニュファクチャリング取締役社長、トヨタモーター アジアパシフィック 取締役社長就任。


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