プロ登山家 竹内洋岳氏を招き、建学150周年記念講演会を開催

2023.06.19

2023年6月13日(火)、東京外国語大学の建学150周年記念事業として、プロ登山家の竹内洋岳氏(所属:ハニーコミュニケーションズ、立正大学客員教授)をお招きして講演会を開催しました。竹内氏は2012年に日本人初の8000m峰全14座登頂を達成した日本を代表する登山家の一人です。

講演は、8000m峰14座挑戦の軌跡を紹介する迫力ある動画上映から始まりました。標高8000mの世界の概説に続き、上意下達型の日本式登山と、ディスカッション型の国際登山チームの挑戦スタイルの違いや、言葉に頼らないコミュニケーション、チームの下っ端メンバーとしての居心地の良さなど、数々のエピソードが披露されました。

講演会の後半、10座目の挑戦となるガッシャーブルムII峰に登頂中、雪崩に巻き込まれ奇跡の生還を遂げるも、チームメンバーを失ったことを知らされ、またそのことによって彼が使うはずだった酸素ボンベが自分の命を繋いでくれたことに気づき、また一つ新しい登山哲学を体得するに至るというくだりが、竹内氏の慎みをもった語り口と相まって、聞き手を大いに魅了しました。竹内氏のひょうひょうとしたキャラクターとのギャップに驚く聴衆も多く、アンケートには多数のコメントが寄せられました。

(アンケートより)

  • 生と死の狭間を味わった経験の話を通して、生きる事の大事さ、大変さを理解できた。
  • 登山後の「次の山へ行くために下る」という発想は新鮮に感じた。
  • 登山の動機、原動力は人と繋がる、知り合うこと。「人と出会うために山に登る」という言葉が良かった。
  • 自分なりの「山」を見つけ挑戦することが人生なのではないかと考えさせられました。

講演後の質疑応答では、今春入学したばかりの新一年生からも質問があるなど、およそ100名の参加者との交流も和やかに行われました。



竹内氏は講演会に先立ち、在学生とのフリートークイベントにも参加し、ワンダーフォーゲル部のメンバーらと、トレッキングの魅力やネパールや日本の山々について歓談しました。

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