本学イディッシュ語教育が米イディッシュ語新聞で紹介

2017.03.02

本学では2016年度より鴨志田聡子先生によるイディッシュ語の授業が開講されています。この授業に関する記事が、"What Are Japanese Yiddish Students Searching For?"と題して、アメリカ合衆国ニューヨークで発行されているイディッシュ語新聞 The Yiddish Daily Forwardの2017年2月23日号に掲載されました。

記事の概要

東京外国語大学でイディッシュ語のクラスが開講され、1学期、3ヶ月という短い間だったが、28人もの学生が受講した。

東京外大は、様々な外国語の専門家を育成する大学である。
イディッシュ語を受講したのは、ポーランド語専攻、ドイツ語専攻の学生が多く、ヨーロッパやアジアの様々な言語を専攻している学生もいた。学生たちの多くは自分たちの専門分野を追求する上でイディッシュ語に興味を持ち、同大学でしか学べないものを学びたいと考え受講した。

講師は、最初に学生たちが授業に求めることについてアンケートをとることから始めた。授業では読み書きや会話練習の他に、実際にイディッシュ語を聞くために海外のイディッシュ語話者とインターネットでビデオ会議を実施した。ビデオ会議は 隔週で行い、近況について述べたり、絵本を朗読したり、または質疑応答もあり、イディッシュ語に触れる良い機会となった。

府中市のキッチンを借りて調理実習を行ったアクティブラーニングにおいて、学生たちは、ポーランドやドイツで同じ料理を食べたことに気付いた。このことによりイディッシュ語を話す人々がドイツやポーランドの文化の影響を受けていることを認識した。
最後の授業では、イディッシュ語について、学生たちにアンケートをとった。

「ユダヤ人の言語を通してヨーロッパの歴史や文化についての知識をさらに深められた」「これまで歴史や政治の話題でしか聞かなかったユダヤ人について、言語を通して知ることができてとても新鮮だった」「インターネットでイディッシュ語話者とコミュニケーションできてよかった」「とても面白かったので続きがもっとやりたい」等の回答があった。

ユダヤ人が周囲に居住していなかった日本人にとって、ユダヤについて読んだり聞いたりしたことはあるけれど、学ぶ機会は少なく、ユダヤもイディッシュ語も、日本ではあまりたくさんのことは知られていない。
授業を通して、日本人の学生がユダヤ人の言語を学び、自分の専門知識を深め、ユダヤ人の歴史や文化を知ることができる。 現在、イディッシュ語の教材のほとんどがユダヤ人のために書かれており、ユダヤについての前提知識がない人にとって、容易には学べない場合が多い。今後ユダヤ人ではない人々がイディッシュ語を学びやすいように授業を工夫した教材作りを進める必要がある。
以上

空白

記事は こちら からご覧いただけます。
参考
2017 年度 世界教養プログラム 世界のことばA イディッシュ語の世界を知る
担当教員:鴨志田聡子先生





PAGE TOP