MIRAI推進室の久納です。
前回のSlackの回で少し名前が挙がりましたが、今回から数回に分けて
Notion
に焦点を当てて記事にしたいと思います。
使い始めて1年半が経過しますが、筆者はこのアプリを「DXの権化」と思っています。笑
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
Notionを説明するにあたり、DXを絡めて話を進めます。ということで、まずは「DXとはなんぞや?」というところから始めたいと思います。
※あくまで筆者の知識・考えの範疇です。ご注意ください!!
字面的に見れば「デジタル化」ということになりますが、イメージとしてはデジタル化の最終形態をDXと呼ぶ・・・という認識になると思います。
では、巷でよく言われている「デジタル化の段階」に分けて触れてみましょう。
1.デジタイゼーション
「紙など物理的に作っていたものをデジタルにする」段階を指します。
(業務フローなどは紙ベース管理の処理と同様。)
少し前までは、デジタル化と言えばここ止まりでしたね・・・。
もちろん、これだけでも管理しやすくなりますが、根底には紙ベース管理の考えが残っています。
2.デジタライゼーション
「デジタイゼーションに加え、業務フローもデジタル化する」段階を指します。
お仕事をしている人にとっては、「決裁フローをPC・ネットワーク上のみで完結させること」と言った方が早いでしょうか。
近年叫ばれている「脱ハンコ」に最も必要なものかと思います。
ここまで来ると、「デジタル化は終わっているんじゃないか?」と思われる方も多いのではないでしょうか。実際、少し前までであれば、デジタライゼーションまでを「DX」と呼んでいた方が多かったでしょう。
3.DX(デジタルトランスフォーメーション)
現在、社会的に「目指すべき」とされているものですが、概念としては、
「デジタルにより、1組織だけでなく社会全体において、その在り様に変革が起きる」段階を指します。
{変革}と聞くと仰々しいですが、実は2022年時点で40代前後の方々は、何度もデジタルによる社会全体の変革を経験しているはずです。
職場では紙の書類からワープロを経て、PCでの業務が一般になりました。
どうでしょう・・・紙やワープロの時代に戻りたいですか?
プライベートでの通信は、固定電話→PHS→携帯電話→スマホという流れで移り変わりましたが、携帯電話以前の時代に戻りたいですか?(一部いらっしゃるかもしれませんが・・・)
※加えて、{インターネットによる変革}もありましたね。総じて「IT(インフォメーション・テクノロジー)革命」と言われたりしていました。
現代を生きる皆さんは、デジタルツールを使うことが当たり前になっていると思いますが、前時代で「みんながデジタルツールに慣れる」ことで起きた変革の結果と言えるでしょう。
それに対し、今叫ばれているDXは、ツールではなく「処理方法の根幹をデジタル基準にする」ことで起こす変革である、と言えます。
概念としては社会全体の変革ではありますが、一般的には組織内での変革のことに焦点があたりますので、今回はその考え方で話を進めようと思います。
(但し、最終目的地として社会全体の変革がある点は、各々認識しておく必要があるでしょう。)
閑話休題:
遠い昔、筆者が大学生の頃にゼミの先生が、
「使っていたら『オタクきもーい』と言われていたモノが流行る傾向にあるから、もしかすると今後は出会い系サイトを使うのが流行るかもね。アハハ。」
と言っていましたが、今やマッチングアプリは普通になりましたね。
デジタルツールの歴史は、オタクへの迫害に対する世間の掌返しの歴史でもある・・・と筆者は考えています。
(差別が激しかった時代からのオタクなので、そう思うのかもしれませんが。)
紙で書類を残すことが当たり前で、ピッチ(PHSの略称)がナウなヤングにバカウケだった時代は、PCや携帯電話を持っていた人は「オタクきもーい」と言われ、その後PCが普及した後はインターネットをやっている(メアドを持っている)と「オタクきもーい」と言われ・・・。アレはなんだったんでしょうね。苦笑
ただ、その「世間の掌返し」こそが、変革が起きた確かな証拠になっていると思います。
「デジタル」へ「トランスフォーム」するには?
{日本流DX}は、なぜ成功しないのか?
「DX化もあることだし、PDFを指定のフォルダに集めるという形で処理することはできないか?」という話、アナタの組織で話題に出たことはありますか?
ここまでお読みの方はお分かりでしょうが、この提案は全くDXのことが考えられていませんね。苦笑
このようなDXの基本概念がない人材がデジタライゼーションに突っ走ってしまった場合、担当部署の都合しか考えられていないシステムが生まれ、他の関係者が使いづらいシステムが各部署に乱立し、DXどころではなくなってしまいます。
(日本流DXの失敗例としてよく挙げられてます。)
また、この流れで作成されたシステムの根底には紙ベースの考え方が必ずあるため、結局はデジタルの旨味がないシステムに仕上がり、「紙が一番、やっぱりね♡」で終わるか、担当部署以外で業務の歪みが発生し、更に現場が混乱するかのいずれかでしょう。
加えて、「デジタルのことなんてわかんないから、詳しい人に任せよう!」ということで、DX担当部署なるものを作る組織もあるかもしれませんが、これも将来失敗してしまう例として挙げられると思います。
DX担当部署に大きな権限を与え、強制的に組織の人間全員にデジタルマインドを植え付けるのであれば効果的でしょうが、上述のような組織において、このような部署に大きな権限が与えられることは稀で、「便利なシステムを作ってね♡」と依頼されるだけの部署になることが多いかと思います。そして、その場合に求められる{便利なシステム}とは、必然的に紙ベースの考え方になります。
(デジタルベース管理基準のシステムだと、紙ベース管理から抜け出せていない人たちは「使いづらい」と感じてしまいますので。)
・・・失敗することは明らかですね。f^^;
変革の根底が、{各々の考え方}に依るものなので、その組織の一部の人がデジタルマインドになるだけでは、達成は到底不可能です。ましてや、紙ベースに慣れている人にとっての便利なシステムでDXを達成することは100%不可能です。
この二点からもわかるように、{誰かに仕事を押し付けよう}{新しいことを覚える気はサラサラない}と考える人材が蔓延っている組織では、到底組織のDXは無理です。
組織のガバナンスがしっかりしていて、且つ組織に所属している者全員の協力のもと、業務の横のつながりを作ることを考え、執行部・管理職が率先して意識を変える気概があって初めて、DXは成功するものと思います。
特に日本中のお偉い方々、「ぼくは かしこいから わかるんだ!」は非常に危険です。新しいものには「無知の知」を以って迎え撃つ必要があります。デジタルという{プロメテウスの火}を進化の火種とするか、仕事の現場を焦土化させる核兵器にしてしまうかは、あなたたち次第です。
中国:教育部(CHSI)の電子学歴証明システムについて
以前、筆者は入試課に在籍していたのですが、丁度その在籍期間に、中国教育部が
「学歴については、全てCHSIの電子学歴証明システムに統一し、紙媒体の証明書は発行しない」
と宣言しました。
(中国の学生さんは、CHSIへの申請後、Online Verification Report of HEQCという電子証明データが発行されますが、CHSIのサイトでここに記載された番号を打ち込むと、内容が正しいものか確認できます。)
筆者としては大変ありがたい宣言でした・・・。紙ベースでは提出されたものが正規に作成されたものかを判断することが難しいのですが、これで確認すれば一発解決です。
※もしかすると既に対応済みかもしれませんが、中国の国務院には、是非とも学位証明書も同様の宣言をしていただけるとありがたいなぁ・・・と、当時は思ったりしていました。笑
このシステムはデジタライゼーションに位置するものですが、国のシステムをデジタル化することで、デジタルの有用性やデジタルを根幹にした考え方を国民に涵養する一助になっているものと思います。
社会からの変革という考え方もありますが、こういうものは上(政府・国)からの変革も一考する価値はあるでしょう。
※ただ、中国は金盾(グレートファイアウォール)でのアクセス統制が行われているからこそできたものである、という点を忘れてはいけません。
学歴等の証明については、重要な個人情報を含むことに加え、その人の人生を左右するものですので、かなりしっかりとしたセキュリティを確保する必要があります。
「言うは易し、行うは難し」・・・。
日本でDXを成功させるためには・・・?
これまでの内容を見ればお分かりいただけたと思いますが、DX達成には「個人の意識改革」が必要不可欠です。
しかしながら、悲しいことに日本の組織は目標が出た時に、現在の価値観のみで達成後の光景を考え、逆算して事業を進めてしまいがちで、ことDXに関しては、DX担当部署が新規のシステムを作ることで達成したことにする傾向にあります。
※ちなみにシステムを作成する際は、最終的に必要となるものから逆算して考えることが重要になります。ご注意を・・・。
お金を与えてシステムや機材を揃える・・・確かに必要なことではありますが、それは、組織内の人材全てにデジタルマインドが行き渡ってから行うことではないでしょうか。
では、どうやってデジタルマインドを行き渡らせるか。
ここで筆者が提案するのが、この「Notion」です。
(深夜の通販番組のノリで)
このアプリは、少なくとも紙ベース管理の感覚だと、その有用性に気づけないアプリですので、このアプリ自体が「デジタル人材育成道場」になると言っても過言ではないでしょう。
・・・という、次回へのヒキも作ったところで(笑)、今回はここで終わりにしたいと思います。
次回以降、Notionで何ができるのか?どのように使えばいいのか?という点を記事にしていく予定です。
更新をお待ちください!!