大学院日英通訳・翻訳実践プログラムで同時通訳実習を実施

2023.01.31

2023年1月16日(月)、大学院総合国際学研究科日英通訳・翻訳実践プログラムの2022年度秋学期「通訳翻訳実践研究2」科目において、今年度最後となる同時通訳実習が実施されました。今回は、学部生とのコラボレーション授業で、遠隔同時通訳実習を行いました。

実習に参加した大学院生2名(阿戸ちはるさん、清本音々さん)のレポートを紹介します。

レポート:阿戸ちはるさん(大学院博士前期課程 日英通訳・翻訳実践プログラム2年)

Zoom(Web会議サービス)の遠隔同時通訳機能を利用し、学部生のプレゼンテーションの通訳を行いました。本番に向けて、学部生から共有いただいた発表資料をもとに準備を進めました。自身にとって特に馴染みのない分野の内容であったため、インターネットや書籍を活用しながら周辺知識の学習に多くの時間を割きました。訳語を検討する際は、英語圏の関連サイト等からどのような英語表現が使用されているかを確認し、表現の習得に努めました。一部の専門用語については対応する英語表現が見つからず、本番まで納得のいく訳出方法を考え出すことができなかった点は課題として残りましたが、学部生からのフィードバックでは「わかりやすかった」とのコメントをいただき、事前準備の成果も感じることができました。また、前回発生した音声トラブルも使用機器のテスト等を徹底したことで今回は事前に防ぐことができ、今年度最後となる実習を無事終えることができました。

この1年間、様々な形式での実習を通して、背景知識を習得したり、毎回異なる環境下で臨機応変に対応したりすることの重要性を学びました。今後も通訳の現場に限らず、実習で学んだこのような業務への向き合い方を大切にし、自身の成長に繋げていきたいと思っています。

レポート:清本音々さん(大学院博士前期課程 日英通訳・翻訳実践プログラム2年)

今回の実習では通訳に先立ち、発表者から発表資料と発表原稿の共有を受けていたのですが、なじみのない題材に関する通訳であったため、まずは情報収集から始めました。発表内容よりも踏み込んで調べることにより、内容理解につながりました。事前準備は、単語リストを作成して、音を聞いて即座に反応できるように「クイックレスポンス」と呼ばれる単語練習を中心に行いました。特に固有名詞が多かったので、日本語・英語両言語での正しい表記や発音を調べて、重点的に練習を行いました。

遠隔での同時通訳は何度か経験がありましたが、環境設定の確認などの準備は怠らずに臨みました。その甲斐もあってか、トラブルなく最後まで通訳を行うことができました。しかし一方で、課題点も浮き彫りになりました。今回私は2人の発表者の通訳を連続して担当しましたが、最後まで体力・集中力を持続させることができませんでした。また、意識的に抑揚のある話し方を心掛けてはいましたが、実際には「もっと抑揚をつけた方が良い」との指摘もありました。訳出面のみならず、発話の仕方に関してもまだまだ改善していく必要があると感じています。

今年1年間で、様々な形態の通訳実習を行い、実習を通じてより実践的に通訳を学ぶことができました。貴重な経験をさせていただいたことに深く感謝いたします。

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