9月18日、MIRAI生4名が都立三田高等学校の授業を見学に行きました。
MIRAIプログラムでは、アカデミアの外にも自身の研究成果を発信する意欲を育てていきたいと考えており、高校はその重要な場の1つとして位置づけています。

三田高校では、この日、2年生の探究活動の中間発表会が開催されていました。
探究活動の成果報告として学年末に論文執筆と研究発表会が予定されており、その進捗報告としてポスター・プレゼンが実施されたのでした。
今回、見学に参加した4名のうち3名は、ポスター・プレゼンの講評者を任されていました。
それぞれ担当のポスター・プレゼンを聞き、ブラッシュアップに向けたコメントや質問をする役割です。
博士学生としての知識や経験を活かし、鋭くかつ建設的なコメントを高校生に投げかける姿が見られました。

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今年度の12月からは、三田高校の1年生の探究授業の支援にMIRAI生が数名入ることが予定されています。
今回の見学と講評は、それに向けた視察も兼ねて計画されたものでした。
来年度に本格的に始まる探究活動に備えて、その最初のステップとなるテーマ決め(リサーチ・クエスチョンを立てる)について、高校生の伴走をしていくことになります。

最後に、見学・講評に参加したMIRAI生の感想です。

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今回は探究学習の中間発表会の講評をさせていただきました。
1組5分の発表の後に、3分間の講評という形式でしたが、発表を聞いて把握しながらコメントも同時に考えるというのはなかなか頭脳的に重労働で、終始あたふたしながらの対応となりました。
聞いたのは自身の研究テーマとは関係のない分野ばかりでしたが、どれも身近ながら興味をそそられる内容ばかりで、高校生の皆さんの好奇心や探求心に驚かされるとともに、研究の楽しさを再確認するという点で、自身の研究を振り返るよい機会をいただいたなと感じました。
貴重な経験ができ、このような機会をいただいたことに感謝したいと思います。
(石橋)

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今回は講評という立場で三田高校の中間発表会に関わらせていただきました。
特にリサーチクエスチョンの立て方やそれに対する答え方といった構造的側面からコメントしましたが、中には高校生の皆さんだからこその当事者意識を背景とした面白いテーマもあり、その発想を興味深く思うこともありました。
講評をもとにさらに探究学習を発展させていっていただければと期待しています!
(小林)

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講評した発表は、高校生ならではの視点や問題意識からテーマに切り込んでいるものが多く、非常に興味深いものが多かったです。
中には、高校という環境を活かし、100名以上からアンケートを収集したり、実験を行ったりした実証的な研究もありました。
どうしたらより良い研究になるのか、議論に夢中になり、目を輝かせている高校生の姿も見ることができ、その探求心にこちらも大きな刺激をいただきました。

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私は1年生の探究授業の見学をしました。1年生はプレ探究としてまずはミニ調査を行っていました。
各グループの話し合いは、自分たちの立てた問いに対する調査・実験を計画しているグループから、もうすでに調査のデータが集まりつつあるグループもありました。
仮説通りの実験結果が出て、その結果の裏づけをより強固にするために実験を発展させようとしていたり、一方で予想外の結果が出てその理由が分析できず行き詰まっていたり、メンバー同士ああだこうだいいながら作業を進めていました。
その様子を見て、どのグループも着眼点がとても面白く、生徒の強い好奇心を感じ、とても刺激を受けました。
カラオケでいい点数が出るにはどうしたら良いのか、テスト前に友達と勉強するのと、1人で勉強するのとどちらがテストの結果が良くなるのか、など、自分自身に直接的に関係があるものでした。
自分とその周辺数メートルにいる人が幸せになる探求、すてきな研究の種だと感じると同時に、私自身の研究の原点も思い出されました。
今後、どのように発展していくのか楽しみです。
(伊瀬知)