ネクロポリティクス 死の政治学
- 刊行
- 著者等
- アシル・ンベンベ(著)、岩崎 稔(訳)、小田原 琳(訳)
- 出版社
- 人文書院
内容の紹介
現代は極度に進行する不平等、テロル、戦争、そしていまなお続く植民地主義の時代である。本書はファノンの精神医学的な分析をもとに、フーコーの生政治の概念を発展させ、どのように政治から民主主義が退出し、憎しみの社会へと変質しているのかを論じる。生政治と死政治が絡み合い人間性を蝕み剥奪するこの世界において、いかにして旧来の人文主義(ヒューマニズム)を克服し、「全-世界」(グリッサン)的な人間の共同体を考え直すことができるだろうか。カメルーンに生まれ世界の哲学を牽引する思想家による、全人類への警鐘の書。
著者等のコメント
小田原 琳 (大学院総合国際学研究院/教授)
本書は、カメルーンに生まれ、ヤウンデ大学で学んだのちフランスに留学し、フーコー、ドゥルーズ、デリダから大きな影響を受けた政治思想家ンベンベが、植民地主義と人種主義、それによって正当化される暴力なくして、ヨーロッパも、ヨーロッパの知的伝統も成り立ちえなかったことを論じています。その延長線上に、ガザでの圧倒的な力の不均衡のもとに振るわれる武力や、私たちの身の回りで起こる、人種的マイノリティに対する制度的な、また日常的な差別と暴力があります。さまざまな機会に異文化に触れ、考えることの多い、本学で学ぶ方たちに、ぜひ読んでいただきたいです。本学名誉教授の岩崎稔先生と小田原の共訳です。
