シリア人PCS修了生が制作した広島と陸前高田を舞台としたドキュメンタリー映画を上映、トークセッションを開催

2022.12.08

2022年12月7日(水)、アゴラ・グローバル プロメテウス・ホールにおいて、TUFS Cinemaシリア人留学生(本学Peace and Conflict Studies [略称、PCS] コース修了生)製作「日本:灰と瓦礫からの復活」上映会を開催しました。

本作は、内戦がつづくシリアからの留学生が見た「広島」(戦争による原爆)と「東北」(自然災害)、それぞれの復興、被災者の証言を通じて紹介するドキュメンタリー映画です。原爆、そして津波が、政治的、社会的、経済的に日本にどのような影響を与えたのか、その後、日本がどのようにして復興に至ったのかを数々のエピソードを交えて検証しています。世界各地で争いや戦いが起きている今日、戦火に見舞われている人々に、「どんな状況にあっても将来は明るい」という希望を与える作品です。

上映会では、本編上映後に、本学大学院総合国際学研究院の篠田英朗教授、本学大学院PCSコース(*1)修了生で本作製作者のモハマド・マスリさん(早稲田大学大学院博士後期課程在籍)とマフムド・シェイケ・フセインさん(ジャーナリスト)によるトークセッションが行われました。トークセッションは、英語で行われ、本学大学院日英通訳・翻訳実践プログラム(*2)の博士前期課程2年生4名(阿戸ちはるさん、大畠徹也さん、清本音々さん、田村有咲さん)が同時通訳を務めました。

トークでは、撮影・製作を通して印象に残ったこと、被災者へのインタビューを通して感じたことなどについて議論が交わされました。「被災した時の日本の精神の中東などの他の地域との違いが印象的で、復讐という形ではなく、政府・市民が一丸となって復興に力を注いできた姿が印象的」とマスリさん。「シリアだけでなく世界中で戦争や紛争が起きている。カメラを向けることは危険を伴うこともあるが、自分のカメラで世界に示していきたい」とフセインさんは語りました。同映画にも出演した篠田教授は「PCSコースの修了生と一緒に製作することでき、また出演という形で自分の研究を役立てられて嬉しい」と話しました。質疑応答の時間も設けられ、来場者からは、多くの感想やコメントが寄せられました。

会場の外では、今回の上映会に合わせて、アフガニスタン避難民家族による写真展が行われました。


*1 本学は、大学院総合国際学研究科世界言語社会専攻に、Peace and Conflict Studiesコース(博士前期課程)/ Peace and Conflict Studiesプログラム(博士後期課程)を設け、紛争を抱えた地域の諸大学とのネットワークを活用した紛争・平和構築に関する研究を推進し、国際社会で活躍し、平和構築に寄与する国際的リーダーを養成しています。10月入学で、教育はすべて英語で行われています。

*2 本学は、大学院総合国際学研究に「日英通訳・翻訳実践プログラム」を設けています。本学で行われる講演会や授業で同時通訳の実習経験を積んでいます。近々、大学トピックスにて、今回の上映会の通訳実習の詳報を掲載予定です。

トークセッションの様子(左から、フセインさん、篠田教授、マスリさん)
質疑応答の様子
同時通訳は日英通訳・翻訳実践プログラムの大学院生が担当
同時通訳の様子
アフガニスタン避難民家族による写真展の様子
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