今年度のMIRAIゼミは、MIRAI奨学生が2人ずつグループになってそれぞれがメインとサブの役割分担をし、1グループが年度内に2回、ゼミの進行役を担当することになりました。

1回目と2回目でメイン担当とサブ担当が入れ替わります。

メイン担当: テーマ決めやファシリテーターをする

サブ担当: メイン担当がディスカッションやワークを進めるのをサポートする

(例えば、板書やメイン担当者が苦手とする作業の補助)

今回は、5月11日に実施したAグループ進行によるMIRAIゼミの内容を紹介します。

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↑ 討論中!

以下、Aグループの活動報告です。

1)進行役

Aグループ(メイン:小林、サブ:吉武)

2)ゼミ前の課題

議題のフックとして、次の2点の資料を事前に読んできてもらうこととした。

1:「研究は戦争を止められないのか

2:「Why Literature?

3)ゼミの進行

今回のゼミは、Aグループ(小林・吉武)の進行によって、以下の流れで行った。

14:20 ~ 14:40 議題の提供

14:40 ~ 15:50 議論

15:50 ~ 16:00 休憩

16:00 ~ 16:30 総括

【議題】

・研究の意味とは何か ?

・研究が社会に果たせる役割とは何か

・実学的/実利的な研究だけに価値があるのか(実学的でない分野の研究は社会に何を還元しているのか) ・なぜ文系の研究は "役に立たない" とされるのか

4)ゼミを振り返って(進行役あとがき)

「研究の意味とは何か」という根本的なテーマでMIRAIゼミの初回議論を進めたが、結果として最初にこのテーマで議論をしておくことは非常に有意義なことだったと感じた。

議論の中では特に、「支配的な言説の土台となっていることは何か」「隠されている前提があるのでは」といった批判精神の重要性を再認識でき、またその批判精神こそ研究の"成果"ではなく"過程"に見出せる研究の意味・価値なのだろうと思う。

改めて、異なる研究の文脈・背景にあるゼミのメンバーと議論を交わすことは得難い経験であり、とても面白いものだと実感した。次回以降のゼミも大変楽しみだ(小林)

文系 (人文科学) の代表的な分野として文学があり、文系の各分野の研究者は文学作品を研究手法 (一次文献) として使用する機会が多い。にもかかわらず、世間では文学の実用性を問う質問が絶えない。そこで、私たち "文系の研究者" にとって身近な存在である "文学" を出発点として文系の研究の意味を議論したことは、非常に有意義な活動だった。

世の中には多様な価値観が存在するのだから、研究の有用性は時間・場所・人や動植物によって変化するということを議論の中で認識させられた。一方で、いくら実利性が大切であるとはいえ、周りの人を取り込む面白さは忘れてはならず、それを大切にして研究を行うことの重要性を理解させられた。

多くの研究者と議論をすると様々な意見が飛び交う。次回のゼミではどのような視点の問題がテーマとなるのか楽しみだ。(吉武)

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↑ 休憩中・・・リラックスタイム ♪