<イノベーション>という言葉が色んな所で使われる昨今ですが、故意的なものもあれば偶然なものもあり、【創出】ともなると、トライ・アンド・エラーの重要性を熟知する人材の育成が大きな目標になるものと、担当者レベルで勝手に考えている次第です。

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イノベーションと言って私が最初に思い起こすものは、「初音ミク※1」によるDTM※2界の変容でしょう。

(「でしょう」といいつつ、DTMをやっている人かニコニコ動画に入り浸っている人限定でわかってくださるものと思いますf^^;)

従来、歌ものの作曲において、独りで活動していた、シンガーソングライターではないアマチュアミュージシャンは二の足を踏む傾向にありました。

そもそも歌ってくれるボーカリストがいない・・・であったり、作ったとしても歌うには難儀なメロディーラインになっているため非難されるナドナド、色んな原因はあったと思います。

しかしながら、潜在的に需要のあった上述の人たちと、そのキャラクターの見た目と「商用でなければ著作権フリー」という点が功を奏し、ニコニコ動画内で急速に支持を得、今ではDTMer※3にとっては、なくてはならないソフトウェアとなりました。

また、この現象はさらなるイノベーションを起こしました。それはDTM人口の急増によるPC作曲ツールの廉価・高性能化です。

初音ミクショック(勝手に名付けましたが・・・)以前にDTMを行っている者は、私も含め少数であり、そのためか機材は高価なものばかりでした。

・・・が、今となっては、当時<初期投資は最低100万円>と言われていた時代とは打って変わり、PC含め10万もあればしっかりとした曲が作れる時代になりました。

誰が想像できたでしょうか。

そのソフトウェアの流行に留まらず、業界全体の活性化に寄与した・・・。まさに連鎖的イノベーションを生み出した良い例でしょう。
(機械的な歌声が好まれるようになった点を良いとするか悪いとするか、その判断はご覧くださっている方々にお任せします。)

故意的なものと偶然が重なると爆発的な力になるのだなぁ・・・と、発売当初に購入した初音ミクのパッケージをみて、ふと思った次第です。

ちなみに、近年では日本語をスムーズに読ませるソフトウェアも発売されたり、無料で使用できたりと、今度は動画作成の業界にもその波が届いています。どこまでこの波は進むのでしょうか。

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※1:音符やブレスの強さなどを調整し、歌詞を歌わせることができる、株式会社インターネット「ボーカロイド」のキャラクター

※2:Desk Top Musicの略。パソコンを使用しての音楽作成全般を指す

※3:DTMをしている人たちのこと

MIRAI推進室:久納