1月25日にMirai 生の企画により『キャリアパス開拓シリーズ第一回:青井隼人さんのキャリアカフェ』が行われました。

このイベントは、Mirai の理念の一つである「キャリアパス開拓」に焦点を当てたものであり、博士課程修了後様々なキャリアを経験された青井さん(MIRAIプログラムコーディネーター)のお話を伺いたいと企画者の中で一致したことから、企画されました。

【当日の流れ】
 11時40分~12時10分
   青井さんによる経歴の簡単な紹介、研究事務所の設立について

 12時10分~12時30分
   大学院時代、博士課程での活動について

 12時30分~12時40分
   「キャリアパス開拓」のシリーズ化の発表、今後の企画の発表

 12時40分~13時00分 
   フリーディスカッション

青井さんの希望により、固い講演会ではなく、気軽に話し合えるキャリア・カフェという形式で行いました。結果的に、参加者の間で活発な意見交換ができ、miraiゼミに近いアットホームな雰囲気でイベントを行うことができました。

参加者には、事前に青井さんの経歴を共有し、イベント当日までにジャムボードに質問を記入してもらう形を取りました。ジャムボードを使用することで、質問を関連付け、発展させながら会を進行することができました。

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今回最も印象的だったのが、青井さんは、博士課程修了後、常勤のポストの就職に向けて書類を出してもどこにも通らず、面接にも呼んでもらえない状況が続いたということでした。この状況を変えるため、発想を転換し、就職しなくても独り立ちできるように準備を進めていったとのことでした。これまで、プレゼンテーションの仕方や論文の書き方が分かりやすいと褒めてもらうことが多かったことを踏まえて、卒論ゼミなどで講師として出張講義を行い、これをきっかけに、論文の書き方、プレゼンテーションの方法を教えるセミナー活動をするようになったとのことでした。

博士課程取得者の就職は厳しいということは周知の事実ですが、改めて、常勤の大学教員になることの難しさを経験談として聞くことで、リアルに感じることができました。また、青井さんの経験談、青井さんの同僚の進路の話を聞くことで、自身にどんな選択肢があり、どのような可能性があるのか、具体的かつ現実的に考えるきっかけとなりました。青井さんが非常に話しやすい方で、これまでの経験やご自身の感じたことを包み隠さず伝えてくださったため、博士修了後のキャリアの現実を身に染みて感じるとともに、将来について複数の選択肢を用意し、前向きに考える機会となりました。

また、今回のキャリア・カフェを通じて、博士課程で培ってきた知識や技術、人との繋がりが博士課程修了後の貴重な財産となることが分かりました。修了後の選択肢を広げるために、博士課程のうちから自身の興味関心を広げ、行動していくことが重要であるため、今後もこのような企画をしていきたいと思います。

これからの企画について

今後は2023年4月と5月に、それぞれオンライン日本語教育機関を設立した経営者と、文化人類学を専門領域として、研究を進めながらワークショップなどを開催している大学院生を招き、キャリア講演会を予定しています。前者は博士課程の学生や研究者を受け入れる姿勢のある企業であり、後者はアカデミア以外の場所にいる人と研究を繋ぐ活動をしているという点で、多様なキャリアパス形成を試みる博士後期課程の学生の助けになるものだと思います。参加はMIRAI生に限らず、大学院生に開かれたイベントにしたいと考えています。