タイの詩をテーマに目の不自由なタイ人作家と本学タイ語専攻学生が交流

2021.08.02

2021年5月27日(木)、本学でタイ語を専攻する学生が、授業科目「タイ語 作文3」(担当講師:スニサー・ウィッタヤーパンヤーノン特任教授)のアクティブラーニングの一環で、目の不自由なタイ人作家の方々(「BLIND Magazine Online」の作家)とオンライン授業を実施しました。この交流は昨年度に続き2回目となります。昨年度のテーマは「音」でしたが、今年度は「詩」です。

5月27日(木)の授業では、タイの詩の特徴である、韻/リズムについて、基本的な理解を深めた後、日本人学生とタイ人作家、そしてタイの大学生も加わった混成グループで、詩の創作演習を行いました。この授業で講師となっていただいたリンサッター・ガンチャナワティーさんはタイ教育省の賞を受賞した他、東南アジアの賞にもノミネートされた実績のある方で、非常にわかりやすい授業を行っていただきました。6月3日(木)には、逆に日本人学生がタイ人作家の方々に各自で調べた日本の詩を紹介しました。タイ側の参加者の方々は、興味深く聞き入っていました。

この取り組みは、タイ国で「タイ語の日」に制定されている7月29日(木)にタイの公共放送Thai PBSのニュースで取り上げられました。YouTube動画で、そのニュース映像が配信されています。
https://www.youtube.com/watch?v=CHOZvpiqZb4

ニュース映像の要約

アナウンサー「新型コロナウイルスの感染が拡大する“今”をテーマにした授業のレポートです。」

アナウンサー「今日、7月29日はタイ国においては“タイ語の日”です。タイと日本の間で詩を通して実施されたオンライン交流授業をご紹介します。目の不自由な作家で、詩に関する著作も持つリンサッター・ガンチャナワティーさんは、東京外国語大学の学生にタイの詩に関する授業を行いました。リンサッターさんは他の作家とともにタイの詩を教え、日本人学生は日本の詩について説明しました。それでは、その授業の様子を見ていきましょう」

リンサッター 「私はリンサッターです。今日はタイの詩についてお話ししたいと思います。スニサー先生にお声をかけていただき、今回、皆さんと交流することができました。私はタイの大学で、音節に着目して、詩の韻/リズムを教えています。今回、授業をするという経験を通して学んだことは、外国人に教える時は、できるだけわかり易くなるよう言葉を選ぶことが大切だということですね。」

(音節の理解を深めるためのセッション)

リンサッター 「基本的な詩の作り方をご紹介した後、学生と作家、そしてタイの大学生も加わって、グループを作り、詩を作る演習を行いました。10分もしない内に詩が出来上がってきました。少し聞いてみましょう。」

(作成した詞を発表するセッション)

リンサッター「2回目の授業では日本人学生が様々な日本の詩を紹介してれました。その中で、金子 みすゞという詩人のことを紹介いただきました。彼女は若くして自殺してしまったとのことですが、彼女が生きた時代は、女性が働ける機会も限られており、当時の日本の女性の状況を伺い知ることができました。オンライン授業は、目が不自由であると、正直、簡単ではありませんが、非常に興味深いものでした。コロナが収束したら、日本人の学生たちと交流したいですね。」

学生「タイ語学習のモチベーションが上がりました。」

学生「皆さんと一緒に詩を創作することができて楽しかったです。」

アナウンサー「新型コロナウイルスも、こうしたすばらしい授業の取り組みを妨げることはできません。これは、まさに新しい授業の形です。新型コロナウイルスが拡大していても、異文化交流が行われていて、とても興味深いです。」

オンライン授業の様子
オンライン授業の様子
PAGE TOP