MIRAIプログラムD2生の曽根です。

6月16日、TReNDセンターで駒込武『統治される大学――知の囲い込みと民主主義の解体』(地平社、2024年)の読書会を開催しました。本書は、大学問題について積極的に発言と運動を続けてきた研究者である駒込武さんによる、近年の国主導の大学「改革」をめぐる同時代史的レポートです。今回取り上げた章では、2004年の国立大学法人化以降の大学政策の結果、大学における自治的・民主的プロセスがいかにして解体されつつあるのかが論じられています。

ところで、なぜいま、あらためて大学について考える必要があるのでしょうか。MIRAIプログラムの理念のひとつに「研究と社会の接続」があります。それは敷衍すれば、「象牙の塔」としての大学に籠ることなく、研究成果や学知を広く社会へ還元していくということでしょう。確かに、大学の外へ出ていくことは重要です。しかし、研究と社会の接続が言われるとき、その眼は社会という外部にのみ向けられ、研究が行われる場(のひとつ)としての大学が現在どのような状況に置かれているのかという問いがおろそかになってはいないでしょうか。大学の外へ出ていく為にこそ、まずは一歩踏みとどまって自分たちが依って立つ場所である大学について考え直す必要があるのではないでしょうか。そうした問題意識から、この読書会を開催しました。

当日はMIRAI生以外も参加し、活発な議論が交わされました。議論の中では、大学における自治的・民主的プロセスの解体という問題と関連して、本学で実施された授業制度改定や現在進められようとしている大学院改組について、執行部は教職員や学生と十分な情報共有や対話を行っているのかといったことも問題となりました。本書で描かれている各大学の状況と、本学も無縁ではないことを再確認しました。

読書会を通じて私が学んだことのひとつは、大学でいま起きていることは社会状況の反映であり、大学と社会は密接に絡み合っているということです。先ほど私は、内部としての大学・外部としての社会という形で両者を対比させましたが、もはやこのような安易な図式は成り立ちません。であるならば、大学を問うこと、それはつねにすでに社会を問うことであり、「社会との接続」ではないでしょうか。

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