MIRAI推進室コーディネーターの青井です。

2023年3月29日(水)、高校生向け体験授業の一企画として、MIRAIの学生が講師として登壇する「MIRAIトーク」がおこなわれました。

今回授業を担当したのはMIRAI生(2期生)の小林さん。
今回の経験から、どのような学びを得たのでしょうか。
インタビューをしてみました。

―まずは軽く自己紹介をお願いします

本学博士後期課程の小林です。外大には博士前期課程から在籍しています。  専門は日本語教育で、中でも学習活動にゲームの要素を取り入れて改善する「ゲーミフィケーション」と呼ばれる手法を研究しています。

―今回高校生向けに授業を行われたわけですが、ご自身の研究内容を紹介するような形だったのでしょうか?

いえ、単なる研究紹介にならないように授業を構成しました。  与えられていた時間が30分と短めだったこともあり、まず考えたのは、授業というよりは、その後に続く先生方の授業の"前座"的な役割を全うしようということです。"前座"というのは悪い意味ではなく、この後に先生方の専門的な授業を受けるにあたって、アイスブレイクもしつつ心構えを作ってもらえるような内容にしたかったんです。

―具体的にはどのような内容でしたか?

個別的・専門的な話題ではなく、大学での学びがどういうものなのか、自分はどのように研究に向き合っているのか、とそういったお話しをしました。具体的には、学問の場で多義的な言葉に向き合う上での批判的態度の重要性について、「ゲーム」という言葉を例に話しました。私自身は「ゲーミフィケーション」が専門であって「ゲーム」そのものではないんですが、自分がいつも直面する言葉の解釈の問題として取り上げた形です。

―そのようなお話しをするための準備段階で気をつけたことなどを教えてください。

このMIRAIトークで登壇するにあたって意識したことが3つありました。  

1つ目は単純に、今回のテーマをきちんと他者に伝えるようになることです。「ゲーム」の言葉が持つ固定的なイメージについての問題には研究の上で何度も直面しているのですが、そのことを他者と共有する経験がなかったので、きちんと言語化しておきたいという思いがありました。  

2つ目は、効果的なプレゼンテーションの実践です。MIRAIトークがあった3月の頭にスライド作成術のセミナーに参加したのですが、MIRAIトークがその後にあった最初のプレゼンの機会だったので、セミナーで学んだことを実践しようと考えてスライドを作りました。セミナーでレクチャーされたポイントは全て反映させたスライドにしたつもりです。  

3つ目は、わざわざ話を聴いてくださる高校生のためになるよう、少しでも主体的な学びにつながるような内容や構成にすることです。一方的な知識伝達ではなく、短い時間ながらも近くの人と話し合ったり自分で考えてみたり、手を挙げて質問したりといった経験ができるよう意識しました。

―そういった意識のもと行った授業で、高校生の反応はどうでしたか?

最初は高校生の皆さんも緊張していたような感じでしたが、アイスブレイクがある程度狙い通りに機能したと思います。MIRAIトーク後には入試課の方が「体験授業で高校生が活発に話したり手を挙げたりするのは中々無い」と仰ってくださったので、その点は良かったのかなと思います。自分としてはもう少し上手くやれたかもしれないという反省点があったので、次に活かしたいですね。

―では最後に、今後MIRAIトークとして登壇するMIRAI生へのメッセージをお願いします。

研究発表に限らず自分の考えを誰かに伝えることは大切ですが、背景が共通していない他者との対話こそがより有益なものだと思います。高校生と普段喋る機会の少ない方にこそ、MIRAIトークに取り組んでいただければと思います。

―小林さん、ありがとうございました。

MIRAIトークは、今年度も引き続き実施します。
MIRAI生にとっても、高校生にとっても、貴重な経験になります。
MIRAI生のみなさん、エントリーお待ちしています!