日英通訳・翻訳実践プログラムの通訳実習で大学院生が同時通訳を実践

2023.07.03

2023年6月23日(金)、2023年度春学期開講の「通訳翻訳実践研究1」において、今学期2回目となる大学院総合国際学研究科の日英通訳・翻訳実践プログラムの通訳実習が行われました。今回は学部生向けにオンラインで開講している「通訳概論」との合同授業で100名近くが参加し、オンラインで同時通訳を行う遠隔同時通訳の実践となりました。

通訳実習に参加した大学院生の中から、伊藤由乃さんのレポートを紹介します。


レポート

伊藤由乃さん(大学院博士前期課程 日英通訳・翻訳実践プログラム2年)


今回は、Zoom(Web会議サービス)の同時通訳機能を利用し、学部生との合同授業の中で、オンライン上で通訳実習を行いました。大学の卒業式で卒業生に向けて贈られたスピーチを題材として、学部生を聴衆に英語から日本語への遠隔同時通訳を行いました。

卒業式のスピーチというところで、通訳の目的を考え、これから社会へ旅立つ卒業生へのはなむけの言葉を、いかに自然な日本語でメッセージ性を損なわず伝えられるかと、登場する言葉について背景情報を調べ、実際に通訳する際の表現にこだわり、クラスメイトと意見交換をしました。その中で、単位を統一したり共通の語彙録を作成したりといった工夫をおこなっていました。また、オンラインであっても観客への意識を忘れずに、内容だけでなく、発話の仕方・スピード感・アイコンタクトなど、通訳者としての伝え方についても意識をしたことで、より良いパフォーマンスができたように感じます。

今回は、初めての遠隔通訳の実習ということもあり、遠隔通訳環境としての音声・通信などの環境の確認・準備から入りました。また対面とは異なり、同じ通訳チームの通訳者同士のコミュニケーションも遠隔で行わなければなりません。クラスメイトの通訳者同士の連絡を別回線で繋ぎ、コミュニケーションを取るのですが、事前に何度も打ち合わせを行い、通訳者交代のタイミングや合図、雑音や通信トラブル等、遠隔通訳ならではのアクシデントに対する対応まで念入りに取り決め、リハーサルや通し練習で、協力体制を強固にしていきました。その甲斐もあり、本番ではトラブルなく最後まで通訳を行うことができました。

学部生からは、通訳者交代のスムーズさや、訳出の際の自然な表現、統一された話し方・スピード感といったところで良い評価をいただき、ここまで準備を行い実習をやり遂げたことに達成感とチームワークの大切さを感じました。昨今、コロナ禍をきっかけにオンライン上での通訳が増加していることもあり、今回の実習で、遠隔での通訳の進め方について準備・本番含め一通り経験をさせていただいたことは、非常に貴重な学びとなりました。

同時通訳を担当した大学院生
合同授業の参加者一部その1
合同授業の参加者一部その2
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