7月13日に今年度4回目のゼミが開催されました。

担当は、宮本さん・石川さん・張さんです。

今回のゼミでは、「自己の内面を深掘りしよう」というテーマが設けられました。

冒頭で張さんから、自身の研究(文学研究)が社会と繋がっていないように感じるという悩みが共有されました。

純文学の研究成果が、社会にとってどんな意義があるのか、社会にどう貢献できるのか。

この張さんの悩みを発端として、自分の研究と社会とのつながりをMIRAI生同士で模索していくために、今回のゼミは企画されました。

「研究と社会とのつながり」はMIRAIの理念の中でも掲げられており、MIRAI生が向き合っていかなければならない重要なテーマです。

しかし、正しい答えがあるわけではないため、向き合おうとすればするほど悩みが次々と浮かんできます。

今回のゼミでは、①自分の強み・②自分の発展のために必要な要素・③目指す将来像という3つの観点で自己を見つめ直し、さらにペアで対話していくことでそれらを深めていきました。

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当日のゼミの流れ

  1. アイスブレイク(ペアワーク)
    ちょっとしたことや、アイデアが浮かんだ時、誰と共有していますか?

  2. 問題の共有
    ●「知」が爆発し、人文学そのものがますます重要視されない現代では、如何に自分の研究に意義を見出すのか?
    ●「社会」とは何か、如何に研究と「社会」との繋がりを模索すべきなのか?
    ●自分の研究をどのようにして、研究者ではない人に理解してもらえるのか?
    ●博士後期の研究を通じて、学位を得る他に、何かを達成したいのか?

  3. 本日のゼミで考えたいこと
    a. 研究に関する自身の強み
    b. 今後自身や研究・活動の発展のために必要な要素
    c. 目指す将来像(ロールモデルを含む)

  4. 本日のワーク:個人フォーカス・対話型ワークショップ
    (10分)回答を自分なりに考えてミニポスターを作成する ※ 書き方は自由
    (20分)二人一組で対話(アドバイスや悩みの共有など)
    (10分)ミニポスターの修正 ※ 個人でも、相談しながらでもOK
    (10分)ミニポスターを皆で自由に見て回る
         → 賛同するものに「★」を書いたり、コメントを書き込んだりする

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振り返り

石川:これまで参加したMIRAIゼミではプロジェクト化やお金の話など、実利的な内容が多かったが、「自分」について立ち返るという、これまでとは異なる内容でゼミを行った。今回、テーマにした内容は奨学金や助成金などの申請に際して必ず問われるものであり、同時に回答に悩むものでもある。これらの内容は、申請に合格するだけのものではなく、自分の研究に対する立場を明らかにし、どう社会と繋がっていくかを考える上でも重要な前提条件的なものであると思う。一対一の対話型という手法を取り入れることで、より自分の想いを深掘りしたり、拡張したりするきっかけができたのではないかと思った。対話には自分の気づきや理解を深められるという効果があることを感じた。今後のゼミでもこのような対話型のワークを取り入れても良いと思う。

宮本:今回のゼミは、張さんが普段感じていた「悩み」に、石川さんの「問い」を組み合わせてテーマを定め、アイデアを出し合いながら、ゼミを組み立てた。そこで意識したのは「その場限りでなく、MIRAI生が引き続き考えることができるようなゼミにしたい」という点である。
   個人的にも、先日MIRAIプロジェクトで講演をして下さった植山さんのパーパスを探る方法や、岩尾さんのファシリテーションから学んだことを念頭に、個人フォーカスのワークショップをやってみたいなという考えもあった。そこで、これまで行ってきたワールドカフェを応用し、より自己の内面を深掘るペアワークに取り組み、最後に作成したポスターを見て回り、他のMIRAI生と会話をする時間を設けた。
   実際に行ってみて、改善点もあったものの、皆さんが主体的に取り組んで下さったことで、次につながるゼミになったのではないかと思う。他にもテーマや目的に合わせて、どのようなワークショップが可能なのか学んでいきたい。

張:今回を加えてわずか2回のMIRAIゼミにしか参加したことがないため、今回は主に自分たちの関心と皆さんの研究を如何に一つの平面で考えることができるのかという出発点から、「社会」というテーマを設定した。単にお互いの研究を知るのではなく、それを共振させ、自分の研究を変化をもたらしたい。人文学それ自体の必要性と存在価値が問われる現在では、その原点に振り返ることが大切だと思う。今回では、一対一で深めの交流ができたのは予想以上の収穫である。今後は、一対一と一対多数のバランスを的確に取り、交流の深さと広さと同時に一つのゼミで実現できればと思う。